世界の半導体市場は2025年に初の100兆円の大台に、WSTS予測
2024年の世界半導体市場は、前年比19%増の6268.7億ドル(約94兆円)になりそうだという見通しをWSTS(世界半導体市場統計)が発表した。これは11月19〜21日間に渡り米国カリフォルニア州サンディエゴ市で予測会議が開催され、加盟各社で議論して予測を立てたもの。WSTS加盟半導体企業は49社。2025年はさらに11.2%成長し6971.8億ドルになると予想している。

図1 WSTSによる世界半導体市場予測 出典:WSTS
表1 製品別の半導体売上額と25年までの予想 出典:WSTS
全ての半導体をIC(集積回路)と、その他に分けると2024年におけるそれぞれの売上額は5345億ドル、923.7億ドルとなっており、ICの成長率は24年に24.8%と大きい。24年のIC以外の半導体としては、パワー半導体が大部分を占めるディスクリートが前年比11.2%減の315.5億ドル、レーザーやLED、受光素子(イメージセンサ含む)などの光半導体は同2.5%減の420.9億ドル、MEMSなどのセンサ5.1%減の187.3億ドルとなっており、回復が遅れている。
24年におけるICの内訳は、アナログICが同2.2%減の794.3億ドルとマイナスだが、マイコンとマイクロプロセサを含む「マイクロ」は同3.9%増の792.9億ドル、モバイルプロセッサやSoC、AIチップを含むロジックは同16.9%増の2087.2億ドル、メモリは同81.0%増の1670.5億ドルと見積もっている。
2024年は、生成AIブームでデータセンター向けの需要が旺盛だったが、スマートフォンやパソコンなどの民生はやや低調、産業用は一人負けの様相を呈している。このため産業用途が多いアナログやセンサ、パワー半導体などが低調である。
それでも2025年には産業用機器も回復し、ディスクリートや光半導体、センサなどの非ICは全てプラス成長で、ICはロジックとメモリが2桁成長となり半導体市場全体をけん引することになる。
2025年に予想される6971.8億ドルは、1ドル=148円というWSTSの見積もりレートで換算すると世界の半導体市場は初めての100兆円の大台に乗ることになる。