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エルピーダメモリがトップ10入りした2010年第1四半期の半導体ランキング

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米市場調査会社のIC Insightsが調査した、マクリーンレポート5月号によると、2010年第1四半期における半導体トップ20社ランキングでは、エルピーダメモリが第10位と大きく飛躍した。マクリーンレポートは、同社の社長Bill McClean氏が中心になって調査したレポートである。

2010年第1四半期半導体ランキング  出典:IC Insights

2010年第1四半期半導体ランキング  出典:IC Insights


第1四半期はNANDフラッシュとDRAMのメモリー市場が最も伸びた市場となった。メモリーメーカーは東芝・マイクロンを除きプラス成長を遂げた。サムスン以外の東芝とハイニックス、エルピーダ、マイクロンのメモリーメーカーは全て昨年のランクよりも上昇した。東芝は5位から3位へ、ハイニックスは9位から7位へ、マイクロンは10位から9位へ、そしてエルピーダは16位から10位へとジャンプした。東芝はメモリー部門だけの数字を公開していないが、NANDフラッシュだけならプラス成長に違いない。

サムスンは第2位をキープしているが、このままのペースでいけば2010年は300億ドル(2兆7000億円)というインテルに迫る勢いになる。IC Insightsは、サムスンは2010年全体で50%程度の売り上げを伸ばすと見ている。特に、2010年に費やす半導体部門の投資額は96億ドルと、記録的な多さであり、この金額は2010年におけるインテルとTSMCを合わせた投資金額に相当し、世界全体の半導体設備投資額の22%にも及ぶという。

反面、NECエレクトロニクスとルネサステクノロジが合併したルネサスエレクトロニクスは、両社の単純合計で表されており、第1四半期は第6位となっている。しかし、2010年を通した全年ではおそらく7位に下がるとこの市場調査会社は見ている。第5位のTSMCの昨年の大規模な投資による生産能力の増強、第7位のメモリーメーカーハイニックスの勢いからみて、5位に上がることも6位にとどまることも難しいからである。

大きくランクを落とした企業としてQualcommはどうか。携帯電話機に強いQualcommは携帯電話市場が毎年緩い成長の第1四半期から第2四半期には回復するとIC Insightsは見ている。むしろ、ヤバイとみているのは富士通セミコンダクターである。2009年の19位から21位と圏外になった。富士通は半導体部門の再構築を行っている最中で、20位以内に入ってくるのは難しいとIC Insightsは見ている。

米市場調査会社のアイサプライも2010年第1四半期のトップテンランキングを発表した。ただし、ファウンドリであるTSMCは含まれていないため、順位はIC Insightsのランキングとは少し違い、ルネサスは5位にエルピーダは9位にランクされている。以下順番が一つずつ繰り上がっているが、第10位にはAMDではなくQualcommが入っている。ただし、AMDとQualcommとの差は少ない。

(2010/05/31)

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