日本製半導体製造装置の受注増が順調に続き、B/Bレシオは1.40に
2010年6月における日本製半導体製造装置のB/Bレシオ、すなわち販売額に対する受注額の比が1.40になった、と日本半導体製造装置協会(SEAJ)が発表した。受注額、販売額とも3ヵ月の移動平均で計算されており、大きな傾向がわかる数字となっている。
順調に受注が伸びている日本製半導体製造装置 出典:SEAJ
2010年6月の受注額は、1125億1200万円、販売額は802億8800万円となり、受注は対前月比6.0%増えているが販売額は同15%減となった。ただし、販売額の低下は3ヵ月の移動平均で発表されている以上、単月の数字は判明しないが、少なくとも6月の単月は大きく落ち込んだといえる。3ヵ月の移動平均とは、6月では4〜6月の平均であり、5月は3〜5月の平均を表す訳で、月ごとの大きな変動を吸収するために統計処理としての意味を持つ。このため、これまで1月から5月までは販売額も順調に伸びてきており、6月に15%減ということは6月単月では大きく減少し30〜40%減だということに相当する。
このためB/Bレシオ1.40は好ましい数字ではあるが、販売額の急激な減少には注意する必要があろう。
逆に例えば4月にB/Bレシオが1.07と下がってきたときにセミコンポータルはさほど気にすることではない、と言い切ったが、5月は再び1.13と上昇傾向に戻った。これは受注額、販売額共に上昇傾向にあったからだ。今回の販売額の減少は大きすぎることが懸念材料と考えている。
早くも頭打ちか、不安定なFPD製造装置 出典:SEAJ
SEAJは日本製FPD製造装置のB/Bレシオも発表しており、受注額は323億9600万円、販売額は339億7000万円で、0.95のB/Bレシオとなった。こちらは受注が減り販売が増えるという不安定な様相を示している。この状態では何とも判断しにくい。