4月の世界半導体販売高$110.5Bと大台突破;前例のない市場模様継続
ここでもAI(人工知能)インパクトが大きくあらわれており、米国・SIA(半導体工業会)による月次世界半導体販売高の発表が行われて、この4月の販売高が$110.5 billionと、三桁の大台を突破、前年、2025年4月と比べるとほぼ倍増である。本年、2026年に入ってから増加速度が一層高まる見え方であり、AIデータセンター向けの半導体販売の勢いを反映しているものと思われる。従来のパソコン、スマホ、産業用などの応用が重なり合う半導体市場特性からかけ離れた市場模様が続く現時点である。AI向けに集中する反動から、メモリ半導体価格が高騰し、パソコンやスマホの出荷予測がマイナスになるほどの激変ぶりであり、AIインパクトの推移に引き続き注目である。
≪従来にない半導体販売高模様≫
米国・SIAからの今回の販売高発表が、次の通りである。
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〇4月のグローバル半導体販売高が、前月比11%増―4月の世界半導体販売高は、前年比93.9%増;2026年の年間グローバル半導体販売高は$1.5 trillionを上回る見通し (6月5日付け SIA/Latest News)
SIAは本日、2026年4月のグローバル販売高は$110.5 billionで、前月、2026年3月の販売高$99.5 billionを11%上回り、前年同月、2025年4月の$56.9 billionを93.9%上回った、と発表した。月次売上高は世界半導体貿易統計(WSTS)によって集計され、3ヶ月移動平均を示している。SIAは、売上高で米国半導体業界の99%、米国以外の半導体企業の約3分の2を代表している。
さらに、SIAは本日、WSTSが発表した2026年春季世界半導体販売高予測を承認した。この予測では、2026年の世界の半導体売上高は前年比90%増の$1.5 trillionに達するとされている。2027年には、世界売上高は$1.9 trillionを超える見込みである。WSTSは、半導体業界の動向に関する正確かつタイムリーな指標を提供する世界中の半導体企業から情報を収集し、半期ごとの業界予測を作成している。
「世界の半導体販売高は4月に14ヶ月連続で前月比増加を記録し、アジア太平洋地域、米州、および中国への販売に牽引され、世界市場は引き続き力強い前年比成長を遂げている。」とSIAのpresident and CEO、John Neuffer氏。「一方、世界の半導体業界は、AIインフラと高速コンピューティングプラットフォームへの需要の高まりを背景に、2026年には売上高$1.5 trillionに達すると予測されている。これは、以前の予想よりも早い時期の達成となる。」
地域別では、4月販売高前年比で、the Americas (115.8%), Asia Pacific/All Other (114.9%), China (78.6%), Europe (54.7%), およびJapan (15.6%)と、すべてで増加した。4月販売高前月比では、the Americas (16.7%), Asia Pacific/All Other (8.7%), China (8%), Europe (6.7%), and Japan (6.4%)と、すべてで増加した。
【3ヶ月移動平均ベース】
| 市場地域 | Apr 2025 | Mar 2026 | Apr 2026 | 前年同月比 | 前月比 |
======== | |||||
| Americas | 18.28 | 33.81 | 39.44 | 115.8 | 16.7 |
| Europe | 4.28 | 6.20 | 6.62 | 54.7 | 6.7 |
| Japan | 3.73 | 4.05 | 4.31 | 15.6 | 6.4 |
| China | 16.17 | 26.74 | 28.88 | 78.6 | 8.0 |
| Asia Pacific/All Other | 14.53 | 28.72 | 31.23 | 114.9 | 8.7 |
| 計 | $56.98 B | $99.52 B | $110.48 B | 93.9 % | 11.0 % |
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| 市場地域 | 11- 1月平均 | 2- 4月平均 | change |
| Americas | 26.07 | 39.44 | 51.3 |
| Europe | 4.91 | 6.62 | 34.6 |
| Japan | 3.73 | 4.31 | 15.6 |
| China | 21.58 | 28.88 | 33.8 |
| Asia Pacific/All Other | 23.33 | 31.23 | 33.8 |
$79.63 B | $110.48 B | 38.8 % |
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「今後数年間で世界の半導体市場が拡大するにつれ、ワシントンの指導者たちが、米国がその新たな成長とイノベーションの大きなシェアを獲得できるような政策を推進することが極めて重要であり、それは米国の経済力と国家安全保障を強化するのに役立つだろう」とニューファー氏は付け加えた。
※4月の世界半導体販売高 地域別内訳および前年比伸び率推移の図、以下参照。
⇒https://www.semiconductors.org/wp-content/uploads/2026/06/April-2026-GSR-Table-and-Graph.pdf
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今回の発表を受けて、業界各紙の取り上げである。
◇Semiconductor sales up 93.9% y-o-y in April, says SIA―SIA: April's semiconductor sales surged nearly 94% year-over-year (6月8日付け Electronics Weekly (UK))
→SIAによると、4月の半導体売上高は$110.5bnで、2026年3月の$99.5bnから11%増加し、2025年4月の$56.9bnから93.9%増加した。
◇半導体販売、月1000億ドル超え、AI需要、価格上昇が加速 (6月10日付け 日経)
→AI関連の需要拡大を受け、世界で半導体販売が加速している。SIAが発表した4月の世界半導体販売額は前年同月比93・9%増の1104億8千万ドル(約17兆7千億円)と単月で初めて1000億ドルを超えた。数量のほか、価格の伸びも大きい。
主要な半導体メーカーで構成するWSTSがとりまとめ、SIAが発表した。前年同月での増加は30カ月連続。前月比では11%増加した。
2021年、2022年と相次いで年間半導体販売高の最高を更新して、2023年は減少に転じたが、2024年はAI需要が牽引してまたも過去最高を更新するとともに、$600 billionの大台に初めて載せた経緯となっている。
そして、2025年は$800 billionが望める水準に大きく飛躍、本当にどこまでいくのか、本年2026年は$1 trillion(1兆ドル)に達するとの予測が出るまでに至っている。
パソコン、スマホなど従来の主要応用分野の本格回復がいまだ道半ばという見方の中、AIが大きく引っ張る現下の市場がどう推移するか、引き続き今後に注目するところである。そこでAI牽引の状況があらわれた2024年以降について、以下の見方を続けることにする。
以下、米国・SIAの月初の発表時点の販売高、そして前年同月比および前月比が示されている。
2026年販売高データについての蓄積メモ:
2024年12月から2025年2月までは、前月比減少で停滞したが、それもあって2026年1月は前年比46.1%増にもなっている。$80 billion台に達して、年間$1 trillionの予測に向け幸先良い出だしである。
2月は、前年が底の水準ということで、前年比61.8%増と大幅増、$90 billionに迫る値となっている。ここ5ヶ月で$70 billionに入っての駆け上がりであり、この増勢いつまでどこまでとの見方になりがちである。
3月はさらに増勢を強めて$99.52 billionと$100 billionの大台にほぼ迫る水準となっている。前年比79.2 %増、前月比11.5 %増と、以下の推移に示す通り、記録的な伸びっぷりである。AIブームの凄さに注目するのみである。
4月は以下の推移で一目瞭然、$100 billionの大台を突破、$110.48 billionにも達して、前年同月、2025年4月の$56.96 billionと比べるとほぼ倍増である。前月比も、3月に続いて11%台の増加であり、伸びしろに引き続き注目である。
販売高 | 前年同月比 | 前月比 | 販売高累計 | |
| 2024年 1月 | $47.63 B | 15.2 % | -2.1 % | |
| 2024年 2月 | $46.17 B | 16.3 % | -3.1 % | |
| 2024年 3月 | $45.91 B | 15.2 % | -0.6 % | |
| 2024年 4月 | $46.43 B | 15.8 % | 1.1 % | |
| 2024年 5月 | $49.15 B | 19.3 % | 4.1 % | |
| 2024年 6月 | $49.98 B | 18.3 % | 1.7 % | |
| 2024年 7月 | $51.32 B | 18.7 % | 2.7 % | |
| 2024年 8月 | $53.12 B | 20.6 % | 3.5 % | |
| 2024年 9月 | $55.32 B | 23.2 % | 4.1 % | |
| 2024年10月 | $56.88 B | 22.1 % | 2.8 % | |
| 2024年11月 | $57.82 B | 20.7 % | 1.6 % | |
| 2024年12月 | $56.97 B | 17.1 % | -1.2 % | $616.70 B |
| 2025年 1月 | $56.52 B | 17.9 % | -1.7 % | |
| 2025年 2月 | $54.92 B | 17.1 % | -2.9 % | |
| 2025年 3月 | $55.90 B | 18.8 % | 1.8 % | |
| 2025年 4月 | $56.96 B | 22.7 % | 2.5 % | |
| 2025年 5月 | $58.98 B | 19.8 % | 3.5 % | |
| 2025年 6月 | $59.91 B | 19.6 % | 1.5 % | |
| 2025年 7月 | $62.07 B | 20.6 % | 3.6 % | |
| 2025年 8月 | $64.88 B | 21.7 % | 4.4 % | |
| 2025年 9月 | $69.47 B | 25.1 % | 7.0 % | |
| 2025年10月 | $72.71 B | 27.2 % | 4.7 % | |
| 2025年11月 | $75.28 B | 29.8 % | 3.5 % | |
| 2025年12月 | $78.88 B | 37.1 % | 2.7 % | $766.48 B |
年間最高更新 | ||||
| 2026年 1月 | $82.54 B | 46.1 % | 3.7 % | |
| 2026年 2月 | $88.78 B | 61.8 % | 7.6 % | |
| 2026年 3月 | $99.52 B | 79.2 % | 11.5 % | |
| 2026年 4月 | $110.48 B | 93.9 % | 11.0 % |
前例のない市場模様が続いているが、関連する内容を以下取り出している。
価格高騰が続くメモリ半導体関連が大半を占めるとともに、「前例のない」といった現下の半導体市場の特性のあらわし方が見られている。
◇Chinese memory firms edge closer to challenging Korea's chip giants (6月6日付け The Korea Times)
→1)技術面で後れを取っているにもかかわらず、CXMTとYMTCは市場シェアを拡大し、生産能力を急速に拡大している。
2)中国の大手メモリーチップメーカーであるCXMTとYMTCは、生産量と市場シェアを急速に拡大しながら新規株式公開(IPO)に向けて準備を進めている。AI主導の需要が成長を牽引し、中国企業が成熟市場における技術格差を縮める中、サムスンとSKハイニックスにとって競争が激化していることを示している。
◇ASML sees AI influencing every stage: chip design to fabrication (6月8日付け IO+)
→1)半導体業界は、ASMLのCEOが「一大競争」と表現する局面に入りつつあり、業界全体に前例のないダイナミズムを生み出している。
2)ASMLのCEO、Christophe Fouquet氏は、AIが前例のない半導体競争を引き起こし、需要が供給をはるかに上回っていると述べている。同氏は、EUV露光装置がAIチップに不可欠となるにつれ、ボトルネックが拡大する可能性があると警告する。また、イノベーションはムーアの法則を超え、システムレベルの進歩へと移行しつつある。
◇Rethinking Memory in a Demand-Driven Market (6月8日付け SEMICONDUCTOR DIGEST)
→Everspin TechnologiesのVice President of Sales、Sean Dougherty氏記事。
現在メモリ市場にかかっている圧力は、パンデミックのような混乱ではなく、意図的に抑え込まれた供給不足であり、その影響が実際のシステムに現れるまで気づきにくく、より巧妙な仕組みになっている。AIインフラの需要は現実的かつ確固たるものであり、大手企業は数年先を見越して供給量を確保しており、サプライヤーはそれに応じて高性能メモリを優先的に供給している。
◇AMD Warns DDR5 Prices Won’t Return To Normal Until 2028, As AI Boom Strangles Consumer Memory Supply―AMD: DDR5 prices to remain high until 2028 (6月9日付け Wccftech)
→*AMDのVP and GM of Client Channel Business、David McAfee氏は、DDR5メモリの価格が今後2年間は大幅に高止まりすることを認めた。
*報道によると、DDR5の価格が正常値に戻るには約2年かかる見込みで、つまり2028年までは高価格が続くことになる。
4Gamersの報道によれば、RAM市場の待望の価格回復はまだ2年先になるという。
◇Chip competition is getting fierce (6月9日付け Taipei Times)
→半導体業界のリーダーたちは、TSMCがAIを活用した製造技術と高度なパッケージングを展開する中、微細化技術の限界を超えた競争を繰り広げている。インテル、サムスン、およびラピダスはオングストローム時代の技術革新を目指しており、業界におけるリーダーシップは、実行力、歩留まり、そしてエコシステムの深さによってますます左右されるようになっている。
◇Notebook shipments expected to decline 13%: TrendForce (6月9日付け Taipei Times)
→TrendForceによると、メモリチップやCPUsの価格上昇と供給不足が需要を抑制するため、世界のノートパソコン出荷台数は前年比で約13%減少する見込みで、これは以前の予測よりも大幅な減少幅を修正したもので、各ブランドは価格を引き上げ、製品構成を調整している。
◇Massive AI Storage Demand Creates a New Memory Wall (6月10日付け EE Times)
→1)「メモリの壁」という用語は、1990年代初頭にコンピュータ性能のボトルネック、すなわちプロセッサとメモリ(特にDRAM)間の速度差を表現するために造語された。この概念はすぐにエンジニアリング用語として定着し、DRAMはコンピューティング効率を阻害する旧態依然とした技術として捉えられるようになった。この壁は今もなお存在しますが、AI時代においては、DRAMおよびDRAMベースの高帯域幅メモリ(HBM)が大規模言語モデル(LLM)の急増するメモリ需要に対応しようと奮闘する中で、この比喩は新たな意味合いを帯びるようになった。
2)AIは、数十年前から存在する「メモリの壁」という課題を再び浮き彫りにしている。LLMのメモリ需要の急増がDRAMとHBMの容量増加を上回っているためである。過去の性能向上にもかかわらず、メモリ技術は現在、コスト、エネルギー、発熱、そして拡張性といった面で大きな圧力に直面しており、将来のAIの拡大を脅かしている。
◇AI-Driven Memory Shortage Upends IT Budgets―Margin boom for memory makers (6月10日付け EE Times)
→1)*ガートナーによると、RAM不足と価格高騰により、2026年上半期のサーバーコストは125%以上増加する見込み。
*AIインフラの急速な構築に伴い、高度なメモリが大量に消費され続ける中、企業のIT部門やOEMメーカーは、DRAMとNANDフラッシュメモリの深刻な構造的不足に直面している。
この危機は企業の予算を予測不可能なものにしたが、同時に世界の主要メモリメーカーには記録的な利益をもたらした。
2)AIインフラのブームにより、DRAMとNANDフラッシュメモリが深刻な不足状態に陥り、企業の予算を圧迫する一方で、メモリメーカーの利益は増加している。クラウドプロバイダーからの強い需要により、2026年第1四半期のNANDフラッシュメモリの売上高は83.7%増加したが、これは生産量の増加ではなく、価格の上昇によるものだ。
◇PC出荷台数、今年度37%減予測 (6月10日付け 日経MJ(流通新聞))
→調査会社のMM総研は2026年度の国内パソコン(PC)出荷台数は前年度比37・8%減の1123万台になる見通しだと発表した。前年度にあった買い替え需要の反動や、メモリー価格の高騰などが響く。
メモリー価格高騰の影響はPCの春モデルにも及んでいる。電子情報技術産業協会(JEITA)の統計によると、4月の出荷金額と出荷台数をもとに算出したPCの平均単価は3月に比べて35・1%上昇した。
◇To beat chip crunch, Chinese firm inks memory deal bigger than its sales (6月11日付け South China Morning Post)
→1)匿名サプライヤーとの$1.86 billion規模の複数年フラッシュメモリ供給契約は、下流企業が生産能力確保に奔走する現状を浮き彫りにしている。
2)Biwinは、AI主導の需要拡大により世界市場が逼迫する中、チップ生産能力を確保するため、$1.86 billion、2年間のフラッシュメモリ供給契約を締結した。この契約により、供給リスクが軽減され、エンタープライズストレージの拡張が促進されるとともに、成長著しいサーバーおよびデータセンター分野における同社の地位が強化される。
AIインパクト関連の動きが、1週間の間でも大きく様変わりという感じ方があり、半導体の視点から引き続き推移に注目するところである。
激動の世界の概況について、以下日々の政治経済の動きの記事からの抽出であり、発信日で示している。
□6月8日(月)
来週、6月15日の週開催のG7サミットでも重要鉱物「共同備蓄連携構想」が我が国から提案される運びと報道されているが、レアアースについて中国、そして米国の動きが以下続いている。
◇中国産レアアース、輸入8割減―日本企業、豪印産で代替急ぐ (日経 電子版 02:00)
→中国政府が戦略資源として輸出規制するレアアースの対日輸出が急減している。日中関係の悪化を受け、3〜4月の輸出量は前年同月比8割超減った。日本企業は自動車やハイテク製品などの心臓部の製造に不可欠な原料の安定確保をめざし、豪印などへ調達先の切り替えを急ぐ。
□6月9日(火)
以下の市場実態でもスペースXのメガ上場関連を示しているが、上げ下げ経緯がありながら、中東合意への期待から上げが続いて締めた今週の米国株式市場である。
◇スペースXのメガ上場 市場が疑うAI戦略、「適正価値は半額」指摘も (日経 電子版 06:00)
→8日のニューヨーク株式市場でダウ工業株30種平均は前週末比80ドル安で取引を終えた。テック株は先週の売りから反発したが、午後にかけて勢いが弱まった。市場は12日に史上最大のIPOを控える米宇宙会社スペースXの話題で持ちきりとなっている。
◇トランプ政権、レアアースの対日供給を中国に要請 G7でも議題に (日経 電子版 11:30)
→トランプ米政権が中国の習近平指導部に対し、日本へのレアアース供給の再開を働きかけていることがわかった。
重要鉱物を使う日本製品が世界的に不足する懸念があり、米国も日中供給網を問題視し始めた。
複数の日米外交筋が明らかにした。米国側は5月のベッセント米財務長官と何立峰中国副首相との会談で、対日禁輸措置に懸念を表明した。
中国の輸出が7カ月連続の前年比増、パソコンやスマホが好調とのこと。
◇中国、5月の輸出19%増で7カ月連続プラス スマホ好調で伸び拡大 (日経 電子版 14:06)
→中国税関総署が9日発表した5月の貿易統計(ドル建て)によると、輸出は前年同月比19.4%増の3767億ドル(約60兆円)で、7カ月連続のプラスとなった。パソコン関連やスマートフォンの出荷が好調だった。
輸出の伸びは14.1%だった4月から拡大した。輸入は27.4%増の2713億ドルと12カ月連続でプラスだった。輸出から輸入を差し引いた貿易黒字は1054億ドルになった。
□6月10日(水)
◇NY株式 9日終値 (河北新報ONLINE)
→<ダウ工業30種平均>
50872.11
前日比 +86.10
□6月11日(木)
◇NYダウ5万ドル割れ ハイテク株売り続く、ナスダック総合2%安 (日経 電子版 05:40)
→10日の米株式市場でダウ工業株30種平均が反落し、前日比953ドル33セント(1.9%)安の4万9918ドル78セントとこの日の安値圏で引け、心理的節目の5万ドルを割り込んだ。ハイテク株を中心に利益確定売りが続く。
ダウ平均は5月19日以来3週間ぶりの安値水準を付けた。
□6月12日(金)
◇NYダウ929ドル高 米がイラン攻撃中止表明、原油一時2カ月ぶり安値 (日経 電子版 05:34)
→11日の米株式相場は急反発し、ダウ工業株30種平均は前日比929.97ドル(1.86%)高の5万0848ドル75セントで終えた。トランプ米大統領が同日夜に予定していたイランへの攻撃中止を表明したことを受け、投資家のリスク回避姿勢が逆回転した。
□6月13日(土)
◇NYダウは続伸し353ドル高 中東合意に期待、スペースX上場も支え (日経 電子版 05:54)
→12日の米株式市場でダウ工業株30種平均は続伸し、終値は前日比353ドル51セント高の5万1202ドル26セントだった。米国とイランが近く戦闘終結に向けて合意するとの期待が高まった。スペースXの上場が好調だったことも、投資家心理を支えた。
≪市場実態PickUp≫
【AppleのWWDC】
Appleの年次開発者会議「Worldwide Developers Conference(WWDC)」が6月8日(米国時間)に開催され、関連記事が以下の通りである。AI対応についての市場の反応、地域別での壁があらわされている。
◇Apple partnering with Google and Nvidia for most advanced AI model (6月9日付け CNBC)
→1)*Appleは、カリフォルニア州クパチーノで開催された年次WWDCの基調講演で、Siri AIのデモを披露した。
*基調講演後に行われた技術講演では、ソフトウェア担当上級副社長のCraig Federighi氏をはじめとする幹部らが、Siri AIの開発経緯について説明した。
*Apple幹部らは、AFM Cloud ProモデルはGoogleのGemini最先端モデルに匹敵するもので、Nvidia製GPUs上でクラウド上で動作すると述べた。
2)AppleはWWDCでAIのアップデートを発表し、スケジュール管理、リマインダー、道案内といったタスクを処理する、より自然な会話ができるSiriを披露した。同社は、クラウドベースのモデル開発においてGoogleおよびNvidiaと協力しながら、プライバシーを重視したAI戦略を強調した。
◇iPhoneのウェブ閲覧管理に親の許可制導入 子供が見たいサイト申請―アプリ利用時間制限、ジャンルごとに (6月9日付け 日経 電子版 13:20)
→米アップルは8日、未成年の安全対策で保護者がスマートフォン利用を管理する機能を拡大すると発表した。見たいウェブサイトを両親らが承認する仕組みを始める。特定の時間帯ごとにアプリの使用可否を設定できるようにする。
アップルは18年から「iPhone」向けに保護者の管理機能を始め、13歳未満では初期設定で有効にしている。
◇Apple「Siri AI」発表 メール自動作成など目新しさなく株価2%下落 (6月9日付け 日経 電子版 06:50)
→米アップルは8日、スマートフォン「iPhone」の音声支援機能を「Siri AI」として刷新すると発表した。指示に応じてスマホ内の他のアプリの情報を参照し、メール作成などを自動化する。8日のアップル株は一時2%安となった。
米西部カリフォルニア州の本社で開いた年次開発者会議「WWDC」で発表した。シリAIはまず年内に英語で提供する。
◇Apple「Siri AI」、重要市場の欧州・中国で投入に遅れ 規制が壁 (6月10日付け 日経 電子版 12:03)
→米アップルは2026年内から提供を始めるAI機能「Siri AI」で、欧州と中国市場での投入を見送った。規制が壁になっており、スマートフォン「iPhone」販売に影響が出かねない。
【Nvidiaの韓国での提携】
先週の台湾でのComputexにおいて、NvidiaとSK Hynixとの連携に注目させられたが、NvidiaのCEO、Jen-Hsun "Jensen" Huang氏が先週末5日から訪韓、Samsungはじめ各様のつながりが以下の通りである。
◇Nvidia and SK hynix ink multi-year memory co-development and supply agreement - seeks to address extended development cycles―Nvidia, SK Hynix team on memory for next-gen platforms―Nvidia and SK hynix tighten their relationship. (6月8日付け Tom's Hardware)
→NVIDIAとSKハイニックスは、NVIDIAの次世代プラットフォーム向けメモリ技術の共同開発と安定的なメモリ供給確保を目的とした複数年契約を締結した。この提携は、AIやロボット工学を含む様々なNVIDIAシステム向けに、HBM4、LPDDR5Xおよび3D NANDに重点を置く。SKハイニックスは、NVIDIAのCUDA-XライブラリとPhysicsNeMoを活用し、半導体開発を強化するとともに、NVIDIA Omniverseを用いて製造工場のデジタルツインを構築する。
◇Nvidia clinches deals with South Korean giants including SK Group to advance AI boom (6月8日付け Reuters)
→*SKハイニックス、SKテレコム、Naver、Doosan(斗山)、LGグループ、現代自動車との契約を発表
*SKハイニックスとの複数年契約により、先進メモリの供給を確保
*NVIDIAは、SKハイニックスとのパートナーシップは今後も拡大していく可能性があると述べている
*SKテレコム、ネイバー、斗山は、NVIDIAの技術を用いてデータセンターを構築
*サムスン電子とNVIDIAは、HBM5を含む次世代チップ、ファウンドリ、自動運転用チップに関する協力について協議した
◇Samsung memory chief, Nvidia CEO discuss next-generation HBM cooperation (6月8日付け Yonhap News Agency)
→サムスンのメモリ部門責任者であるJun Young-hyun氏は、韓国でNVIDIAのジェンセン・フアンCEOと会談し、次世代HBM4EおよびHBM5チップとファウンドリ事業における長期的な協力について協議した。また、AI主導の需要が高まる中、短期的にはHBM4の供給を確保することも約束した。
◇韓国SK、NVIDIAと27年に「AIファクトリー」 半導体も開発 (6月8日付け 日経 電子版 12:58)
→韓国SKグループは8日、米エヌビディアと連携して2027年までにAIを基盤としたシステム「AIファクトリー」を韓国内で初めて稼働させると発表した。次世代メモリー半導体も共同開発すると発表した。
エヌビディアのジェンスン・ファンCEOが韓国を訪れ、SKの崔泰源会長と共同で協業を発表した。
◇Nvidia unveils S Korean deals (6月9日付け Taipei Times)
→1)明るい未来:世界的な半導体株の暴落について問われた際、ファン氏は懸念を払拭し、株価が割安になった今こそ皆が喜ぶべきだと述べた。
2)NVIDIAは、韓国のSKハイニックス、ネイバー、SKテレコム、Doosan、LG、および現代自動車と主要な提携を発表し、高度なメモリチップの確保、AIデータセンター、ロボット工学、およびモビリティプロジェクトの拡大を図り、グローバルなAIインフラ構築への取り組みを強化した。
◇韓国SK、米エヌビディアと「AI工場」稼働 来年までに、韓国内で初 (6月9日付け 日経)
→韓国SKグループは8日、米エヌビディアと連携して2027年までにAIを基盤としたシステム「AIファクトリー」を韓国内で初めて稼働させると発表した。次世代メモリー半導体も共同開発すると発表した。
エヌビディアのジェンスン・ファンCEOが5日から韓国を訪れ、韓国内の複数企業とAIに関連する連携を発表した。
◇サムスン、エヌビディア向け拡大 受託生産に弾み (6月10日付け 日経)
→韓国半導体大手サムスン電子の全永鉉CEOは米エヌビディアに対して演算用の先端ロジック半導体の供給を拡大する方針を明かした。不振が続くロジック分野の販売回復につながる可能性がある。
8日まで韓国を訪問していたエヌビディアのジェンスン・ファンCEOと面会した直後、全氏が記者団に説明した。全氏はサムスンで半導体事業を統括している。
◇韓国SKが日本にAIデータセンター NVIDIAと連携、自社半導体を活用 (6月11日付け 日経 電子版 05:00)
→韓国大手財閥のSKグループは日本で2028〜29年をメドに、AIに特化した次世代データセンターを開設する。自社の最先端半導体を活用し、米半導体大手エヌビディアと連携し設計することで消費電力を抑えながら高度な計算能力を実現する。
SKの崔泰源会長が10日、都内で日本経済新聞の取材に答えた。日本企業のAIによる生産性向上を支援し自社半導体のショーケースにもする。
◇NVIDIAのCEO、日本を素通り 歴訪の韓台に劣るパートナーの魅力 (6月14日付け 日経 電子版 05:00)
→米エヌビディアのジェンスン・ファンCEOが5〜6月に中国・台湾・韓国を歴訪するなか、日本を素通りした。半導体産業における日本の競争力の陰りだけでなく、AI革命で日本が出遅れかねないリスクを示唆している。
「台湾はAI革命の中心だ」「韓国のパートナーに感謝を伝えに来た」。ファンCEOは5月下旬から6月上旬の日程で訪問した台湾と韓国で、賛辞を惜しまなかった。
【インテル関連】
Intel Foundryの取り組み、今回は特にGoogleからのTPUs製造発注など、毎週欠かせない注目となっている。
◇Packaging Technologies Redefine AI And HPC Scalability Limits At ECTC 2026―Advancements in EMIB-T, co-packaged optics, and glass substrates. (6月5日付け Semiconductor Engineering)
→Intel Foundryは、2026年のIEEE ECTCにおいて、AIおよびHPCのスケーリングを推進するEMIB-T、光学部品とガラス基板のコパッケージ化技術を展示した。これらの技術は、帯域幅を拡大し、消費電力を削減するとともに、レチクルサイズの限界を超えるマルチダイチップレットアーキテクチャを実現する。
◇Intel adds iGPU-less mobile chips to Core 200H lineup - Raptor Lake-based Core 7 230H and Core 5 205H sport disabled graphics for small form factor desktop boards―Intel expands Core 200H series with iGPU-less chips―Intel is continuing to pump out new Raptor Lake CPUs (6月7日付け Tom's Hardware)
→Intelは、Raptor LakeアーキテクチャをベースとしたCore 200Hシリーズに、Core 7 230HとCore 5 205Hプロセッサを追加した。これらのチップは統合グラフィックスを搭載しておらず、シリーズ初のグラフィックス非搭載製品となる。小型フォームファクタシステムやマザーボードメーカーをターゲットとしている。Core 7 230Hは6つの高性能コアと4つの高効率コアを搭載し、Core 5 205Hはそれぞれ4つずつ搭載している。
◇Alphabet taps Intel to make three million in-house chips, The Information reports―Report: Google taps Intel to make 3M TPUs in 2028 (6月8日付け MSN/Reuters)
→Googleは、2028年に製造される300万個以上のTPUをIntelに発注した。これは、CEOのリップ・ブ・タン氏の下でのIntelの業績回復と、TSMCから半導体製造の主導権を取り戻そうとするIntelの取り組みを象徴する動きだと、The Informationが報じている。Nvidiaも、新しいプロセッサにIntelの技術を採用することを検討している。
◇Inside Intel’s Die Sort and Singulation Operation: An Up-Close Look at an Overlooked Process (6月10日付け SEMICONDUCTOR DIGEST)
→インテルのIP Design and Validation Engineer、SHASHIKIRAN KONNUR SAMPATHKUMAR氏記事。
EUVリソグラフィの華やかさとチップレットパッケージングの複雑さの間には、業界ではあまり注目されていないものの、歩留まり、コスト、および信頼性に等しく重要なプロセス領域が存在する。それがダイソート(DS)とダイシングである。インテルのダイソート施設を詳しく見てみると、パッケージングインフラへの数十年にわたる継続的な投資を反映した、高度に設計されたオペレーションが明らかになる。
【注目のIPO関連】
イーロン・マスク氏のスペースXが週末にナスダック市場に新規上場、アンソロピック、オープンAIと「巨大IPO」が後に控えており、けた外れの規模関連の動きが、以下の通りである。AIインパクトの行く末を起動する動き&展開に注目である。
◇Tencent’s chief AI scientist dismisses lag concerns, says race a ‘long-term game’ (6月5日付け South China Morning Post)
→1)Yao氏は、ChatGPTやClaude Codeだけがスーパーアプリになるとは考えておらず、「新たな機会は必然的に生まれるだろう」と述べている。
2)元OpenAI研究員のYao Shunyu氏は、AI競争はまだ始まったばかりであり、コーディングエージェントや身体化された知能が数兆ドル規模の市場を創出する可能性を秘めていると語る。同氏は、成功の鍵はインフラ、データ品質、そして長期的な投資にあると主張する。
◇OpenAIがIPO申請を発表 「時期は未定」、時価総額160兆円規模か (6月9日付け 日経 電子版 07:07)
→米オープンAIは8日、米国でIPOを申請したと発表した。時価総額は1兆ドル(約160兆円)規模を目指すとみられ、AI分野の巨大上場案件が続くことになる。
日本の目論見書にあたる「S-1」の草案を、内容非公開で米証券取引委員会(SEC)に提出したと明らかにした。財務情報や公募する株式数、公開価格、上場先の取引所などは開示していない。
◇アンソロピック、ミュトス級の新AI一般提供 サイバー攻撃指示を拒否―新モデル「Fable5」、従量課金に (6月10日付け 日経 電子版 06:53)
→米新興アンソロピックは9日、先端のAI「クロード・ミュトス」に悪用を防ぐ安全対策を加え、一般提供を始めたと発表した。サイバー攻撃などの指示を自動で拒むようにした。新モデルの名称は「Fable(フェイブル)5」。9日から世界でアンソロピックの顧客企業が利用できる。
◇アンソロピック、半導体5.6兆円分「簿外調達」 ブロードコムが信用補完 (6月10日付け 日経 電子版 06:15)
→米AI新興アンソロピックは、自社の貸借対照表に載らないオフバランス(簿外)のやり方で350億ドル(約5兆6000億円)相当のAI半導体利用権を確保する。米半導体大手ブロードコムから実質的な信用補完を受け、投資負担を軽くする。製品購入の資金を顧客に提供する「ベンダーファイナンス」の変形だ。
◇オープンAI、3番手で上場へ スペースXとアンソロピック追う 非営利で創業、公益と利潤両立探る (6月10日付け 日経)
→米オープンAIは8日、米国でIPOを申請したと発表した。AI開発競争を勝ち抜くため上場で資金確保を急ぐ。
非営利で発足した同社の創業の理念である「公益」と利潤獲得の両立が課題となる。
◇マスク氏の「究極目標」はスペースX・テスラ統合 IPOテコにAIへ資金 (6月11日付け 日経 電子版 09:51)
→米スペースXはIPOを12日に控え、2027年にも電気自動車(EV)の米テスラと統合を目指すとの見方が浮上している。AI事業の拡大へ資金をまとめる狙いだが、投資家の権利制限や規制対応など課題も多い。
◇Ahead of SpaceX IPO, Elon Musk addresses ASML employees as part of push into chip manufacturing (6月11日付け CNBC)
→1)*イーロン・マスク氏は、半導体製造事業への本格参入を目前に控え、ASMLの従業員に向けて講演を行った。
*史上最大規模のIPOでSpaceXを上場させようとしているマスク氏は、ASMLの年次技術カンファレンスにオンラインで参加し、Christophe Fouquet CEOと意見交換を行った。
*ASMLは、AI向け最先端チップの製造に必要な機械を唯一提供しており、マスク氏が計画するテラファブ工場への有力なサプライヤーとなる見込みだ。
2)スペースXがテキサス州で大規模なテラファブ・プロジェクトを推進する中、マスク氏はASMLの技術カンファレンスにオンラインで参加し、半導体製造の重要性を強調した。このプロジェクトは、テスラ、スペースX、そしてxAI向けに高度なチップを製造することを目的としており、ASMLは重要なサプライヤーとしての地位を確立している。
◇OpenAI mulls slashing prices as it competes with Anthropic for users: WSJ (6月11日付け CNBC)
→1)*ウォール・ストリート・ジャーナル紙は水曜10日、関係筋の話として、OpenAIがAIモデルの有料アクセス料金の値下げを検討していると報じた。
*ChatGPTの開発元であるOpenAIは、競合のAnthropicも同様の値下げを行うと予想している。
*これらの報道は、両社間の競争激化の中でなされたものだ。
2)OpenAIは、競争が激化する中で、競合のAnthropicに先んじるため、AIサービスの大幅な値下げを検討している。この動きは、両社が並行してIPOを計画し、企業価値が急上昇している状況、そしてChatGPTが月間アクティブユーザー数10億人を最速で達成したアプリとなったことを受けてのものだ。
◇スペースXきょう上場へ、異例ずくめ 巨大IPOトリオの先陣 (6月12日付け 日経 電子版 05:16)
→米スペースXが12日(日本時間同日夜)にIPOを迎える。調達額は史上最大の750億ドル(約12兆円)。イーロン・マスク氏率いる宇宙とAI開発の複合企業体の上場は、アンソロピック、オープンAIと後に控える「巨大IPO」の行方も占う。
◇OpenAIがソフト企業Ona買収 業務用AIエージェント強化 (6月12日付け 日経 電子版 14:41)
→米オープンAIは11日、ソフト開発支援のスタートアップOnaを買収すると発表した。AIで作業を自動化する「エージェント」の利用が増えており、安全に長時間のソフト開発を任せやすくする技術を取り込む。
◇スペースX上場、時価総額2.1兆ドル 公開価格比19%高―一時176ドル台まで上昇 (6月13日付け 日経 電子版 05:17)
→米スペースXが12日、ナスダック市場に新規上場した。終値は160ドル95セントと公開価格(135ドル)を19%上回り、時価総額は2兆1000億ドルとなった。超巨大上場への投資家の関心は高く、好調な滑り出しとなった。
◇アンソロピック、米政府指示でミュトス級AI提供停止 日本含む (6月13日付け 日経 電子版 11:16)
→米アンソロピックは12日、先端AIモデル「クロード・ミュトス」と「フェイブル」の提供を直ちに停止すると発表した。米政府から輸出管理対象に指定され、外国人が利用できなくするように命じられたという。
【中国半導体関連】
米国の規制にとらわれない中国のAI半導体への自立化の取り組み関連が、以下の通りである。世界初という風力発電式水中データセンターが上海沖に開設されている。新たな材料に暇なしの感じ方がある。
◇Huawei chips refine DeepSeek model in major leap for China’s AI self-reliance (6月5日付け South China Morning Post)
→1)中国の半導体メーカーはAI推論のサポートにおいて成功を収めているものの、はるかに複雑な学習プロセスには苦戦している。
2)ファーウェイを含む研究者らは、Ascend 910Cチップを用いて、1,000個のチップからなるクラスタ上で、1.6兆パラメータのDeepSeek-V4-Proの全パラメータpost-training(後学習)を完了させた。これにより、米国のチップ規制にもかかわらず、中国のAI能力は推論から大規模モデル学習へと大きく前進した。
◇Chinese start-up claims nanoimprint tech can mass-produce optical chips without ASML gear―Prinano's nanoimprint tech bypasses DUV for optical chips (6月8日付け South China Morning Post (Hong Kong))
→1)nanoimprint lithographyの真価は、生産量、歩留まりおよび非フォトニックチップ製造といった観点から議論が分かれている。
2)Prinano(プリナノ)社は、PL-AS真空air-cushionナノインプリントリソグラフィを用いて、8インチシリコンウェハ上にフォトニックチップを製造することに成功した。この技術は深紫外(DUV)リソグラフィの使用を不要にするため、チップ製造における大きな進歩と言える。
◇With a global AI data shortage looming, China boosts its own supply (6月9日付け South China Morning Post)
→1)この取り組みは、AIを経済の産業構造に組み込むことを目指す北京のAIプラス戦略を具体化するために設計されたもの。
2)中国は、産業特化型データセットの拡大、標準化および商業化を推進することで、AI戦略を加速させている。合成データ、自動ラベリングおよびデータ駆動型金融を促進することで、質の高い人材育成リソースを確保し、世界のAI競争力を高めることを目指している。
◇China chip giants form US$577 million ‘patient capital’ fund to counter US tech curbs (6月9日付け South China Morning Post)
→1)半導体大手各社、米国の輸出規制強化を受け、中国の「ハードテック」分野を支援するため39億1000万元のプライベートエクイティファンドを設立
2)CXMTやアリババなどの中国トップテクノロジー企業は、半導体およびディープテック分野の長期的なイノベーションを支援するため、39億1000万元のファンドを設立した。この動きは、技術の自立を促進するものである。
◇ディープシーク、1.2兆円を調達 米報道、テンセント出資 (6月9日付け 日経)
→中国のAI新興、DeepSeekの資金調達額が74億ドル(約1兆2000億円)になるもようだと米ブルームバーグ通信が報じた。中国ネットサービス大手、テンセントなどが出資する。
外部の投資家が約44億ドル、残り30億ドルはディープシークの創業者である梁文鋒CEOが個人で出資するという。最終的な決着に近いとしている。
◇China put a data center underwater (6月10日付け Wired)
→重要性:中国は、AI開発のためのエネルギー確保と化石燃料への依存度低減戦略の一環として、上海沖に世界初の風力発電式水中データセンターを開設した。水深10メートルに沈められたこの施設は、24メガワットの発電容量を持ち、洋上風力発電で電力需要の95%以上を賄っている。
HiCloud Technologyと中国交通建設の共同事業であるこのデータセンターは、冷却に海水を使用することで、エネルギー消費量を大幅に削減している。
◇China drafts $295 billion plan to build national AI data center grid running on 80% homemade silicon - projected 2028 timeline could run into limits of local chip production―China plans $295B AI data center grid with domestic chips―Beijing's spending ambitions run into the reality of limited chip output. (6月10日付け Tom's Hardware)
→中国は今後5年間で約$295 billionを投じて、国内にAIデータセンターのネットワークを構築する計画だ。技術の80%は国内で調達される予定だ。国家発展改革委員会(National Development and Reform Commission)が策定したこの計画は、国内の半導体生産能力の限界から、困難に直面する可能性がある。


