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FPD業界、大減速に悲観して上昇局面に乗り遅れるな:ディスプレイサーチ

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フラットパネルディスプレイ(FPD)業界も、世界の経済危機下で過去最大級の供給過剰、価格急落、収益悪化に見舞われたが、もはや底を打ったと市場調査会社であるディスプレイサーチは「第16回ディスプレイサーチフォーラム」で報告した。

ディスプレイ技術別市場規模
出典:ディスプレイサーチ


経済危機により、FPD産業は2008年の後半から急落。そのため、TFT LCDについていえば09年第1四半期は35%を上回る過去最大の供給過剰となり、PC用のLCDパネルについていえば08年第4四半期、09年第1四半期と価格下落が続いたが、パネル・メーカーの在庫が縮小されてきているので今現在、底を打ったと同社は見る。需給がタイトになったわけではないので安易な増産に走らなければという条件で価格は上昇に転じると見る。TV用のパネルは2008年上期の過剰出荷分を下期で調整する形で08年第4四半期、09年第1四半期と出荷は落ち込むが、出荷が押さえられていたため、09年はむしろ例年より後半上昇型と推測する。

各社のTFT LCD生産ラインの稼働率はここ数年ほぼ85-95%の範囲で推移してきたが、この状況を反映して08年第4四半期、09年第1四半期は60-65%と、過去最低であった2001年第1四半期の75%を下回ると見ている。

製造装置についても、2008年は過去最大の138億ドルの投資額であったが、2009年は69億ドルと2003年のレベルまで減少する見通し。

しかし、クリスタル・サイクルの上昇気流は必ずやってくると上級副社長の田村義男氏は同社のフォーラムで語った。2010年内にはLCDの供給がタイトになると予測。その上昇気流に乗り遅れないことが肝要と田村氏は業界にメッセージを送った。


(2008/01/30 セミコンポータル編集室)

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