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SEMI、2012年の世界半導体製造装置は12.2%減、13年も同額と予想

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SEMIは2012年の半導体製造装置市場の見通しと、2014年までの予測を発表した。これによると、2012年の半導体製造装置販売額(新品)は前年比12.2%減の382億ドルになる見込みである。2011年は同9%増の435億ドルだった。

表1 半導体製造装置の地域別予測(金額は10億ドル) 出典:SEMI

表1 半導体製造装置の地域別予測(金額は10億ドル) 出典:SEMI


半導体製造装置の販売額は2009年にリーマンショックで大きく沈み、2010年に151%増と2.5倍に成長、2011年もプラス成長だった。しかし、SEMIの予測では、2012年は12.2%減、2013年は2.1%減、2014年にようやく12.5%増でプラス成長する。SEMIプレジデント兼CEOのデニス・マクガーク氏は「2012年の販売は、その前の2年間に渡る大きな投資、通常のパターンであるが産業の周期的変動、世界経済の後退を反映している」とプレスリリースの中で述べている。重要なことは、微細化投資と最先端パッケージング投資は依然として推進力となっていると見ている点だ。これは市場環境が回復すれば投資が増加するということに他ならない。

地域別では、2012年には台湾と韓国がそれぞれ12.7%増の96億ドル、10.7%増の95億9000万ドルとプラス成長しているのに対して、日本、欧州、その他が30%以上のマイナス成長となっており、いずれもIDMが苦戦している様子がうかがえる。

ロジック中心の台湾TSMCやUMCが2013年も伸ばすのに対してメモリ中心の韓国は10.0%減と減少すると予想されている。韓国のサムスンは、メモリからロジックファウンドリへ力を移しており、アップルとの戦いがここでも大きく影響している。例えば、iPhone 5では、アップルは、フラッシュやDRAM、液晶パネルのようなコモディティ製品を、サムスンから他の企業へ切り替えている。しかし、アプリケーションプロセッサは設計に3年くらいかかるため、そう簡単には切り替えられず、そのままサムスン製を使った。次機種も切り替えに間に合わない可能性が高いが、次々機種は間違いなく非サムスン製のアプリケーションプロセッサになるとの見方が有力だ。

日本企業の新規投資はどうなるか。2013年は1.6%増、2014年は6.1%増とそれぞれ微増と見ている。米国はインテルとグローバルファウンドリーズの両社が微細化を続ける方向は変わらないため、日本とは差が開いていくだろう。


表2 装置別の市場予測(金額は10億ドル) 出典:SEMI

表2 装置別の市場予測(金額は10億ドル) 出典:SEMI


装置別で見ると、今年のウェーハプロセス装置は14.8%減の293億ドルと減少が大きく、台湾、韓国以外の地域での微細化投資が減ったと見てよいだろう。2013年も2012年とほぼ同じ金額だが、2014年は12.5%増と増えると予想している。

(2012/12/05)

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