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日本製半導体製造装置は受注額伸び緩く、FPD製造装置は要注意へ向かう

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SEAJ(日本半導体製造装置協会)が12月19日に発表した、11月の半導体製造装置とFPD製造装置のB/Bレシオ(販売額に対する受注額の比)は、それぞれ0.89、1.37であった。数字だけ見ると、半導体は0.19ポイント上昇、FPDは0.41ポイント下降だが、半導体は警戒をまだ解くことはできない。FPDも要注意にやってきた。

図1 日本製半導体製造装置の受注額・販売額・B/Bレシオ 出典:SEAJ

図1 日本製半導体製造装置の受注額・販売額・B/Bレシオ 出典:SEAJ


半導体のB/Bレシオは改善したように見えるが、販売額が下がり受注が少しだけ増えたことによる。特に販売額の減少が顕著であり、受注額はそれほど増えていない。このため、B/Bレシオは改善の方向ではあるが、受注額がはっきりとした増加傾向を示さない限り警戒を緩めるべきではないだろう。

半導体製造装置に対して、FPD製造装置はB/Bレシオだけ見ると乱高下のようにも見えるが、これは販売額が増えてきている一方で、受注額が減少し始めたことによる。FPD製造装置の生産は需要に見合ったものではなさそうだ。今年の3〜4月はB/Bレシオが0.24、0.23という超低レベルを這っているように見えたほどだったが、9月、10月は2.45、1.78という超高レベルを推移していた。今月の1.37という数字は、健全な状況の好況といえるが、これが安定的に推移するという保証はない。むしろ、これまでの乱高下の繰り返しから、要注意レベルではないかと見える。さらに、こういった数字は3ヵ月の移動平均値であるから、11月単月の落ち込みはここではかなり大きいと推測できる。


図2 日本製FPD製造装置の受注額・販売額・B/Bレシオ 出典:SEAJ

図2 日本製FPD製造装置の受注額・販売額・B/Bレシオ 出典:SEAJ

(2012/12/21)

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