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インテルが新SoCオークトレイルで急成長タブレット市場攻略へ、とアイサプライ

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米市場調査会社のアイサプライによると、インテルはiPadのようなタブレットデバイス向けのマイクロプロセッサに力を入れているとレポートした。来年、再来年にかけてタブレットデバイスが爆発するとアイサプライは見ており、インテルも同じ見方でタブレットデバイスの急成長を見越しての動きだとしている。

パソコンとタブレットデバイスの成長率

図1 パソコンとタブレットデバイスの成長率


インテルはこれまでパソコン用のマイクロプロセッサに特化してきた。2011年でもパソコンは対前年比で12.5%成長し、2012年にも11.3%と着実に成長するとアイサプライは見ているが、タブレットデバイスは2011年にほぼ3倍の197.7%成長、2012年でもさらに57.4%成長すると予想されている。

タブレットデバイスは、爆発的に世界中で売れているアップルのiPadが仕掛けた新市場であり、これからも市場は膨れ上がるとアイサプライは見ている。タブレットデバイス市場への参入を表明している企業にはサムスン電子や東芝、デルなどがある。今のところ、この市場はアップルとそれに使われているARMベースのA4プロセッサの独占だが、インテルはこのプロセッサ市場に一矢報いたい思いを持っている。

そのためにインテルはタブレットデバイス向けのSoC、オークトレイル(Oak Trail)チップ(プロセッサコアはAtom)を開発中だ。インテルは公表していないが、オークトレイルの消費電力は同社の既存のプロセッサの半分で、フルHDビデオを再生できる能力を持つらしい。しかも、オークトレイルをサポートするOSプラットフォームは三つあり、それぞれAndroid、Windows 7、そしてノキアのMeeGoであるとしている。ソフトウエアプラットフォームを三つも用意するのは、数百万台も売れているiPadを見ているインテルのフラストレーションの表れだとアイサプライは見ている。インテルはオークトレイルチップを今年の6月に発表したが、2011年のはじめには出荷される計画はまだないという。

ちなみにインテルが組み込みシステム用プロセッサとして力を入れてきた、Atomプロセッサの売り上げは、第3四半期には対前四半期比で4%減となった。

(2010/10/28)

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