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6月の世界半導体販売額、単月では史上2番目の金額に

世界の半導体市場は2024年第2四半期(4〜6月期:2Q)には前年同期比(YoY)18.3%増の1499億ドルに成長したと米SIA(半導体工業会)が発表した。対前期比(QoQ)では6.5%増で着実に回復していることを物語っている。3カ月の移動平均値での6月の販売額は499.8億ドルとなったが、単独の値を求めることはできる。

世界半導体販売額の前年差と前年比

図1 世界半導体販売額は過去最高額に近づく 出典:WSTSの数字を元にグラフ化


SIAの数字はWSTS(世界半導体市場統計)の数字をベースにしており、常に3カ月の移動平均値で表されるため、数字が均されて実際の単月の数字はわからない。そこで、5月の単月の数字まで明らかになっているWSTSの数字をベースに6月単月の実数を求めてみる。

WSTSによる4月の販売額はYoYで17%増の449億2470万ドル、5月のそれはYoYで22%増の505億6107万ドルであるから、4月〜6月の平均販売額がSIAの発表した6月の移動平均販売額の499.8億ドルとなる。そうすると、4〜6月の合計の1499億ドルから4月、5月分を差し引くと6月は544億1423万ドルとなる。この数字はYoYで17.8%増となる。

6月の544億ドルという数字は、2022年3月に記録した単月の過去最高額545.49億ドルに次ぐ記録である。着実に半導体販売額は増えてきている。ただし、7月、8月は例年6月よりも少し下がるため、単月最高額はおそらく9月ごろになろう。9月は3Qの決算月でもあるため、例年比較的大きな数字になる傾向がある。

SIAの発表した3カ月の移動平均で地域別では、欧州と日本だけがYoYでマイナスとなっており、欧州はYoYで11.2%減の41.8億ドル、日本は同5.0%減の37.8億ドルとなっている。依然として半導体を使うユーザーが日本では乏しい。SIAとWSTSの数字で示されている市場の地域とは、半導体を第三者に手渡す地域を示しているからだ。

参考資料
1. 「2023年12月の世界半導体市場、前年同月比19%成長、4カ月連続プラスに」、セミコンポータル、(2024/02/14)

(2024/08/08)
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