10月の半導体製造装置、受注額が前年同期比で倍増、好調を持続
2013年10月における日本製半導体製造装置のB/Bレシオが先月の1.25を大きく超え、1.59という値になった。だからといって、文句なしに好況に向かうという訳ではない。受注は相変わらず上向きだが、販売額が落ちたために見かけ上B/Bレシオが大きく上がっただけにすぎないからだ。
図1 日本製半導体製造装置の受注額・販売額・B/Bレシオ 出典:SEAJ
10月の受注額は1213億2500万円で、前月比14.6%増であったが、販売額は前月比9.8%減の763億4000万円となった。好調時は、受注額・販売額共に上向く。B/Bレシオで注意しなければならないことは、このレシオは絶対的な指数ではないということ。目安として、1.0〜1.2程度が健全な成長にあると言えるが、この範囲を大きく逸脱すると決して喜ばしいことではない。受注額か販売額が異常なくらい小さいか大きいかということを表しているからだ。
これを踏まえた上で、グラフの推移を見ると、良い方向にあることは間違いない。受注額に対して販売において何らかのブレーキが働いて下がっているということである。そのブレーキの要因はいろいろ想像できるが、一時的ものなので、深入りすることではない。
11月のB/Bレシオは、販売額が再び上向くだろうから、少し下がるだろう。しかし、これも心配するようなことではない。許容範囲といえよう。
半導体の製造装置に対して、FPD製造装置は依然として厳しい状況にある。B/Bレシオは1.0に近い、0.97に戻ってきたが、販売額の減少はいまだに止まらない。受注額は10月単月に少し上向きになったが、低いレベルをさまよっている状態だ。
図2 日本製FPD製造装置の受注額・販売額・B/Bレシオ 出典:SEAJ
液晶の応用製品として、パソコンやテレビという大型化からスマホやタブレットなどの中小型化へとシフトしているため、FPD製造装置市場としては、リーマンショック以前のような状況には戻りにくい。中小型液晶向けの製造装置に特化していくことになろう。