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再び太陽電池ブーム到来!!〜国内ソーラーフロンティアが#1シェア奪取を表明

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「これはどうしたことか。世界的には太陽電池ブームが大きくトーンダウンしてきた状況下で、わが国のメガソーラー計画は実に2000件以上に達している。再びの太陽電池ラッシュの波は日本から起き始めたのだ」。筆者が親しくする業界紙の編集長がうなりながらに語った言葉ではある。

関係機関の調査によっても、太陽電池の世界市場は伸び悩んでいるが、わが国は例外的に大きく伸びており、2013年は久方ぶりに設置数量が世界上位に返り咲いたといわれている。1週間に1回は、どでかい「世界最大級のメガソーラー」の設置計画がニュースとなって駆け回っているのだ。

原子力発電所がほとんど止まっているわが国においては、バカ高い天然ガスの大量輸入が続いている。おかげで、国際収支は一気に悪化し、輸入超過による大赤字を築くに至った。いよいよ来年にも米国産のシェールガスが入ってくることになるが、必要量を確保できるか、また安価で本当に入手できるのかという懸念があるのだ。もちろん、夢の燃料といわれるメタンハイドレートの開発にもメドがつき始めたが、いかんせん本格的な商業化は10年くらい先になるだろう。

こうなれば、手っ取り早いのがやはり太陽電池、という考え方が国民の間でも、また政府においても広がりつつあるように思う。東日本大震災の教訓もあり、自分でエネルギーを作ることはかなり重要なのだという認識が深まっており、各家庭ベースではまず太陽電池、そしてコストが下がれば燃料電池の導入ということを語る人も確実に増えてきた。また、企業にあっても、買い取り価格の高水準が続くのであれば、太陽電池(特に1MW以上のメガソーラー)の導入は、コスト的に魅力があると考えている向きが多い。

筆者は先ごろ東北エリアを1週間ほどサーキットしてきたが、山形や岩手などの雪の多い地区においても各々数十件のメガソーラーの計画が浮上してきていることに驚かされた。農業の働き手が減る中で放置されている農地も多く、この活用にメガソーラーをと考えるデベロッパーが多くおり、また太陽電池やLEDを活用した新スタイルの農業を後押しする施策が出て来たことも大きい。さらに、なかなか思うように工場誘致が進まず、大規模な工業団地はいっそメガソーラーにしてしまえ、という動きも全国各地で起き始めた。

「2014年1月21日に宮城県大衡村と立地協定を結んだ。130億円を投じ薄膜太陽電池の新工場を建設する。能力は150MW。海外拠点のモデルプラントとして最新鋭の設備を導入するのだ。世界最大級の宮崎工場(1GW)に加え、能力はさらにアップするが、これで満足するわけではない。将来的に狙う最大能力はもっと高いところにある。何としても世界トップシェアを獲得したいと考えている」。こう力強く語るのは、ソーラーフロンティアの玉井裕人会長である。

8月26日に開催された宮城県の立地セミナー(東京・ロイヤルパークホテル)の講演におけるコメントであった。ソーラーフロンティアは、昭和シェル石油が40年以上かけて研究してきた独自の薄膜太陽電池(CIS)を事業化するために創られたカンパニーで、既に人員は1500人を超えている。銅、インジウム、セレンを材料とするCISは他の化合物系と異なり、有害物質を出さず、屋根全体にフラットに設置できるという利点があり、周囲の景観にマッチしたデザインで導入できるのだ。汚れがついてもOK、さらに雪国においても十分に発電能力が発揮でき、変換効率も上がりつつあるという。

わが国における再生可能新エネルギーは、現状でエネルギー全体の10%にとどまっているが、2030年には20%に引き上げるというロードマップが既に示されている。玉井会長はこの新エネルギーの主役はやはり太陽電池と位置づけており、国内での普及加速に全力を上げ、いよいよ世界展開にも乗り出し「ニッポンのモノづくりの品質がいかに素晴らしいか」を見せていきたいという。

2013年における国内の家電製品の売り上げは約7兆5000億円で、やはり全体として頭打ち。しかして、ソーラー関連製品の売り上げは実に2兆5000億円まで来ており、すごい勢いで上昇してきている。日本発の技術で太陽電池設置量世界最大級を維持するだけでなく、生産量においても日本勢の底力をみせつけて欲しい、と切に願っている。

産業タイムズ 代表取締役社長 泉谷 渉
(2014/09/04)

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