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MEMSの2012年トップ20社ランキング、IHSグローバルが発表

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米市場調査会社のIHSグローバル(旧アイサプライ)は、ファウンドリを除くMEMS企業のトップ20社2012年ランキングを発表した(表1)。これによると、トップはドイツのBoschとスイスのSTMicroelectronicsで、いずれも7億9300万ドルと同額。MEMS産業は世界全体で、前年比4.8%増の83億4200万ドル規模に成長した。

表1 IDMおよびファブレスのMEMSメーカートップ20社

表1 IDMおよびファブレスのMEMSメーカートップ20社


IHSグローバルのランキングにはMEMSファウンドリの売り上げは含まれていない。ファウンドリの売り上げはファブレスやIDMからの発注によるものであり、それらを加えるとMEMS製品全体の売り上げをダブルカウントしてしまうからだ。

トップの両社では明確な差は出ず、為替レートの設定次第で差が出た可能性が大きい。Boschは世界トップの電装品メーカーであり、自動車向けのMEMS製品に強い。ただし、2012年はBoschの8%という伸びに対して自動車向けは5%増にとどまり、民生およびモバイル向けのMEMS製品は17%伸ばした。STは民生とモバイルに強く、この市場では32%というシェアを持つ。ジャイロスコープ、加速度センサ、圧力センサで民生/モバイル市場を席巻している。

前年1位だったTexas Instruments(TI)は3位に、同2位だったHewlett-Packard (HP)は4位にそれぞれ後退した。TIは3%減の7億5100万ドル、HPは9.5%減の6億7700万ドルとなった。TIはこれまでプロジェクタ用のDLP(digital light processing)デバイスにMEMS技術を使ってきたが、ホームシアターやリアプロジェクタなどのプロジェクタ市場が後退したと同時に、ピコプロジェクタは期待されたほど伸びなかった。HPはインクジェットプリンタ用のヘッドにMEMS技術を使ってきたが、使い捨てのプリンタヘッド市場が小さくなってきたことが影響した。

トップ20社の中で最も大きな成長を遂げたのはInvenSenseである。前年比30%増の1億8600万ドルの13位に躍り出た。同社はゲーム市場に特化し、任天堂のWii Motion Plusゲーム機のアクセサリにMEMS慣性センサが使われてきた。今後、ゲームからスマートフォンやタブレットに領域を広げている。同社は、4mm角のパッケージ内に加速度センサとジャイロセンサを集積、合計6軸慣性センサのパイオニアである。最近では、3mm角のパッケージ内にさらに磁気センサまで集積した9軸の慣性センサを生産し始めている。

(2013/06/18)

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