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世界半導体売上額、3月はプラス成長に

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米国の半導体工業会(SIA)が発表した2016年3月の世界の半導体販売額は、前月比の0.3%増の261億ドルになった。このところ下降気味に推移してきたが、ようやく歯止めがかかったように見える(図1)。ただし北米市場が依然として悪いため、一時的な現象といえないこともない。

図1 世界半導体の売上額の推移 出典:SIAおよびWSTS

図1 世界半導体の売上額の推移 出典:SIAおよびWSTS


SIAが発表する数字は全て3ヵ月の移動平均値であり、3月の値は1~3月の月次の平均値である。その数字はWSTS(世界半導体市場統計)をベースにしている。前年同期比では5.8%減であるため、下げ止まったとはいえない節もある。地域別にみると(表1)、前月比における3月の移動平均値は北米が2.8%減の48億9000万ドル、中国が1.1%減の79億3000万ドルとマイナス成長だったが、日本は4.8%増の25億9000万ドル、続いてその他の2.3%増の80億1000万ドル、欧州も0.1%増の26億7000万ドルとなっている。世界全体で0.3%増の260億9000万ドルということになる。


表1 2016年3月の地域別売上額 出典:SIA

表1 2016年3月の地域別売上額 出典:SIA


日本が最も成長率が高いが、これは3月が年度末の企業が多いことと関係する。年度末には、これまでの製品やサービスの売り上げを計上することが多いため、日本では半導体に限らず、3月の売り上げは毎年多い。昨年も日本は3月に1.8%増、中国も1.3%増を示したが、他の諸地域はマイナスだった。この通りだとすると、下げ止まりは一過性のモノかもしれない。

また、2016年第1四半期の売り上げは、前四半期と比べて5.5%減少しており、ほんのわずか改善の兆しが見える。SIAの会長兼CEOのJohn Neffer氏は、「3月の売り上げは、この5ヵ月間で初めて増加したが、まだ需要は軟調だ。市場のサイクル周期性やマクロ経済状況などから見ると、まだ確実な成長という訳にはいかない」と述べている。

同氏は、「米国半導体産業の83%は米国以外の地域に市場を持っている。TPPはアジア太平洋地域の貿易の参入障壁を下げる働きをすると期待している」と述べている。

(2016/05/06)

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