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10nmプロセスでIBMと協業するUMC、微細化で製造競争力を強化

UMCが10nmプロセスでIBMと協業すると6月13日に発表した。IBMの技術開発アライアンス(Technology Development Alliances)グループにUMCが参加し、10nm CMOSプロセス技術を開発する。

14nm FINFETを含むIBMとのこれまでのコラボレーションを延長した形になる。UMCはこれまでも14nm FINFETプロセスを自力で開発していたが、IBMとのコラボレーションにより、この技術をさらに改良していく。14nm FINFET技術はモバイル端末や通信用LSIなどの消費電力を削減する。これによりUMCは競争力のある製造技術を提供する。

今回のIBMとのコラボレーションによって、UMCは米国ニューヨーク州アルバニーに技術者チームを派遣し10nmプロセス技術開発に参加する。開発した10nm技術を適用する生産ラインは、台南のUMCの工場とR&Dセンターになる。


図1 UMCが進める台南のメガファブ P5/P6棟を建設中 出典:UMC

図1 UMCが進める台南のメガファブ P5/P6棟を建設中 出典:UMC


UMCの台南工場では現在、研究開発棟とP1/P2棟およびP3/P4棟で28nm生産ラインを構築しているが(図1)、生産能力がまだ不足しているようだ。このため、P5/P6棟を建設中で、さらにP7/P8棟を建設する計画も持っている。P5/P6棟のクリーンルームの面積は5.3ヘクタール(53K m2)で、これはアメリカンフットボールの競技場10個分の広さだという。28nm以下のプロセスを利用するこの棟の生産能力は300mmウェーハで月産5万枚と巨大だ。

UMCは、28nmプロセスでTSMCに差をつけられたため、28nm技術から20nm技術をスキップして、14nm FINFETを汎用プロセスとして提供することを明らかにしているが(参考資料1および2)、さらに10nmプロセスの開発を進めることで、微細化の最先端グループ狙いをアピールする。

参考資料
1. 台湾UMC、20nmをスキップ、14nmFINFETプロセスで巻き返し狙う (2013/05/30)
2. UMC、日本のIDMにはカスタマイズで対応 (2013/06/11)

(2013/06/14)
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