セミコンポータル
半導体・FPD・液晶・製造装置・材料・設計のポータルサイト

MEMSファウンドリサービスの2009年トップはシェア40%のSTマイクロ

|

フランスの市場調査会社であるヨールデベロップメントは、2009年におけるMEMSのファウンドリ企業トップ20社を発表した。トップは2位以下を圧倒的に離しているSTマイクロエレクトロニクスで、その売り上げは1億8000万ドル、市場シェアは40%に達している。

MEMSファウンドリトップ20社

MEMSファウンドリトップ20社


第2位はテキサスインスツルメンツ社の4500万ドルと、半導体ICのIDM(垂直統合メーカー)が1位、2位を独占した。第3位にはMEMS専門のファウンドリであるダルサセミコンダクタ(Dalsa Semiconductor)が入り、その売り上げは3100万ドルであった。第4位は昨年までMEMS専門のファウンドリとしてはトップを行っていたマイクラライン(Micralyne)が3位から下がった。

MEMS製品そのものの売り上げよりも若干多いファウンドリビジネスでは、MEMS専門ファウンドリが徐々に市場シェアを増やしていくとヨールは見ている。トップ20社のファウンドリビジネスは2009年には対前年比3%減しか沈まなかった。MEMSビジネス全体では5%減であり、さらに世界の半導体全体では9%減であったことから、MEMSトップ20社のビジネスは決して悪くない。

売り上げそのものはまだ大きくはないものの、成長率が高い企業として、アジア2社のアジアパシフィックマイクロシステムズ(APM)、タッチマイクロシステムズ(TMT)がある。それぞれ、17%増、29%増と成長した。半導体ファウンドリのジャズセミコンダクタは25%増と高成長を遂げた。

MEMSファウンドリサービスの顧客で最大のメーカーはヒューレットパッカード(HP)社であり、インクジェットプリンタのノズルを設計している。HPはMEMSのファブライト戦略を進めており、ファブレスのインベンセンス(InvenSense)やノールズエレクトロニクス(Knowles Electronics)は、低価格のジャイロスコープやマイクロフォンなどを設計しており、売り上げは8000万ドルの規模だという。

半導体IDMメーカーは8インチウェーハの設備をMEMSファウンドリに転用しており、少量多品種のプロセスラインに対応できる仕組みを作っているとヨールは見ている。加えて、大手MEMSシステムメーカー5社がファウンドリを探しているとして、この取引が実現するとファウンドリビジネスはさらに3億5000万ドル分、拡大することになる、とヨールは予測する。

(2010/05/18)

月別アーカイブ