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中国IC生産のトップ10ランキング、1位にIntelが躍り出る

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中国におけるIC生産をけん引するのは外国企業で、トップはIntel、2位はSK Hynixという結果が米市場調査会社IC Insightsから発表された(表1)。これは2012年におけるIC生産額について調べたもの。中国におけるIC生産は2012年に89億ドルにとどまり、ICを使う市場の810億ドルに比べてまだ小さい。

表1 中国におけるIC生産メーカートップ10ランキング 出典:IC Insights
表1 中国におけるIC生産メーカートップ10ランキング 出典:IC Insights


中国における2012年のIC生産のランキングを見ると、第3位にSMIC、第4位のHua Hong Grace(2012年第1四半期にHua Hong NECとGrace Semiconductorが合併)は3位から大きく引き離されている。5位にはTSMCの海外唯一の中国法人(工場)が入った。

第1位のIntelは、2010年10月に大連で300mmファブを立ち上げ、それ以来生産を増強し続けてきた。2012年の売り上げは対前年比27.6%増の23億8000万ドル。現在の生産能力は300mmウェーハで月産3万枚である。建屋内にプロセスラインを拡張すれば、最大5万2000万枚まで生産可能になるという。

第2位のSK Hynixは、DRAMを生産しており、4%減の23億6000万ドルとなっている。SMICの売り上げは乱高下が大きく、2011年は15%減の13億2000万ドルだが、2012年は29%増の17億200万ドルになった。SMICにはTSMCの資本も一部入っている。このランキングを見る限り、中国のICファブでは外国企業が強い。

2012年のはじめにはサムスン電子が韓国政府の認可を得て、同年9月西安において300mmウェーハプロセス工場建設に着手した。2014年前半にNANDフラッシュの生産開始を目指す。工場全体で70億ドルを投資する予算を組んでいるが、最初のフェーズでは23億ドルを投資する。この工場では、10〜19nmルールのプロセス技術を使ったNANDフラッシュの生産を目指している。


図1 中国におけるICの生産額と市場 出典:IC Insights

図1 中国におけるICの生産額と市場 出典:IC Insights


IC Insightsは、中国で生産されるICは2017年には現在の89億ドルから200億ドルに増えると見ている(図1)が、この時代の世界の半導体生産額は3591億ドルになっていると予測する。200億ドルでさえも世界生産額の5.6%にすぎない。この時にはIC市場は1390億ドルに増加すると予測している。

中国にはAppleのiPhone生産など消費者向け製品の工場が数多く存在するため、中国は「世界の工場」と位置付けられている。しかし、半導体ICのような中間財では「世界の工場」には至っていないことになる。

(2013/07/26)

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