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日本製半導体製造装置市場は安定期

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SEAJ(日本半導体製造装置協会)が発表した5月の日本製半導体製造装置の受注額、販売額、B/Bレシオは、それぞれ1288億6600万円、1391億6000万円、0.93であった。B/Bレシオは3ヵ月連続で1.0を切ってはいるが、受注額、販売額とも3ヵ月連続1000億円を超えており、安定期に入っているといえる。

図1 日本製半導体製造装置の受注額、販売額、B/Bレシオ 出典:SEAJ

図1 日本製半導体製造装置の受注額、販売額、B/Bレシオ 出典:SEAJ


2015年における半導体製造装置市場をSEMIが5月に予測した数字では、前年比11%増の387億ドルに成長する。世界経済を見ると、好調な米国経済にけん引されて、半導体市場、製造装置市場が悪くなるという要素は少ないだろう。

各月の数字を過去3ヵ月の移動平均値で表している図1の数字の動きを見ている限り、5月における受注額の落ち込みは誤差範囲といえるだろう。受注がゆっくりと増え続けているのに対し、2月くらいまでは販売が追い付けない状態が続いていたためにB/Bレシオが1.2を超えていた。販売額は3月くらいにようやく追いつき、B/Bレシオが1.0を少し割る状態を推移してきた。5月の0.93は誤差範囲である。


図2 日本製FPD製造装置の受注額、販売額、B/Bレシオ 出典:SEAJ

図2 日本製FPD製造装置の受注額、販売額、B/Bレシオ 出典:SEAJ


FPD製造装置は、受注と販売とのかい離が激しく、販売額は受注額に対してまだ追いついていない。このためB/Bレシオが1.71と高いままになっている。1年間の動きを見る限り、受注額は90億円から510億円と極めて幅広い範囲で推移しているが、販売額は激しい波の受注額の推移について行けずに、ゆっくりと200億円から280億円の範囲を推移している。このことは、B/Bレシオも急激に上下する。B/Bレシオに振り回されないことが良いかもしれない。

参考資料
1. 日本製製造装置、依然好調 (2015/05/26)

(2015/06/18)

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