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今度はファウンドリとしてよみがえった英プレッシーセミコンダクタ

英国のプレッシーセミコンダクタが不死鳥のようによみがえった。英国における半導体の雄の一つとして1980年代、90年代に活躍したプレッシーは波乱万丈の過去がある。GECとドイツのシーメンスに買収され、その後カナダのマイテル、ザーリンクの手に渡り、2003年にドイツのファウンドリXファブに売却された。今年になり不死鳥のように復活した。

英国南西部の半導体メーカー群 ファブレスが多い

英国南西部の半導体メーカー群 ファブレスが多い


英国南西部に位置するプリマスやスウィンドンに拠点を持つプレッシーセミコンダクタが復活するために、まず2段階の手続きを踏んだ。コンサルタント会社のプラスセミ(Plus Semi)社がバイポーラプロセスとSOI、バルクシリコンの設計を手掛けるMHSエレクトロニクス社を2009年5月に買収した。12月にプラスセミとドイツのファウンドリXファブが提携し、プリマスにあるXファブの工場をプラスセミに売却することを決めた。

2010年1月になり、プラスセミはプレッシーセミコンダクタと名を変え、復活を遂げたという訳だ。プリマスにあるXファブの工場はアナログやミクストシグナルを中心としたファウンドリだった。

英国南西部を管轄するBIS(ビジネス・イノベーション・技能省:日本の経済産業省に相当)傘下の南西地域開発公社が実はこの新会社に100万ポンド(1.5億円)を出資したが、さらに他にも出資者はいるが、明らかにしない。英国のある業界筋によると、秘密厳守の軍事用半導体を手掛けており、その資金を運用しながら回しているようだ。

技術的には0.35μmのCMOSおよびバイポーラのプロセスを使う。基板にはシリコンのバルクとSOIの両方を利用する。プレッシーの事業ディレクタ、ポール・ジェームス氏によると、「既存のファウンドリの顧客と新規の顧客の両者ともわれわれの事業計画に対して非常に前向きの反応をいただいた。最初の製品は2010年後半には出す予定だ」と自信を深める。

(2010/02/26)
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