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日本製半導体製造装置は8月も1.38のB/Bレシオで好調さを維持

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日本半導体製造装置協会(SEAJ)が発表した8月における日本製半導体製造装置のB/Bレシオ(販売額に対する受注額の比)は3ヵ月の移動平均で1.38と以前好調を維持していることがわかった。受注額も販売額も伸びており、6月ごろに一度ブレーキがかかったが、7月に再び回復し上り調子になっている。ただし、FPD製造装置は0.83と1.0を割っており、受注額も減る傾向だ。

日本製半導体製造装置は依然として好調

図1 日本製半導体製造装置は依然として好調


8月における日本製半導体製造装置の受注額、販売額はそれぞれ3ヵ月の移動平均で1274億6800万円、925億600万円となり、対前月比で共にプラスとなっており、好調に推移している。7月のB/Bレシオが1.53で8月に1.38に低下したからといってさほど気にすることではない。むしろ1.5を超える方が現実と乖離しすぎていて要注意であった。むしろ健全な方向に向かいつつあると見てよい。理想的には1.15〜1.30くらいをキープしていることが望ましい。

健全な半導体装置産業に対して、FPD(フラットパネルディスプレイ)用の装置はまるで乱高下のように悪い。8月の受注額は247億4900万円、販売額は297億5300万円となり、しかも直近の3ヵ月は受注額も販売額も下降線をたどっている。受注額は2月に417億3000万円のピークから減少傾向にあり、6月に323億9600万円にやや戻したが、再び下降局面に入った。


FPD製造装置は乱高下を繰り返す

図2 FPD製造装置は乱高下を繰り返す


これまで大画面化一本でやって来た液晶ディスプレイの画面は42インチ前後で落ち着いてきたため、設備投資は一段落していると見てよい。この先に不安は残る。液晶ディスプレイは中国、インド市場がこれから立ち上がっていくだろうが、オリンピックやワールドカップのような大イベントがなく強いけん引力に乏しい。

これに対して半導体は絶対額においてもFPDとは差を付けており、世界の半導体ファブに向けた日本製製造装置はまだ期待できる商品といえる。

(2010/09/17)

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