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MEMSセンサー市場は2016年にかけ年率15%で成長するとYoleが予測

MEMS市場は2010年から2016年までに年率平均15%で成長する、とMEMSの市場調査を手掛ける仏Yole Developpement社が発表した。2010年の87億ドル市場が2016年には196億ドルに成長すると予測している。

図1 MEMS製品の市場予測 出典:Yole Developpement

図1 MEMS製品の市場予測 出典:Yole Developpement


Yoleの予測では、MEMS製品の数は2010年の43億個から2016年には158億個に増加する。現在のMEMSをドライブする市場はやはり民生市場であり、MEMSの全市場の46%を占めると見る。2016年にはこの市場が新しい別の市場に置き換わっているだろうとYoleは見ている。成長が著しいのがマイクロボロメーター(超小型赤外線センサー)や発振器、マイクロフルイディクスなど、新しい製品デバイスであるとする。超小型のマイクロボロメーター分野では、ボロメーターを組み込んだカメラモジュールが増えてくると見ている。

もっとも金額の大きな市場は、民生用の複合的な慣性センサーであり、金額ベースで半分程度、数量にして1/3の出荷規模になると見ている。この複合的な慣性センサーとは例えば、10DOF(degree of freedom)センサーなら自由度が10個のパラメータを持つセンサーであり、直線(X、Y、Z軸)的な加速度センサー、回転角度(X、Y、Z面)を表すジャイロセンサー、磁気センサー(高さを測定)などを組み合わせて、加速度や各速度、重力、向き、海抜高度を表現することができる。スマートフォンを使ったナビやゲーム、生活情報サービスなどを提供できるようになる。

Yoleは、現在のMEMSデバイスには、マイクロフォンのような置き換え市場と、新機能の市場(マイクロミラーやRF MEMSチューナブルアンテナなど)、慣性センサーのような複合機能の市場の3つがある、と分析している。特に、3番目の複合機能の市場ではビジネスモデルも変わってきている。MEMSファウンドリ、IDM、ファウンドリも扱うIDM、マルチチップの組立ビジネスに加えて、これらをまとめるインテグレーション企業、ソフトウエア企業も出てくると見る。

現在、上位30社のほとんどがIDMであり、ファブレスはわずか2社(Knowles社とInvenSense社)しかない。メジャーなIDMで、ファウンドリビジネスを手掛けるところが増えてくると予測する。

(2011/09/28)
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