AIモデルをサポートしマルチコアSoCを1台のIDEで設計検証するADIの新ツール
Analog Devices(ADI)は、これまでの組込系開発環境であるCodeFusion Studio 1.0にAIワークフローをサポートする機能を盛り込んだCodeFusion Studio 2.0をリリースした。これは、AIモデルをシームレスにインポートし、GUIやコマンドを通してプロジェクトを生成できるツールだという。AIモデルを取り込める統合開発環境といえそうだ。
図1 AIモデルをサポートするマルチコアSoC向け設計検証ツールCodeFusion Studio 2.0 出典:Analog Devices Inc.
この新しい開発環境は、ADIのCPUやDSPなどのコアを活用するMCUやSoCの開発を速めることが最大の狙いであり、AIモデルの検証やそのパフォーマンス・プロファイリングを可視化できる。リアルタイムでADIのCPUやDSPのコードをこの装置1台で見ることができるので、デバッグが簡単になる。
AIを搭載するようなこれからのSoCやマイコンでは、マルチCPUコアを使う設計がますます増えてくるが、マルチコアの問題の一つは、複数のIDEツールでデバッガーを扱わなければならないため、設計効率が悪くなることだという。SoCの設計者はデバッガーの作業に追われ、本来の設計に集中できなくなる。CodeFusion Studio 2.0は、一つに統合しているため、設計者の負担は楽になる、と同社ソフトウエア&セキュリティ・グループ、ソフトウエア製品エクスペリエンス&ツールマネージング・ディレクタのJason Groffin氏は言う。
この新型ツールは、エッジAIで使うマルチコアMCUやSoCの開発に向け、スケーラブル(拡張性があり)で、簡単にアクセスし、コード解析、最適化も楽に行えるという点に特長があるという。ADIのMCUやDSPなら全てのチップに使えるオープンなツールだというが、あくまでもADIのデバイスでないとサポートしていないようだ。実際には、昨年発表した当時のCodeFusion Studio 1.0では適用できた製品は7つだけだったが、現在は24製品に適用できたとしている。
特にCPUコアとDSPコアのようなヘテロコアを一つのツールでサポートしているため、これまでのように複数のIDEを扱う必要がない。具体的にはそれぞれのヘテロコアの設定、構築、デバッグを一つのツールだけで扱うことができる。
CodeFusion Studio 2.0は、実行ツールでもある。TensorFlowやPyTorchのライブラリからAIモデルをインポートし、数分後には推論可能なコードを生成できるという。完全にエンドツーエンドのAIワークフローをカバーする統合されたツールチェーンを使って、ADIのプロセッサでAIのワークロードを実行できる。推論可能なAIモデルをSoCコアに変換、最適化、割り当て、実行ができることに加え、互換性を検証し、ボトルネックを特定し、動作中の性能をプロファイルで見ることができるという。


