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STマイクロが超並列電子ビームリソを開発するためLETIのIMAGINE計画に参加

STマイクロエレクトロニクスが、マルチプル電子ビームリソグラフィを開発するためのCEA-LETIのIMAGINE計画に参加した。CEA-LETIはフランスの半導体研究所であり、IMAGINE計画は新しい産官のマルチパートナーの研究プロジェクト。マスクレスのリソグラフィ技術開発を目指す。

これまでこの計画には台湾のTSMCが参加していたが、今回STマイクロの参加により、マスクレスリソグラフィ技術が加速する。この3カ年計画に参加すると、マスクレスリソグラフィの仕組みを使うことができ、スループット向上のためのMAPPER技術も使うことができる。MAPPER技術は、電子ビームを超並列に発射するためのプラットフォームであり、この装置の提供はコラボレーションすることで使うことができる。MAPPERの事務局はオランダのデルフト工科大学にある。このマルチプル電子ビームリソグラフィ計画は、装置の評価、パターニング技術とプロセスへの統合、データ処理、試作、コスト分析などを含み、グローバルな参加を求めたプロジェクトである。

「STマイクロはこれまで10年以上CEA-LETIと一緒にマスクレスリソグラフィ技術を開発してきた。STとCEA-LETIはフルシェイプのビーム整形技術を確立し、フランス・グルノーブル郊外のクロレにあるSTのパイロットラインで使ってきた。標準CMOSプロセスに電子ビームを使うデモを行ってきた」、とSTマイクロエレクトロニクスのシリコン技術開発ディレクタのジョエル・アルトマン氏は述べた。同氏は続けて「IMAGINE計画に参加すると、将来の技術ノードに向けたマスクレスリソグラフィをSTが使えるようにするための一歩になる」と言う。

「このIMAGINE計画は、STマイクロエレクトロニクスが持つマスクレス技術の強力な知識とサポートの恩恵が得られる。CEA-LETIは電子ビームリソグラフィでSTマイクロとパートナーシップを組んで得られた経験はこの数年で強まってきており、電子ビームを使って先端技術をデモしてきた。IMAGINE計画をサポートするSTマイクロと一緒に、LETIはマスクレスリソグラフィを確実に成功に導くことができるだろうと確信している」とLETIのCEOであるローレン・メイラー氏は言う。


LETI CEOのローレン・メイラー氏

LETI CEOのローレン・メイラー氏

(2010/01/19)
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