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JEITAの2010年世界と日本の電子生産額見通し、世界6.8%増、日本は5.2%増

2010年の世界のエレクトロニクス産業の生産規模は144兆円、そのうち日系企業の生産は35兆円になる、とJEITA(電子情報技術産業協会)が来年見通しを発表した。2009年に対する伸び率は世界が6.8%増、日系企業が5.2%増になる。これはJEITAが会員各社にアンケートを実施した結果である。為替レートは93.5円/ドル。

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2009年は世界生産が135兆円、日系企業の生産が33兆円となる見込みだ。日系企業の生産額のうち電子機器は2009年が20兆8486億円に対して2%増の21兆2521億円にとどまるのに対して、電子デバイス・電子部品は2009年の12兆3891億円から11%増の13兆7252億円に増加する見通しである。

実は、部品の方が電子機器よりも伸び率が高いのは日系メーカーに限らない。世界生産で見ても電子機器が2009年90兆5814億円に対して2010年は4%増の93兆7666億円だが、電子デバイス・電子部品は2009年の44兆5223億円が14%増の50兆5347億円になると見ている。これは半導体を代表とする電子部品が電子機器だけではなく、精密機械や通信機、自動車など電子機器からはみ出た範疇の製品へと応用が広がっているからである。

この現象を逆に見れば、2009年の電子部品生産額は電子機器よりも激しく落ち込んだ。対2008年比で電子デバイス・部品が世界で22%減だったが、電子機器は17%減にとどまった。電子機器だけではなく精密機械や自動車などの分野も沈んだため、半導体・電子部品が受けたダメージは深かったわけだ。

しかし、その分、回復力も強く、2010年は大きく伸びると予想されている。2010年における電子部品のうち半導体に関しては、世界生産が12%増の23兆3559億円になるのに対して日系企業の生産は9%増の4兆5529億円にとどまる。


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半導体分野における日系企業の世界生産に対する割合は、2010年に19%だが、2009年の20%、2008年の22%から徐々に落ちてきている点が懸念材料である。

(2009/12/17)
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