中国のパワーIC市場、DC-DCコンバータ需要中心に成長
世界のパワーIC は今後5 年間にわたり、18.5%の成長が予測されている。特に中国市場の伸びが大きいと見られている。中国のパワーIC 市場では、LDO とDC−DC コンバータが主要な2 製品であり、通信関係の分野の要として最も注目されている。
中国のパワーIC 市場は、LDO 分野に参入したメーカーが多いため、価格競争が激しい。このため、販売数量は増えても単価が下がったために、2006 年のLDO の金額の伸び率がパワーIC 市場全体の伸び率より低くなっている。さらに、最近では、DC−DCがLDO に取って代わり広く使用されている。一方、AC−DC とPFC 製品の伸び率も急に大きくなっている。
応用分野からみると、通信向けパワーIC が最も高い伸びをしている。2006 年には、中国のGSM 携帯電話、WLAN AP、ルーター、交換機、DSL 端末、VoIP 機器などの生産の伸び率が40%に達している。これら製品の高い伸び率により、中国では通信系のパワーIC 市場が対前年比39.2%の成長をした。
一方、液晶テレビ、PDP テレビ、空調、洗濯機、MP3、DVD、デジカメ、デジタルビデオカメラなどの民生機器の伸び率は2005 年に比べて2006 年は製品によるバラツキがあり、民生機器向けのパワーIC 市場の伸び率は全体としてスローダウンしている。2006 年の中国のパワーIC 市場は、依然として海外の半導体メーカーがリードしている。
このうち、TI が最大のサプライヤーで、10.6%の市場シェアを占めている。現在、上位10 社の市場シェア合計が中国市場全体の半分にも達していないので、多くの半導体メーカーがしのぎを削っている。
2006 年の中国パワーIC 市場は272.1 億元(約3,800 億円)で2002 年から2006 年の年間平均伸び率は30.1%に達した。今後、最終完成品(セット)の製造が中国へシフトするスピードが停滞してくるため、中国のパワーIC 市場の伸び率もスローダウンになるが、デジタルテレビや3G 携帯電話の普及や北京オリンピックなどにより、中国パワーIC 市場の伸び率は世界市場より高く、年間平均伸び率約20%を維持するものと思われる。
2005 年と2006 年の中国パワーIC 市場の応用市場構成
出所:CCID
2002 年〜2011 年の中国のパワーIC 市場予想
出所:CCID
セミコンダクタポータルのコンテンツパートナー、アレグロ インフォメーション・インク(以下アレグロ)による、中国のエレクトロニクス・半導体・液晶分野のマーケット情報です。アレグロは、同社独自の調査及び、中国国家統計局、CCID、中国電子報、経済参考報、国際金融報などから得たフレッシュな情報をベースに、特に中国のIT、エレクトロニクス、半導体・液晶関連の情報収集・提供、分析、調査を行っています。今回、提供したのは、同社の月刊レポート「中国レポート:Electronics and Semiconductor China」の2007年2月号からの一部抜粋です。