SEAJのB/Bレシオは急に1.0を超えたが、受注は緩やかに回復
SEAJ(日本半導体製造装置協会)がまとめた2009年6月における日本製の半導体製造装置のB/Bレシオ(販売額に対する受注額の比)は、10ヵ月ぶりに1.0を超えた。受注額、販売額とも3ヵ月の移動平均、すなわち6月なら4、5、6月の平均値から求めた数字である。このため過去を引きずっており、先行きを読む数字ではない。
移動平均は、毎月の数字曲線の凸凹をならしてスムーズな曲線で数字の動向を見るために使われている。実績値は直近の3ヵ月を平均化するため、この先の状況を表すものでは決してない。単月で見れば4月、5月、6月とB/Bレシオは1.0を上回っていたが、3月が0.30とあまりにも低い数字であったため、5月は3、4、5月の平均、4月は2、3、4月の平均をとるため、3月の最悪値を引きずっていた。このため、なかなか1.0を超すことができなかった。6月の数字で初めて3月の値が消えたため、先月の0.66から1.27とほぼ2倍近くも飛躍したように見える。
しかし、実態は3月のB/Bレシオを底として、4、5、6月と受注額が販売額を上回っていた。6月の数字が急回復しているように見えるが、実態は緩やかに回復している。あくまでも数字のマジックにすぎないことを注意しよう。
現実の受注額は2月の73億5300万円を底として、3月、4月、5月、6月と順調に増えてきている。6月の受注額はバブル崩壊が始まった10月の数字をすでに越えている。本格的な回復ではないにしても着実に回復していることは間違いない。