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携帯電話のベースバンドチップの第1位はやはりクアルコム

英市場調査会社のストラテジ アナリティックス(Strategy Analytics)社によると、今年前半の携帯電話ベースバンドプロセッサチップ市場は前年同期比15.5%増の59億6000万ドルに達したと発表した。数量ベースでは23%成長した。

市場シェア コメント
クアルコム
39.60%
CDMA, W-CDMA ベースバンド市場向けで第1位
メディアテック
16.30%
GSM/GPRS/EDGE(GGE)とTDS-CDMAベースバンド市場で第1位
STエリクソン ようやく回復気味。W-CDMA, LTEの製品シリーズもラインアップ
インフィニオン GGE, TDS-CDMA市場で携帯トップの支援の元にシェアを向上へ。W-CDMA通信モジュールなどでクアルコムの強力なライバルに
ブロードコム 2010年上半期には245%成長した。ノキアとサムスンからベースバンドのデザインウィンを獲得
スプレットラム/マーベル/アイセラ/ビアテレコム 2010年上半期は全社伸びたが、ルネサスは下降気味。ただし2012年はノキアのLTEデザインウィンで期待できる

表1 通信用ベースバンドIC市場


この調査は携帯電話のベースバンドプロセッサチップ市場と通信モジュール市場について調査したもの。携帯以外の通信モジュールの売り上げは全体の12%を占めるとしている。全体の市場で売上高が最も大きい半導体メーカーは例年通りクアルコムとなった。ただし伸び率では、ブロードコムとスプレットラム、アイセラが3ケタの伸びを示したとしている。

携帯電話のベースバンドICでは、CDMAとW-CDMAベースバンドIC市場ではクアルコムが第1位だが、GSM/GPRS/EDGE(GGE)方式と中国の独自規格TDS-CDMA方式では台湾のメディアテックがトップを占めた。

また、パソコンのデータカードやPND(パーソナルナビゲーションデバイス)、ネットブック、タブレット、ワイヤレスUSBドングル、M2M(マシンツーマシン)などの通信モジュールでは、クアルコム、アイセラ、インフィニオン、STエリクソンが非携帯のベースバンドに強いメーカーとなった。通信モジュール分野はクアルコムが最も強く、数量で72%のシェア、金額ベースで75%シェアだという。クアルコムの非携帯ベースバンドの金額は携帯市場よりも伸びは大きい。

(2010/10/08)
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