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有機ELがフレキと共に立ち上がりそう

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有機ELディスプレイがテレビ用やスマートフォン用の固定ガラスのリジッド基板から、フレキシブル基板へと変わりつつある。2017年の第3四半期には、フレキシブル基板の有機ELは32億ドルの売上額になり、リジッド基板の30億ドルを超えそうだ。IHS Markitがこのような予想を発表した。

図1 有機ELの出荷額予想 出典:IHS Markit

図1 有機ELの出荷額予想 出典:IHS Markit


この市場調査会社によると、ハイエンドのスマホに使われているフレキシブル有機ELディスプレイは2016年と比べ、150%増(2.5倍)の勢いで伸びており、リジッドな有機ELは2%減で落ちているというのだ。

IHSによると、Samsung ElectronicsとLG electronicsは共に2013年から有機ELディスプライをスマホ向けに出荷してきているが、その出荷量はこのところ頭打ちの傾向がある(図1)。しかし、競合他社との差別化のためにフレキシブル有機ELを使うようになってきたという。

AppleがiPhone 8に有機ELを使うという話があっという間に広まり、しかもフレキシブル有機ELだろうという推測も多い。Samsung、LGともAppleに対抗するために、一足先にフレキシブル有機ELデザインに変えてきているということであろう。ただし、フレキシブル有機ELの価格は、リジッド有機ELと比べ、まだ高く、ハイエンドのスマホに限られている。

2018年以降は、飽和から再び成長へとIHSは予想している。同社のニュースリリースには示されていないが、ここにはiPhone 8だけではなく、フレキシブル有機ELによる新型Apple Watchをはじめとするウェアラブルデバイスへの応用も見込んでいるはずだ。有機ELはフレキシブル基板を手に入れることでようやく、本格的な成長期を迎える可能性が高い。

(2017/03/29)

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