2019年の世界半導体市場は9.6%減と下振れ、Gartner発表
2019年の世界の半導体市場は、前年比9.6%減の4290億ドルになりそうだという見込みをGartnerが発表した。Gartnerは2023年までの予測も併せて発表し、2020年もメモリバブルの2018年より低く、2018年レベルへの回復は2021年になりそうだとしている。
図1 Gartnerによる世界半導体市場予測 発表データをセミコンポータルがグラフ化 出典:Gartner
この調査は6月に行われたもので、Gartnerがカバーする半導体メーカーは300社と極めて多い。この内、日系半導体メーカーは50社に及ぶ。同社は四半期ごとに予測を見直しており、3月、6月、9月、12月に調査している。
今回の予測では2019年の半導体市場は、第1四半期での予測である3.4%減よりも6.2%ポイントも低い。予測を下げた理由は、メモリやその他半導体価格が弱含みで、米中貿易問題もある。このため、スマートフォンやサーバー、パソコンなどの応用機器の伸びが小さくなると見ている。半導体メーカーも生産計画や設備投資を見直している。
今年の見通しのけん引はやはりDRAMで、需要が弱いのに供給が多くなりすぎ、2019年の価格は42.1%下がると見ている。この供給過剰は、2020年の第2四半期まで続くという。DRAMの需要回復が予想以上に遅れており、DRAMメーカーの在庫の増加が続いている。これまでの供給不足は終わった。
NANDフラッシュに関しても2018年の第1四半期からこれまでずっと供給過剰が続いてきた。現在でもNANDフラッシュの短期的な需要も弱含みで推移しているという。Gartnerは、スマートフォンの在庫レベルがまだ高く、SSDやフラッシュアレイの需要がここ数四半期は弱いままになりそうだとしている。このためNANDフラッシュの需給バランスに達して回復するのは2020年になりそうだとしている。
今回、調査したGartner日本法人ガートナージャパンの半導体/エレクトロニクス主席アナリストの山地正恒氏によれば、米国の華為に対して一部の製品を解放したと発表したが、ArmやGoogleへの禁輸は変わっていないため、6月の予測に変更はないという。