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6月も対前月比では上向きだが、対前年同月比では依然63%減と回復遅い

SEAJ(日本半導体製造装置協会)がSEMIおよびSEMIジャパンと共同でまとめたWorld SEMS Report6月分が発表された。これによると、6月における半導体製造装置の販売額は10億5500万ドルになった。対前年同月比では-63%と低いものの、前年同月比ではゆっくりとした歩調で上がりつつある。

半導体製造装置 月別売上推移


2009年2月に-76.4%を記録し、これを底として3月-71.1%、4月-68.3%、5月-66.8%、今回の-63.0%と徐々に上向いてはいる。しかし回復したとはまだとても言えない。半導体製造装置販売額の特長は3カ月周期で装置購入の波があるため、6月はそのピークにあたる年である。だから先月より販売額が多いことは当然であり、安心はできない。

回復基調とはいうものの、1点だけ気になることがある。それは前回ピークの3月よりも金額が下がっていることだ。金額の底に来る2月、5月で比較すると、5月のほうが6%ばかり上昇したため、回復基調だと前回述べたが、6月は逆に減ってしまった。もっとも3月は毎年期末需要で1年中で最も高いピーク値を示すことにはなっている。このため、今回も3月のピークよりも下がっていることは単なる季節要因として見ることができないわけではないが、注意は必要かもしれない。


半導体製造装置 地域別市場月推移


半導体製造装置 販売統計〔世界規模〕市場別合計


地域別にみると、6月にもっとも伸びた地域は台湾である。台湾は、対前年月比で-4.7%にまで戻ってきている。この第2四半期でみると北米が前年同月比-42.6%、続く台湾が-52.1%へと良くなりつつある。日本は最低で-82.0%であり、昨年までの勢いが全く見られなくなった。販売絶対額でも、北米、台湾、韓国に続き第4位に落ちている。

(2009/08/12)
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