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自動運転でクルマ用半導体が活発に

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先週は、東芝メモリの売却先が決定すると同時に、東芝が東証2部に降格した、というニュースが話題を呼んだ中、クルマ用半導体が着実に広がっている。半導体トップのIntelはコンピュータ用のチップに強いが、そのIntelでさえ、クルマ用半導体は力を入れる分野だと認識している。

Intelは、6月22日都内で記者会見を開き、自動運転車を実現するうえで、Intelのソリューションが欠かせないことをアピールした。Intelの持つCPUは、運転機能や環境モデリング、センサフュージョンなどにより異常を検知する能力を持つ。AtomやQuark、Core i、XeonなどのCPUシリーズに加え、Altera買収によるFPGA、さらにOptaneメモリ製品(中身は3D-Xpoint構造)を用意している。CPUはソフトウエアをプログラムでき、FPGAはハードウエアをプログラムできる。仕様が固まっている回路ではFPGAの方が高速、仕様を変えたい回路ではCPUを使うことでにより、フレキシブルでかつ高速のECU(電子制御ユニット)を実現できる。

Intelは自動運転に欠かせないクラウドに関しても、接続するためのネットワーク向けICやクラウド向けのテクノロジーを用意している。ネットワークでは5Gに備え、センサデータの処理に関してNeonやデータのフォーマティング、格納、管理などのライブラリも持つ。クラウドでは、自動運転のデータ解析に必要な様々なモデルや学習、推論、圧縮などAI(人工知能)システムをハード(CPUやFPGA)とソフト(買収したSaffronなど)で用意している。

今回Intelは日本の自動車メーカーの社名は出せないものの、共同で自動運転技術の開発を進めており、欧州でもBMWとは共同で開発している。ただ、Intelは半導体メーカーであり、BMWはクルマのOEMメーカーであるため、ECUを設計製造するティア1サプライヤが参加していなかった。このほどティア1サプライヤのドイツContinentalが共同開発に参加すると発表した。5月には米国のティア1メーカーのDelphiも参加することを表明している。

ティア1のトップメーカーのドイツBoschは、半導体工場や製造装置が集積するDresdenに300mmウェーハ工場を建設すると発表した。投資金額は約10億ユーロ(1240億円)。建設予定は2019年末、稼働は2021年を予定している。Boschとしては10億ユーロという投資額は過去最大となる。特にクルマ用のIoT(センサ)向けの工場となる。BoschはさまざまなMEMSセンサに加え、それらを統合したり、ソフトウエアアルゴリズムによって信号処理したりするセンサハブ(センサフュージョンともいう)などの製品を製造している。今回の工場新設で700名の新規採用を予定している。

Boschは、150万個のASIC、400万個のMEMSチップを毎日6ないし8インチウェーハで生産している。1995年以来、MEMSチップは累計80億個にもなるとしている。クルマ用だけではなく民生用のスマートフォンにも大量に使われ、スマホの4台に3台はBoschのMEMSセンサが使われているという。

スーパーコンピュータの世界では、東京工業大学の「TSUBAME 3.0」が消費電力当たりの性能を争う「Green 500」で世界一になったと21日の日経産業新聞が報じた。2〜4位にはヤフージャパン、産業技術総合研究所、理化学研究所のスパコンが入り、日本勢が独占した。TSUBAME 3.0の消費電力当たりの計算速度が1Wあたり141億回/秒と前回のトップよりも1.5倍高くなっているという。消費電力以外でも、TSUBAME 3.0はできるだけ市販のCPU(IntelのXeon)やGPU(NvidiaのPascal)を活用し、設計製作の初期コストだけではなく、熱設計も改良し運転コストも抑え、国際競争力を持たせていることも大きな特長だ。

(2017/06/26)

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