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9月の世界半導体販売額は単月過去最高の320億ドルを突破

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WSTSによると、9月単月の世界半導体販売額は過去最高の320億3502万ドルに達した。これまでの最高値は2014年の318億ドル。昨年9月は落ち始めていたため、309億9028万ドルにとどまっていた。セミコンポータルの見積もり通りだった(参考資料1)。

図1 世界半導体の販売額の回復は順調に進む 出典:WSTSのデータをもとにセミコンポータルが計算したもの

図1 世界半導体の販売額の回復は順調に進む 出典:WSTSのデータをもとにセミコンポータルが計算したもの


9月の最高値の意味するものは、半導体の販売額が増え続けてピークに達したことを示している。さらに、前年との差をとると(図1)、着実に回復している様子がわかる。2015年は6月ごろから前年差でマイナスに推移してきており、そのマイナス成長は今年の6月まで約1年続いた。原因はメモリの供給過剰と、パソコンの急速な落ち込みであった。

メモリの在庫がはけ、需要はようやく回復してきた。この勢いは持続するだろう。というのは前年差でデータをとる限り、前年が落ち込み過ぎたためだ。また、パソコンの出荷台数はやはり減少傾向が続くものの、メモリ需要が見込まれメモリ単価は上昇している。

この勢いを外挿することで市場調査会社のIC Insightsは、今年の半導体市場は1%程度のプラスになろうと見込んでいる。従来は今年もマイナス成長、という見方が強かった。ただし、10月、11月、12月の半導体販売額がもっと増えない限り、2016年全体としてプラスにはなりえない。12月は例年、販売額が下がる傾向がある(クリスマス商戦が終わるから)ため、最終的にトントンになればよいかもしれない。


参考資料
1. 世界の半導体市場、9月は市場最高の売り上げに (2016/11/02)

(2016/11/16)

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