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ISMI/SEMATECHが環境負荷を削減するESH Technology Centerを設立へ

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SEMATECHの組織の一部であるISMI(International SEMATECH Manufacturing Initiative)が、ESH Technology Centerを開設する計画があることを、ハイアットリージェンシー東京において開催されたISMI/SEMATECH Symposium Japan 2008で明らかにした。ESH(Environment, Safety, Health:環境、安全、健康)問題は世界中で気にしなくては半導体産業を将来にわたって持続させる上で欠かせなくなってきている。ISMIはESH問題をリードするアイデアを発表した。

このプロジェクトは、ISMIの会員企業ではない半導体メーカーや装置メーカー、材料メーカーに対してもオープンにしていく計画で、詳細はまもなく明らかにする。欧州のREACH(Registration, Evaluation, Authorization of Chemicals)規制とも歩調を合わせ、環境に悪影響を及ぼす材料、化学物質を削減し、プロセスを改善していく。ESHへのインパクトができるだけ少ないような新しい化学物質や材料、プロセスを製造に使うようにしていく。

ユニークな点は、KEPI(Key Environmental Performance Indicator)と呼ぶ環境負荷を表す指数を導入することだ。この指数を標準規格として半導体産業の環境負荷の削減目標を立て削減を実行していく上での数値とする。例えば、省エネの場合にはkW/時/デバイスとか、デバイスやウェーハなど何らかの数量でノーマライズして省エネや有害物質など環境負荷の度合いを半導体製造特有の指数で測ろうとする。KEPI(ケピと発音)を半導体製造特有の環境指数として、原材料からプロセス、アセンブリ工程に至るまで半導体製造のすべての工程に適用できるようにする計画だ。

この指数をもとにESHの監査を導入することも計画しており、ISO14001のように環境負荷の削減計画を実行し、それを監査していくような体制を構築していく考えだ。

ESHを守ることは、製造で使用する電力エネルギーや水、化学物質の量をできるだけ減らしていくことからコスト削減にもつなげていくとしている。ISMIの統括者でSEMATECHのManufacturing Technologyのバイスプレジデントである、Scott Kramer氏は、「450mm工場を作る場合には最初からグリーン工場にしなければいけない」としている。


ESH Technology Center構想を発表するScott Kramer氏

ESH Technology Center構想を発表するScott Kramer氏


このESH Technology Centerの最初の設置場所はまだ決まっていないが、世界中に設置していく考えを持っている。「世界の半導体産業にいるみんなが環境負荷の削減に取り組み企業価値を上げていけるようにしたい」とKramer氏はセミコンポータルの質問に答えた。


(2008/10/31 セミコンポータル編集室)

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