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WSTSの見通しは春と変わらず、底からプラス成長へ

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2019年の世界の半導体市場は、前年比12.8%減の4089億8800万ドルになりそうだという見通しをWSTS(World Semiconductor Trade Statistics)が発表した(参考資料1)。これは、11月下旬に各社の半導体市場関係者が集まって決めた見通しである。製品別では、メモリの落ち込みが同33%減の1059億700万ドルとなったことが最も大きく、それ以外の製品は一桁のマイナス成長にとどまっている。

図1 WSTSが発表した2019年の見込みと2020年の予測 出典:WSTSの数字をセミコンポータルがグラフ化

図1 WSTSが発表した2019年の見込みと2020年の予測 出典:WSTSの数字をセミコンポータルがグラフ化


WSTSが定義する半導体市場とは、半導体チップが第三者の手に渡る地域、と定めている。つまり、半導体チップを使うユーザーのいる場所であり、半導体チップを使って電子機器やモジュールを作る企業のいる場所である。半導体メーカーのいる場所ではない。図1で世界の半導体市場が成長しているのに、日本市場だけが成長していないということは、日本の総合電機メーカーや通信機器メーカー、家電メーカーなどが半導体チップの購入額がほとんど増えていないという意味である。これらのメーカーの売り上げは成長していない。

WSTSの製品別の予測では、メモリの他、アナログIC、マイクロ、ロジック、ディスクリート、光エレクトロニクス、センサという分け方の内、アナログICは7.9%減の541億ドル、マイクロプロセッサやマイコンを含むマイクロは2.3%減の657億ドル、スマートフォンの頭脳となるアプリケーションプロセッサなどのロジックは4.3%減の1046億ドルとメモリ以外のICは全てマイナス一桁である(図2)。


図2 製品別の見通しと予測 出典:WSTS

図2 製品別の見通しと予測 出典:WSTS


IC以外のパワートランジスタが大きな割合を占めるディスクリートは0.6%減の240億ドルと、ほぼ横ばいを維持した。光エレクトロニクスとセンサは共にプラス成長で、中でもCMOS/CCDイメージセンサや受光素子、レーザー、LEDなどの光エレクトロニクス製品は7.9%増の411億ドル、MEMSをほぼ中心とするセンサは、2.0%増の136億ドルと成長する見込みだ。

2019年はスマホがほぼ横ばいでも、新製品のスマホは2眼から3眼へとCMOSイメージセンサの個数を増やした製品が増え、イメージセンサが大きく成長した。IC Insightsが分析したCMOSイメージセンサの調査では(参考資料2)、CMOSイメージセンサは19%増の168億ドルとなっており、光エレクトロニクス製品の中では最も大きな分野である。CMOSイメージセンサ市場の約半分がソニーセミコンダクタソリューションズの売り上げであり、ソニー半導体が大きく成長した要因が裏付けられている(参考資料3)。

世界の半導体市場全体では、6月の見通しが前年比12.1%減であったから(参考資料4)、半年たった今でもほぼ同様な12.8%減ということは、この半年間で半導体売り上げ見通しは底を這いつくばっている、とみてよい。つまり底の状態から大きく下がっておらず、しかもこれ以上落ちる要素はないため、今後は上がる方向にあるといえる。今回の落ち込み(前年比マイナス)は、2018年の12月から始まっており、今年の12月はそのマイナスと比較する訳だから、市場環境の明るさを考慮に入れると、少なくとも12月ごろにはプラスに転じると見て間違いはなさそうだ。

参考資料
1. WSTS 2019年秋季半導体市場予測について (2019/12/03)
2. AIとのコンビでCMOSセンサの成長性が高まってきた (2019/11/15)
3. 19年世界半導体トップ15社、キオクシアが東芝から分離した売上額なら? (2019/11/21)
4. WSTS 2019年春季半導体市場予測について (2019/06/04)

(2019/12/04)

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