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24年第3四半期の世界半導体企業トップ16ランキング

2024年第3四半期における世界半導体チップメーカーのランキングが発表された。1位は言うまでもなくNvidiaで2位にはSamsung、3位Broadcom、4位Intel、5位SK hynixという順になった。半導体市場全体では今期、前四半期比(QoQ)で10.7%増の1660憶ドルで、前年同期比(YoY)では23.2%成長と高い。

Top Semiconductor Companies' Revenue / Semiconductor Intelligence

図1 24年第3四半期における半導体ランキング 出典:Semiconductor Intelligence


このランキングは、市場調査会社のSemiconductor Intelligenceが発表したもの。第1位のNvidiaは351億ドルと過去最高を記録した。もちろん生成AIを構築するデータセンター向けである。ただNvidiaの第3四半期は8〜10月期なので、厳密な3Q(7〜9月)ではない。また、NvidiaのGPU(グラフィックプロセッサ)と言っても、HBM(High Bandwidth Memory)や電源コントローラICなどを搭載したGPUボードとなっている製品が多く、純粋なGPUチップ以外も売り上げには含まれている。HBMは特にSK hynixやMicron Technology、Samsungなど他の部品メーカーも含まれているため、純粋なGPUチップだけならもう少し売上額は少なくなる。ただ、それらの分を除外しても首位は揺るがない、とSemiconductor Intelligenceは見ている。

2位のSamsungは、AI PCやAI スマートフォンなどの回復傾向が出てきて単価の値上がりに救われたといえそうだ。データセンター向けのHBMでは最も出遅れたが、DDR5ではリードしてきたため、データセンター以外のメモリではやはりSamsungは強い。

3位のBroadcomは、2Qの決算発表の時の予想値であり、やや高く見えるが、これは、VMwareをはじめデータセンター向けのソフトウエア企業を買収した結果である。決算期ではBroadcomはソフトウエア事業とファブレス半導体事業を明確に分けているが、次の四半期売上を予想するときは両部門を一緒にした売上額を示している。また、ファブレス半導体部門でもGoogleやAmazon、FacebookなどのIC設計を受け持っており、それらのデザインハウスとしての売り上げも含まれる。

この中で日本企業は、キオクシアとルネサスが入っていて、ソニーセミコンダクタソリューションズが入っていない。ソニーの決算資料では、半導体部門を「イメージング&センシングソリューション」という分類にしているため、拾うことができなかったのだろう。7〜9月期の売上額は5357億円で、キオクシアの4809億円、ルネサスの3453億円と比べるとキオクシアの上にくる。ただ、キオクシアは1ドル=141円、ルネサスは1ドル=144円となっており、ソニーの決算では1ドル=153円で取引しているため35億ドルに留まる。ソニーはMediaTekとキオクシアの間に入る格好だ。

第3四半期は、多くの企業がQoQでプラス成長を遂げているが、YoYでは回復が遅れている企業も多い。特に産業向けと自動車向けを重視してきたInfineon TechnologiesやTI(Texas Instruments)、STMicorelectronics、NXP Semiconductor、ルネサス、Analog Devicesなどの回復が遅れており、4Qへの見通しもQoQでマイナスが多い。

第4四半期もデータセンター需要は旺盛で、Nvidiaの勢いは止まらず、同社は375億ドル±2%という予想を発表している。SamsungやSK hynixのメモリメーカーは予測を公開していないが、Micronは2桁成長の12%増を見込んでいる。

参考資料
1. 「直近の世界半導体ランキングでは、Nvidiaがダントツのトップ」、セミコンポータル、(2024/05/24)

(2024/11/26)
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