セミコンポータル
半導体・FPD・液晶・製造装置・材料・設計のポータルサイト

複数の指でタッチスクリーンを操作するためのコントローラをCypressが開発

|

Apple社が第二世代のiPhoneを発表したり、Googleが提案する無償のソフトウエアプラットフォームAndroidを使ったスマートフォンが間もなく登場し、これに対してNokiaがSymbian OSの無償化を推し進めるなど、スマートフォンが今後1~2年の間に大量に世の中に出てくる気配を見せている。スマートフォンのユーザーインターフェースの有力候補はタッチスクリーンであろうことは容易に想像できる。iPhoneを超えるタッチスクリーンを実現するチップを米Cypress Semiconductor社が3機種発表した。

TrueTouch TM Touchscreen Technology


2本の指で写真や図の拡大縮小ができるタッチスクリーンには2点を検出する機構が必要だが、このほどCypressが発表した3機種は、通常のボタン代りの1本指向けのコントローラCY8CTS1xx、iPhoneのように2本指で拡大・縮小・回転・次頁などを指示するコントローラCY8CTMG1xx、そして最大10本の指の動きで表現するコントローラCY8CTMA1xxからなる。いずれも8ビットマイコンながらデジタル回路だけではなくアナログ回路もプログラムできる機能を持つpSoC製品のシリーズである。

1本指のタッチスクリーンは昔からさまざまなディスプレイに取り付けられているが、2本指で拡大・縮小・回転などの動きを表現できるタッチスクリーンはiPhoneが初めてだった。今回の最上位機種である最大10本の指でスクリーンにメッセージを送ることのできるインターフェースができることで、スマートフォンのタッチスクリーンでの表現方法が広がるようになる。

複数の指で操作するタッチスクリーンは、X軸とY軸それぞれに透明電極を配置させ、各電極をスキャンして行き、指が触れる位置を検出する。検出のアルゴリズムをCypressが開発した。2本指用のCY8CTMG100では、X/Y軸のセンサー入力数は25本、センサー1個当たりのスキャン速度は300μsで、最大4インチスクリーンまでカバーする。最大10本指用のCY8CTMA120では、45本のX/Y軸入力まで可能で、スキャン速度はX/Y交差点当たり120μsである。対応可能なスクリーンサイズは8.5インチまで。

このチップを購入する場合には座標検出用のソフトウエアが付いてくる。開発には同時発売の設計ツールpSoC Designer v5.0も用意されている。このIDE(統合開発環境)はドラッグアンドドロップ方式でビジュアルに設計できるうえ、さらにCまたはアセンブリ言語コードを追加することもできる。


TrueTouch TM


チップは32ピンあるいは56ピンのQFNパッケージに収められ、サンプル出荷は8月、量産出荷は9月を予定している。

月別アーカイブ