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半導体製造装置、受注額が下降線をたどる、要注意に

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2015年4月をピークに日本製半導体製造装置の受注額が下降線をたどっている。7月における受注額は、前月比10%減の1075億3800万円になった。前年同月比では9.3%増ではあるが、下降気味である。黄色信号が灯ったといえそうだ。

図1 日本製半導体製造装置の受注額・販売額・B/Bレシオ 出典:SEAJ

図1 日本製半導体製造装置の受注額・販売額・B/Bレシオ 出典:SEAJ


販売額は前月の1011億7900万円から9.3%増の1114億1000万円と少し上がったため、B/Bレシオは、1.18から0.97に低下した。全て3ヵ月の移動平均値である。販売額は比較的堅調に推移しているが、受注額の低下傾向が気にかかる。Intelが設備投資を当初の100億±5億ドルから4月に87億±5億ドルへの減額を発表したため、受注額は、その影響を受けたと見られる。

Intelの業績は、パソコンの動向に大きく依存しており、パソコンが下降曲線に入っているため、業績全体が伸びていない。ただし、Intelは脱パソコンに向かっており、ハイエンドのサーバーやHPC(High Performance Computing)、さらにハイエンドのIoTを強化する一方、ローエンドのボタン電池型コンピュータCurieの発売などMakers Movementのトレンドにもビジネスを展開している。ただし、パソコン市場の動向に未だに大きく左右されている。


図2 日本製FPD製造装置の受注額・販売額・B/Bレシオ 出典:SEAJ

図2 日本製FPD製造装置の受注額・販売額・B/Bレシオ 出典:SEAJ


FPD製造装置はB/Bレシオが1.89という数字だけを見ると悪くないと考えられがちだが、受注額、販売額共下降気味に推移しており、B/Bレシオだけ見て喜べない。

参考資料
1. FPD製造装置は受注額と販売額のかい離が激しくなる (2015/07/24)

(2015/08/20)

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