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世界ウエハレベルパッケージ市場、2010年までCAGR26.8%予想

 ウェハレベルパッケージ(WLP:Wafer Level Package)市場は2007 年に数量ベースで64 億個、売上高2 億7000 万米ドルから、年平均成長率26.8%で伸び、2010 年には数量ベースで130 億個、売上高は5 億5000 万米ドルになるとの予測が、ジェイスター株式会社から発表された。

ウェハレベルパッケージ(WLP)市場
出典:ジェイスター


 WLP は、全てのアプリケーションで理想的な半導体パッケージである。ウェハプロセスにおいて、チップの周辺パッドを再配線することにより、ウェハ状態のままでエリア・アレイ型パッドを形成するプロセスがWLP である。2000 年に、世界初の量産化で脚光を浴びたWLP は、すっかりSiP(System in Package)に開発の主役の座を奪われているように見える。しかしWLP は確実に立ち上がり始めている。現在、半導体パッケージ実装技術の開発主役であるSiP もWLP の影響を大きく受けて変化してきていると捉えることができる。その変化とは、MCP(Multi-Chip Package)の延長としてのメモリとマイクロコントローラ(MCU)による単純なSiP ら、SLI(System Level Integration)で対応できないシステムをいかに最適に3 次元高密度実装で構築できるかというシステム構築に最終目的を置いたSiPへの変化である。システムが複雑になればなるほど、KGD(Known Good Die)の必要性が高くなる。

 このような現状で、高速データ処理を実現するためのFCiP(Flip Chip in Package)では、より低コストでかつ機能的優位性を持つパッケージング・ソリューションが必要となる。WLP のメモリパッケージとしては、リアルチップサイズかつ高速処理が量産レベルで低コストに実現できる。(2007 年現在、シリコン貫通電極は製造プロセスが複雑でコスト高である。)現状のメモリ用途ではピン数を150〜160 ピン以内に押さえることが可能で、300mm ウェハへのシフトが進むことによって低コスト化が進めば、WLP の領域は更に広がるものと見ている。またWLP のFCiP への応用もKGD的な実用により低コスト化が実現され、ワイヤボンドとの複合技術(テクノロジ・コンバージェンス)として重要となってゆく。WLP の段階的なインフラ整備によって、特にブロードバンド対応携帯電子機器の分野で、WLP が次世代のパッケージング・ソリューションを担うものとジェイスターでは考えている。

 ジェイスターの代表の豊崎禎久は、「今後はWLP 技術として業界の標準化とIP(Intellectual Property)としてのノウハウ(外形、構造、材料/装置)の共有化を目指し、WLP を立ち上げるためには、まず大手ファンドリや大手サブコンへのアウトソーシングを活用した事業を積極的に推し進めるべきである。」と話している。

 本プレスリリースの内容に関する詳細は、ジェイスター株式会社の最新レポート「j-STAR insight半導体パッケージウェハレベルパッケージ市場動向調査レポート(May2007)」で解説している(レポートに関する問い合わせ先: info@jsgi.jp )。

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