モバイル系PCは急成長、デスクトップ・サーバは横ばいか縮小傾向に
タブレット端末が2012年には前年比75%増の1億1100万台に成長、ノートPCも同11%増の2億500万台に増加する、と米市場調査会社のICインサイツ(IC Insights)が発表した。これによれば、デスクトップは横ばいでしか推移せず、モバイルとデスクトップPCとの差は今後ますます開いていきそうだ。
図1 PC市場の伸び 出典:IC Insights
ICインサイツは、最近パソコン市場を調査し、デスクトップPCとノートPC、ネットブック、タブレットという区分けで2015年まで予測した。これによると、2011年に6300万台だったタブレットが2015年には3億4100万台と急成長し、2010年から2015年までの年平均成長率CAGRが82.2%増と極めて大きいと見ている。パソコンの台数全体では、2012年は15%増の4億7800万台に増加し、2015年までのCAGRでは16%増になる。
パソコン市場の大きな流れとしては、パソコンとタブレットの区別がつきにくくなってきたことがある。スマートフォンやタブレットで導入されてきたタッチパネル操作がノートPCでも使えるようになり、パソコンのデザインコンセプトがキーボードとタッチスクリーンとのハイブリッド入力システムになってきつつある。マイクロソフトのWindows-8はタッチスクリーンも入力できる仕様になっている。
加えて、インテルのウルトラブックという概念もタブレットとノートPCとのハイブリッドと位置付けされている。このようなハイブリッドシステムはモバイルコンピュータであり、モバイルとデスクトップの区分けでいえば、モバイルが伸びデスクトップは横ばいで推移すると言って差し支えない。
図2 国内におけるサーバ市場 単位は億円。出典:JEITAの発表資料を元にセミコンポータルが算出
この予想を裏付けるかのように、デスクトップのコンピュータ市場は成長ではなく縮小する傾向があることが、今週JEITAからサーバ市場の予測が発表された。これによるとサーバ市場は今後2015年までにやや縮小していく。JEITAはサーバを、メインフレーム、UNIXサーバ、IAサーバと区分けしており、このうちIAサーバ市場はわずか成長するが、メインフレームとUNIXサーバ市場は縮小傾向が強い。IAサーバは別名PCサーバともいうデスクトップ型の小型サーバである。
サーバ市場が縮小するのはクラウド利用が増える、仮想化技術が盛んになる、といった理由だ。先進国は世界的にも似たような傾向にある。