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モバイル急展開:MSによるNokiaの買収、Broadcomはルネから次世代技術取得

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先週は、携帯電話事業に大きな動きがあった。MicrosoftがNokiaの携帯電話と特許を72億ドルで買収するというビッグニュースが9月3日にAP通信社から流れた。また、腕時計型モバイル端末もQualcommやSamsungから発表があり、半導体でもBroadcomがルネサスモバイルの最先端技術資産を買うことが発表された。

MicrosoftとNokiaとは、これまでも関係が深かった。Microsoftがスマートフォン用のOSとしてWindows Phoneを提供し、NokiaはスマートフォンLumiaにそれを搭載した。NokiaのCEOであるStephen Elop氏は、かつてMicrosoftの役員であった。現在MicrosoftのCEOであるSteve Ballmer氏は1年以内に退任することを発表しており、Elop氏がMicrosoftの次期CEOになるのではないかという推測記事も海外では多い。

今回の買収では、総額72億ドルのうち、Lumiaの製品ラインを含む携帯電話事業に50億ドルを支払う。残り22億ドルは、Nokiaの特許を10年間使うためのライセンス料となる。10年後の特許使用については延長するというオプションもあるようだが、まだ確定的ではない。Nokiaは携帯電話事業では長い間世界のトップに君臨していたが、スマートフォンへの出遅れが大きく響いた。携帯電話用のOSであるSymbianと独自OSに長年こだわり、Androidへの対応が大きく遅れ、今日の低迷を招いた。Androidスマホへの出遅れは、日本の携帯電話メーカーにも共通する。モバイルの世界では、様子見(wait-and-see)というビジネス態度は負け組になることを意味するようだ。

パソコン用のOSやアプリケーションに特化してきたMicrosoftにとって、パソコンの売れ行きが飽和したことによって、ビジネスモデルや他分野への転換を余儀なくされた。10年近く前からXboxゲーム機に進出したが、ゲーム機市場そのものが低迷し始めている。加えて、新型タブレットSurfaceをリリースしたが、売れ行きはパッとしない。

Windows Phoneもいま一つだ。もともとOSから出発した会社だけに、Windows Phone メーカーはライセンス料をMicrosoftに支払わなければならず、端末価格にその分上乗せすることになる。Androidのような無償OSと比べ、端末がどうしても高くならざるを得ない。Windows Phoneを発表した2年前は新興国市場に強いNokiaがLumiaを出したことで成長への期待は大きかったが、今年に入って無償OSであるFirefoxやTizenなどが登場し、新興国市場への期待は失望に変わった。

Microsoftにとって今回の買収は、Skypeを買収した時の85億ドルに次ぐ大型案件となった。AP通信によると、SkypeのCEOだったTony Bates氏がBallmer氏の後任になる可能性も残されているとしている。

モバイルの世界では端末だけではなく通信ネットワークでも変化が速い。米国通信オペレータトップのVerizonは、Vodafoneとの合弁会社のVerizon Wirelessを、Vodafoneから買い取ることを決めている。

新しいモバイル端末として登場した腕時計タイプの製品は、スマホと連動して使う。メールや音声のやり取りはスマホとBluetoothで行い、さらに音楽プレイヤーとしてもワイヤレスヘッドフォンが使える。ただし、Samsung、Qualcommとも300ドル程度の価格帯を想定しており、消費者が受け入れるかどうか微妙である。

ルネサスエレクトロニクスは、子会社であるルネサスモバイルの欧州とインドの拠点を、米国通信用半導体メーカーのBroadcomに売却すると発表した。ルネサスは、ルネサスモバイルが行ってきたLTE事業から撤退する方針を決めており、Broadcomはルネサスモバイルの持つ、マルチキャリヤ、マルチモード技術を搭載したLTEのデュアルコアSoCプラットフォームを手に入れることができる。このプラットフォームは、北米、日本、欧州の通信オペレータの認定を受けたもので、2014年初めにもモデムチップを販売できそうだとBroadcomは期待する。加えて、Broadcomは、高品質のマルチモード・マルチバンドLTE-A(次世代LTE)/HSPA+/EDGEモデムIPも使えるようになる。この技術にはキャリヤアグリゲーション(いくつかのサブバンドを集めてデータレートを上げる技術)やVoLTE(Voice over LTE)といった先端的な次世代技術も含まれており、Broadcomは優秀なエンジニアと共に獲得する。Broadcomは今回の買収により、売り上げ・利益とも上向くと期待している。

(2013/09/09)

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