2009年のファウンドリ企業トップ17社ランキング、巨人TSMCは断トツ首位
世界の半導体ファウンドリ企業のランキングを米調査会社のIC Insightsが発表した。トップは相変わらず台湾のTSMCで、2位も台湾のUMCである。TSMCの販売額は89億8900万ドルと断トツで、2位UMCの28億1500万ドルを大きく引き離している。もはやTSMCはファウンドリのマイクロソフトになったといえるだろう。
出典:米IC Insights社
ファウンドリビジネスそのものは、2008年と比べ2009年は10%減を記録し、世界の半導体売上高とほぼ同じような傾向を示した。IC Insightsが発表したファウンドリのランキングには17社が掲載されているが、3位以下とは大きな差が付いた。3位チャータードの15億4000万ドルと4位グローバルファウンドリーズの11億100万ドルを合計しても2位UMCの金額には及ばない。
2009年の新参ファウンドリは米AMDからスピンオフしたグローバルファウンドリーズであり、2009年3月から稼働しながら第4位に入った。昨年までは、TSMC、UMC、チャータード、SMICの4強だったが、2009年から5強になった。第7位の台湾バンガードまではファウンドリだけを手掛けるピュアファウンドリメーカーであり、8位にようやくIBMがIDMのファウンドリ部門としてはいった。
ファウンドリ業界の特徴として、M&Aが盛んになってきている。グローバルファウンドリーズは2009年の第4四半期にチャータードセミコンダクタを買収した。2008年にはイスラエルのタワーセミコンダクタが米国のジャズセミコンダクタを買収している。ドイツのXファブもマレーシアのファーストシリコンを買収している。この先も買収がしばらく続くとIC Insightsは見ている。
IC Insightsは2010年のファウンドリ市場は24%増の268億ドルに増えると予想している。10%減の2009年から2014年にかけて年率平均成長率(CAGR)は13%で成長し、2014年には406億ドルに達するだろうと見ている。
このトップ17社のファウンドリ企業の中に日本が1社もないことは、極めて奇妙な感じを受ける。日本は製造が得意な国だからである。いつまでこの状況が続くのだろうか。