デスクトップやノートなどのレガシーPC市場が2019年2Qに4.7%成長
世界のパソコン市場が2019年第2四半期に前年同期比4.7%成長した、とIDCが発表した。ここでいうパソコンは従来のデスクトップとノートブック、ワークステーションをまとめたレガシー製品分野である。これまでパソコン市場は少しずつ低下してきたが、米中の貿易戦争による関税の影響を避けるための駆け込み需要の可能性もある。
表1 IDCの調査による世界のレガシーパソコン(デスクトップ、ノートブック、ワークステーション)市場 出典:IDC
第2四半期になってIntelのCPUの供給不足が大きく改善され、多くのパソコンベンダーは以前からの注文に応えられるようになってきた、と同時に新型パソコンの供給も問題なくなった、とIDCは見ている。米中貿易戦争で関税が高くなる前にデスクトップやノートパソコンを需要以上に供給しておこうという思惑もあるようだ。
ただ、これまでの予想よりも伸びが高かったため、供給体制だけの問題ではない可能性もある。Windows 7のサービスが2020年1月で終わるため、Windows 10への移行の段階に入ったといえよう。ただ、Windows XPの終了時に見られた駆け込み需要とは少し違うようだ。半年くらいまだ早いからだ。メーカーやベンダーは、これから駆け込み需要が始まると見ているという。
地域別では、中南米と中国市場以外は全てプラス成長で、米国では1桁成長ながら5%以上だとしている。9月からの新学期前に買っておこうという需要や、Windows 7 OSのサポート終了前の駆け込み需要、米中貿易関税が適用される前の駆け込み需要などによると分析している。カナダ市場は12四半期連続のプラス成長だという。2010年第2四半期以来の9年ぶりの高い成長率で11.0%増を記録した。
日本も好調で、消費増税前の駆け込み需要だと見ている。EMEA(欧州と中東、アフリカ)市場も好調で、やはりWindows 7のサポート終了前の需要や買い替え需要、在庫減少などの要因だと見ている。