大変革期を迎える25年後半1年の半導体、SPIマーケットセミナーを開催
2025年の後半はどうなるか。AIデータセンターばかりが好調で、それ以外の分野はまだ回復していないのが実感のようだ。AIデータセンター向けの仕事をしている企業からは好調さが伝わっている。AIデータセンターの先にあるものは一体に何か?セミコンポータルのSPIマーケットセミナー「2025年後半から1年の世界半導体市場(8/26オンライン)」ではそれを議論する。
市場調査会社はどのように予測しているのか。半導体産業を見ている代表的な市場調査会社としてオムディアのシニアアナリストである南川明氏にオムディアの見方を語っていただき、セミコンポータルの津田編集長は市場調査会社各社の予想や見方を紹介する。
半導体産業は、ここ1〜2年で激変している。これまでトップ争いを演じていたIntelとSamsungが交替し、代わってNvidiaとTSMCが台頭してきた。メモリではこれまでトップを独走していたSamsungが同じ韓国のSK Hynixに抜かれ、トップの座を譲り渡した。メモリチャンピオンは2025年第2四半期にはSK Hynixになった。
さらに市場調査会社の統計には決して登場してこなかったTSMCがNvidiaに次ぐ堂々2位の座を確保し続けるようになった。市場調査会社の統計にファウンドリサービスを提供するTSMCの売上額を半導体メーカーに加えなかったのは、半導体市場をダブルカウントするからだ。ファウンドリに製造を依頼するファブレス半導体企業やIDM(設計も製造も一貫して提供する垂直統合企業)にとってファウンドリへの支払いはコストとなり、そのコストがTSMCの売上になる。そのTSMCの売上額は、半導体製品売上にはならない。
しかし、ファウンドリは立派な半導体メーカーである。半導体製品の市場規模さえ求めなければ、ファウンドリも加えた半導体メーカーの売り上げ規模をランキングの基準としても良いだろう。TSMCをランキングから除外する意味はもはやない。今や、半導体メーカーよりファウンドリメーカーの方が巨大になっているという事実をしっかり見る必要がある。さらにIDMよりファブレス企業の方が大きいという事実もある。
IPベンダーに目をやれば、最大のArmが売上額こそ100億ドル未満の半導体企業であるが、その影響力は極めて大きい。これまでCPUコアやGPUコアなどをライセンス販売提供してきたが、それらを集積したCSS(Compute Subsystems)と呼ぶ巨大なIPを提供するようになった。CSSがあれば半導体SoC設計にさほど慣れていないエンジニアでも設計しやすくなる。いわばソリューション提供に変わってきている。
またファブレス半導体でも、自社ブランドを持たずに設計に注力する企業も出てきた。いわゆるSoCの設計を請け負うデザインハウスのような業務である。Broadcomやソシオネクストなどがこれに相当する。
半導体業界は、今大きな変革に晒されている。これを紐解くと、どうやら90年代のパソコン、2000年代のインターネット、2010年代のスマートフォンの次に来る時代は何か、に行きつく。
8月26日(火)にオンラインで開催するSPIマーケットセミナー「2025年後半から1年の世界半導体市場」では、そのソリューションを議論する。会員・非会員を問わず、どなたでも参加できるが、セミコンポータルの会員になると割引が適用される。