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Gartnerが2024年世界半導体トップテンランキングを発表、Nvidiaは3位

市場調査会社のGartnerが2024年世界の半導体トップランキングを発表した。これによると1位はSamsungで、2位Intel、3位Nvidiaとなっている。Gartnerは、半導体の市場規模を求めることに主眼があるため、ファウンドリ企業は含んでいない。ファブレス企業やIDMがファウンドリを使うとコストとなるが、ファウンドリには売り上げとなる。つまりファウンドリ企業も含めると売上額をダブルカウントすることになる。

2024年半導体トップテン / Gartner

図1 Gartnerが発表した世界半導体トップテン 出典:Gartner


Gartnerがカバーする半導体メーカーはWSTSよりも多いが、両者の間で半導体の市場規模はほとんど変わらない。WSTSはまだ12月までの数字を発表していないが、12月の見積もりでは、世界半導体市場は6268.7億ドルであったが、Gartnerのそれは6259.7億ドルと近い数字となっている。もちろん両者とも部分的に推定が入る。例えば決算月が1〜12月ではない企業もある。また、ファウンドリを行っている企業もある。さらにコンピュータやボードを販売している企業もある。

今回はGartnerが発表した数字では、2024年の半導体市場は前年比18.1%増の6260億ドルであり、2025年には7050億ドルに達すると予想している。つまり、12.6%の成長ということになる。

トップのSamsungはメモリメーカーであり、SK hynixやMicron Technologyもメモリメーカーであり、3社共60%以上の2桁成長を示した。SKが前年比86%増、Micronは72.7%増であった。Samsungはトップに返り咲いたものの、62.5%増とメモリ3社のうちで成長率が最も低い。2位のIntelはパソコン用のCPUが強く、AI PCやCore Ultraチップセットが売れたものの他が悪かったため、売上額は0.1%しか成長しなかった。

3位のNvidiaは、メモリメーカー以外で83.6%成長を示し、460億ドルを売り上げた。AIビジネスが強いため前年の5位から3位へと上がった。Nvidiaの売上額は2024年2月~10月までの9カ月で911億ドルを突破しているが、同社は半導体チップの出荷に加え、コンピュータやボードも出荷しているため、純粋にチップだけの販売額は同社売り上げよりも小さく、しかも公表していない。またNvidiaは11月、12月、24年1月、と同社の決算年度第4四半期についてはまだ発表していないため、Gartnerの発表したNvidiaの売り上げは推定の数字であろう。

メモリ全体では2024年は71.8%成長した。このため半導体全体の25.2%をDRAMビジネスが占めている。NANDフラッシュも好調で前年比75.7%増を示した。データセンター向けのHBM(High Bandwidth Memory)が特に伸びDRAM全体の13.6%を占めるようになった。2025年もメモリはさらに成長が見込まれるため、HBMの比率は25年には19.2%を占めるようになると見ている。

2024年における半導体のドライバは、データセンター応用(サーバーやアクセラレータカード)で使われるGPU(グラフィックスプロセッサ)やAIプロセッサだとしている。AIおよび生成AIへの需要が高まり、データセンター需要となった。その規模は1120億ドルに達し、スマートフォンに次ぐ規模になったという。2023年では648億ドルだったためほぼ倍増したことになる。2024年に25社の半導体企業の内11社が2桁成長を成し遂げ、マイナスに沈んだのは8社だけだったという。

(2024/02/04)
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