Gartnerが2024年半導体企業ランキングの最終版を発表
市場調査会社のGartnerが2025年2月はじめに発表した世界半導体ランキング(参考資料1)は、Samsungが1位でIntelが2位、そしてNvidiaが3位という結果だった。しかし、今回発表されたランキングではNvidiaがトップに来た。もちろんAIデータセンターが同社のGPU(グラフィックスプロセッサ)の取り合いになっているからで、Nvidiaの急成長はずっと前から周知の事実だった。
図1 Gartnerが最終発表した2024年の半導体トップ10社ランキング 出典:Gartner
25年2月はじめ時点では、Nvidiaの最終四半期(2024年11月〜2025年1月期)が発表される直前だったものの、同社の急成長の勢いは半導体関係者なら誰が見てもNvidiaが1位のはずと思っていた。しかし、当時は違った。今回の最終版は訂正版でもある。ただ、他の半導体メーカーの数字も少しずつ変化している。
Nvidiaに関しては、同社が発表する2025年度(2024年2月〜2025年1月期)の売上額は、1305億ドルだった、1〜12月に換算してこれが766.92億ドルに半減してしまうとは考えにくい。ただ、NvidiaはGPUのチップだけを販売しているのではなく、GPUをドーターボードなどに実装しており、そのボードとしても販売している。しかもこのボードは一般的なEthernetやPCIeバスにつなげられるようになっている。
生成AIでもゲーム機用と同様、ボードにして販売することもある。例えば、最新のGPUであるBlackwellチップは2個を一組にしてCPUであるGraceと一緒に1枚のボードに実装し、それをコンピュータに実装している。ユーザーによっては自分でボードを設計するためGPUだけを求める企業もあり、ボードを求める企業もあるため、純粋にGPUだけの販売額がどの程度なのか、明らかにしていない。このためGartnerはGPUだけの金額を推定しているのであろう。
また半導体メーカーの中にファウンドリは含めてない。ファブレス企業がファウンドリに製造を依頼する場合には製造コストを支払うが、それはファウンドリにとっては売上額になる。半導体企業を合計して半導体の市場規模を求めるのに、ファウンドリをその中に含めるとダブルカウントになるため、調査会社はファウンドリを半導体企業ランキングに含めていない。例えば、Samsungはファウンドリ事業も行っているため、その分は差し引いている。しかし、半導体企業の規模感を示すことはできないため、中にはファウンドリを含めている調査会社もある。
Gartnerは、カバーしている全ての半導体メーカーの半導体・IC販売額を世界半導体市場として計算している。2024年の半導体市場は、2023年の5421億ドルから21%成長した6559億ドルに達した。ちなみにWSTSの市場規模は、2023年が5269億ドルで、24年が6279億ドルだから24年は19.2%成長したことになる。GartnerとWSTSとはカバーしている企業の数が異なるため、市場規模は若干異なっている。
参考資料
1. 「Gartnerが2024年世界半導体トップテンランキングを発表、Nvidiaは3位」、セミコンポータル、(2025/02/04)


