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今年の世界半導体IC市場は27%成長で史上最高になるとIC Insightsが予測

米市場調査会社のIC Insights社は、2010年における半導体ICの世界市場は、対前年比で27%増という予測を発表した。昨年の12月ごろから2010年の半導体IC市場を上方修正する動きが目立つ。「エグゼクティブサマリーレポート」で述べたように最も高い成長率を予測した調査会社は英フューチャーホライゾンの20%だったが、今回はそれを超えた。

図 四半期ごとの伸びから予測 (出典:IC Insights)

図 四半期ごとの伸びから予測 (出典:IC Insights)


IC Insightsの27%という増加率は2530億ドルに達すると見ている。これはこれまで最高だった2007年の2556億ドル(WSTS統計による)にほぼ匹敵する。ただし、IC Insightsの調べによると、2007年は2340億ドルで、2010年は2530億ドルと過去最高の数字を出しているため、数字そのものは同じ調査、統計部門を参考にすべきかもしれない。もし、WSTSの数字が27%伸びるとすると、2009年の2201億ドルは2010年には2795億ドルにも膨れ上がる。

2010年の市場を牽引するのはDRAM分野だとIC Insightsは見ている。DRAM価格の上昇傾向を予測に組み込んでいるためで、その勢いを考慮すると2010年のDRAM市場は74%成長するという。しかし、2010年1月のDRAM価格が次の11カ月もずっとフラットだとしてもDRAM市場の伸びは61%になるとしている。

ただ、IC Insightsは当初15%という成長を予測していた。これが27%という大きな成長に変わったのは、2010年の第1四半期の予想もしなかった大きな伸びによる。例年だとクリスマス商戦の大きな売り上げによって前年の第4四半期は伸び、その反動で翌第1四半期の売り上げは下がるのが常だった。ところが、今回の第1四半期は好調だった前四半期よりも下がるどころか3%も上昇した。このため、今年の伸びの予測を見直すことになった。

昨年第1四半期の売り上げは、経済不況の影響をもろに食らったため、対前年比では非常に大きい53%という伸びを示したが、その後の四半期ごとの伸びを考慮しながら、予測した数字が27%にたどり着いた。それは今年の第2四半期は第1四半期と比べほぼフラット、第3四半期は第2四半期より9%伸び、さらに第4四半期は3%伸びると見積もった。それが対前年同期比でみると図のような曲線を描く。それらを合計すると年平均で27%になるという訳だ。まんざらメチャクチャの数字ではなさそうだ。

(2010/03/11)
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