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09年11月の世界半導体製造装置の販売額は59%増、北米・韓国の投資目立つ

日本半導体製造装置協会(SEAJ)がSEMIおよびSEMIジャパンと共同でまとめた「Worldwide SEMS Report」の2009年11月のデータがまとまった。それによると、11月の世界半導体製造装置の販売額は、対前年同月比59%増の18億2891万ドルという結果になった。この結果は実は、極めて明るい数字を表わしている。

半導体製造装置の月別売上推移(出典:SEAJ/SEMI)

半導体製造装置の月別売上推移(出典:SEAJ/SEMI)


何が明るいか。これまで世界の半導体製造装置市場は、3ヵ月周期で推移しており、3月、6月、9月、12月をそれぞれピークとして下がっていくという周期に沿っていた。今回の経済不況の影響で初めてその周期が崩れたのは今年の6月だった。6月が5月と比べて全く伸びず、6、7、8月の1周期(サイクル)の中で7月にピークを迎えるという変則だった。9月のピークは予想通りで、11月は10月よりも下がるのがこれまでの周期内の動きだった。つまり、9、10、11月の1周期は毎年、9月をピークに10月は9月より低く、11月は10月より低い、という結果になるはずだった。ところが、今年はこの3ヵ月周期を崩し11月の方が10月よりも高いという結果になった。12月は当然、11月よりも増えるはずだから、期待は大きい。


地域別半導体製造装置販売(出典:SEAJ/SEMI)
地域別半導体製造装置販売(出典:SEAJ/SEMI)


この周期で10月よりも11月の方を伸ばした地域は、北米と韓国、その他の地域である。特に韓国における11月の販売額は10月に対して40.6%増と韓国企業がアグレッシブに投資していることがわかる。この割合は北米でも27.9%増、その他の地域(シンガポールなど)でも46.3%増と投資増が目立つ。


4〜11月の累計市場別販売額(出典:SEAJ/SEMI)
4〜11月の累計市場別販売額(出典:SEAJ/SEMI)


4月から11月までの累計では、台湾が対前年比でプラス成長となり、アグレッシブに投資していることを反映している。その他の地域は全てマイナス成長であるが、その割合の程度は地域のバラつきが大きい。特に日本市場の回復が最も遅れており、いまだに対前年同期比で-71.9%にとどまっている。北米と韓国は歩調の合った動きをしているのに対して、日本だけが投資していない。来年にはこの影響が出るため、残念ながら、来年の国内半導体メーカーは世界の半導体メーカーと比べ、期待できないだろう。せめて、北米、韓国並みの投資が望まれる。

(2010/01/14)
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