Nvidia、OpenAI各々戦略的連携継続;第2のSilicon Valley、アリゾナ
NvidiaのCEO、Jensen Huang氏およびOpenAIのCEO、Sam Altman氏のそれぞれ我が国、韓国および台湾の各社訪問を前回≪市場実態PickUp≫で取り上げたが、さらに拡がって戦略的連携が続けざま発表されている。AI過熱に拍車、さらにはAIバブルといったあらわし方が見られて、様々な規制を求める慎重論のなかで、止められない流れの感じ方の現時点である。もう1つ、恒例のSEMICON Westが、半世紀を経て開催場所を変え、時期も変えて、アリゾナ州Phoenixで10月7-9日に開催されている。TSMCの米国最先端工場が動き始めるとともに、サプライチェーンの当地での拠点展開が行われて、新たなシリコンバレーの色合いが見られている。
≪AI需要が引っ張る活況のもとで≫
まずは、Nvidiaについて、戦略的連携の動きを相手先で分けて、以下の通りである。
[富士通]
◇Nvidia, Fujitsu agree to collaborate on AI robots, tech (10月4日付け Taipei Times)
→NVIDIAと富士通は、NVIDIAのGPUsを活用したAI搭載ロボットやイノベーションの開発で提携することを発表した。両社は、2030年までにヘルスケア、製造業、および社会ソリューションに重点を置き、グローバル展開も視野に入れた日本のAI基盤の構築を目指している。
◇富士通、エヌビディアとAI半導体開発 日本勢「省エネ」売りに (10月4日付け 日経)
→富士通は3日、同社と米エヌビディアのチップを接続させた人工知能(AI)向け半導体を共同開発すると発表した。富士通の半導体は国の基幹スーパーコンピューター「富岳」など向けで使われてきた。エヌビディアの半導体と高速に接続して効率を上げ、省エネルギーの度合いも高める。データセンターやロボットなどの需要を開拓する。
◇Fujitsu and Nvidia hook up on AI agents―Fujitsu, Nvidia partner to develop AI agent platform (10月6日付け Electronics Weekly (UK))
→1)富士通とNVIDIAは、AIエージェントを統合したフルスタックAIインフラストラクチャの構築に合意した。
2)富士通とNVIDIAは、NVLink Fusionを介してFujitsu-Monaka central processing unit(CPU)とNVIDIAのGPUを統合することで産業AIの導入を加速させるとともに、医療、製造およびロボティクスなどの分野向けに自己進化型AIエージェントプラットフォームを共同開発することで、産業AIの導入を加速させるパートナーシップを締結した。
[xAI]
◇AI to Raise $20 Billion After Nvidia and Others Boost Round―AI startup xAI raising $20B with Nvidia backing for Colossus 2 (10月7日付け Bloomberg)
→xAIは当初の計画を上回る資金調達を実施しており、NVIDIAを含む出資者から資金を調達し、現在進行中の資金調達ラウンドの総額を$20 billionに引き上げると、事情に詳しい関係者が報じている。
◇Nvidia to invest in Musk’s xAI as part of US$20 billion funding (10月8日付け South China Morning Post)
→1)関係筋によると、NVIDIAは今回の買収の株式部分に最大$2 billionを投資する予定だ。
2)イーロン・マスク氏が支援するAIスタートアップ企業xAIは、メンフィス(Memphis)のデータセンター「Colossus 2」の建設資金として、NVIDIAからの$2 billionの株式投資を含む、資金調達ラウンドを$20 billionに拡大する。負債と株式を組み合わせたこの買収は、GPUの購入と投資家のリターンを結び付けるものだ。
[インテル]
◇Nvidia and Intel could win the AI PC war with this secret weapon―How Intel, Nvidia could use unified memory for AI PCs (10月8日付け PCWorld)
→1)統合グラフィックスは忘れるよう。この提携の真の力はメモリアーキテクチャにある。
2)NVIDIAによるIntelへの$5 billionの投資は、NVIDIAのGPUチップレットを統合したx86システムオンチップ(SoCs)の開発につながると予想されており、AI搭載PCの優位性につながる可能性がある。この提携は、Apple Siliconに似た統合メモリアーキテクチャを示唆しており、CPUsとGPUsがRAMプールを共有することで、現在AIワークロードの障害となっているVRAMの制限を克服できる可能性がある。
各社との取り組みと並行して、次世代GPUsに向けた冷却技術が以下の通りあらわされている。いろいろな熱気への対応を感じるところである。
◇NVIDIA Might Switch Up Cooling Solutions With Next-Gen Rubin Ultra as It Battles Thermal Constraints―Nvidia explores new cooling for Rubin Ultra AI GPUs (10月5日付け Wccftech)
→NVIDIAは、増大する電力需要と熱問題に対応するため、次世代Rubin Ultra AIグラフィックス・プロセッシング・ユニット向けに代替冷却ソリューションを検討している。同社は、チップ周囲に直接冷却剤を流すことでより効率的な熱管理を実現するmicrochannel cold platesを探求している。NVIDIAは、Rubin Ultra向けマイクロチャネル・コールドプレートの設計について、Asia Vital Componentsと協議を進めている。
次に、OpenAIについてであるが、AMDとの連携、開発者イベントなど、以下示している。
[AMD]
◇AMD stock skyrockets 23% as OpenAI looks to take stake in AI chipmaker (10月6日付け CNBC)
→1)*OpenAIとAMDは、Sam Altman氏の会社がAMDの株式10%を取得する可能性のある契約を締結した。
*OpenAIは、2026年に1ギガワットの導入を皮切りに、複数年にわたり最大6ギガワットのAMD Instinct GPUsを導入する予定である。
*AMDはOpenAIに最大1億6000万株のwarrantを発行し、導入と株価のマイルストーンに応じて権利が付与される。
2)OpenAIとAMDは、OpenAIにAMDの株式最大10%の取得を与える複数年契約を締結した。OpenAIは、2026年に1ギガワットの導入を皮切りに、6ギガワットのAMD GPUsを導入する予定である。これによりコンピューティング能力が向上し、AI分野における最大規模のハードウェア契約の一つとなる。
◇OpenAI and AMD announce multibillion-dollar partnership - AMD to supply 6 gigawatts in chips, OpenAI could get up to 10% of AMD shares in return―OpenAI to buy AMD chips under 5-year deal to power AI (10月6日付け Tom's Hardware)
→OpenAIとAMDは、AMDプロセッサを使用したAIデータセンターで協力するためのmultibillion-dollar規模の契約を発表した。OpenAIは、2026年にMI450を皮切りに、6ギガワットのAMDチップを購入することを約束している。この5年間のパートナーシップにより、チップはAMDから直接、またはクラウドコンピューティングパートナーを通じて入手できるようになる。
◇AMD teams up with OpenAI to challenge Nvidia’s AI chip dominance―The five-year deal will commit OpenAI to purchasing six gigawatts worth of AMD’s GPUs for its AI data centers. (10月6日付け The Verge)
→AMDはOpenAIと提携し、AIデータセンター向けに6ギガワット相当のプロセッサを提供する。これは、AIチップ市場でのNVIDIAの優位性に挑戦する動きだ。AMDのプレスリリースによると、この5年間の契約は、ChatGPTのようなAIアプリケーションの増大する計算需要に対応するためにOpenAIのインフラを強化することを目的としており、まず2026年後半に1ギガワット規模のAMD Instinct MI450 GPUsを導入する予定だ。
◇AMD Raises GPU Bar with Landmark OpenAI Deal (10月7日付け EE Times)
→1)AI分野で幅広く活躍するOpenAIは、GPUサプライヤーであるAMDと戦略的契約を締結した。この契約により、OpenAIは今後5年間で$100 billion以上の収益をAMDにもたらすことが見込まれている。さらに、この数十億ドル規模のパートナーシップにより、OpenAIはAMDの株式10%を取得できる。
OpenAIは、2026年後半に1ギガワット相当のMI450 GPUsの供給を開始し、これを皮切りに6ギガワットのAMD GPUsを購入する予定である。OpenAIは、AMDから直接、またはクラウドパートナーを通じて、6ギガワットのAMD GPUsを購入する予定。
2)OpenAIはAMDとの画期的な契約を締結し、6GWのGPUs購入と10%の株式取得を約束した。この複数年にわたるパートナーシップは、AMDのAI分野での存在感を強化し、NVIDIAの優位性に挑み、OpenAIに次世代AIシステムのための十分なコンピューティング能力を確保する。
◇AMD and OpenAI sign chip supply deal worth tens of billions of dollars (10月7日付け Taipei Times)
→AMDは、OpenAIと6ギガワットのGPUsを複数年にわたって導入する大型契約を締結した。これにより、数百億ドル規模の収益を生み出す可能性がある。この提携により、AMDのAI分野でのプレゼンスが強化され、OpenAIの大規模なインフラ拡張が加速される。
◇OpenAIがAMD出資、インフラ計200兆円投資で賭け 市場過熱に拍車 (10月7日付け 日経 電子版 06:10)
→米オープンAIは6日、米AMDに最大10%出資し、半導体を活用して巨大データセンターを構築すると発表した。これまで表明した投資規模は総額約200兆円に達し、AIの巨額インフラ整備に突き進む。赤字経営が続く中での際限なき投資は市場過熱と「AIバブル」の懸念を呼んでいる。
AMDとの連携についての論評も見られている。
◇Brad Gerstner on OpenAI’s deal-making with AMD, Nvidia: ‘The best chips will win’ (10月7日付け CNBC)
→1)*投資家のBrad Gerstner氏は、OpenAIとNVIDIAおよびAMDとの契約は単なる発表であり、実際の導入ではないと述べた。
*Altimeter Capital(アルティメーター・キャピタル)の創設者であるガースナー氏は、「最終的には最高のチップが勝つだろう」と述べた。
*ガースナー氏は、これらの契約は「世界が依然としてコンピューティング能力の制約下にあることのさらなる証拠」となると述べた。
2)投資家のブラッド・ガースナー氏は、OpenAIとNVIDIAおよびAMDとの契約はあくまで発表であり、実際の導入ではないと警告し、コンピューティング能力の制約がAI競争を左右する状況を浮き彫りにした。米中競争の中、OpenAIは能力拡大を目指しているが、チップ不足が業界の成長を阻害する可能性がある。
3)投資家のブラッド・ガースナー氏は、OpenAIのNvidiaおよびAMDとの提携はまだ発表段階であり、実際に展開されているわけではないと警告し、コンピューティング能力の慢性的な不足を浮き彫りにしている。これらの提携は、世界的な需要と高まる地政学的緊張によって引き起こされた、熾烈なAI軍拡競争を浮き彫りにしている。
◇AMD’s deal with OpenAI gives Nvidia much-needed challenger in market it dominates (10月8日付け CNBC)
→1)*AMDが今週OpenAIと締結した大型契約は、AI市場におけるNVIDIAの優位性にメスを入れるチャンスを該チップメーカーに与えた。
*「現在、NVIDIAはほぼ独占状態にある」と、ブルームバーグ・インテリジェンスのシニアアナリスト、Mandeep Singh氏は述べた。
*1990年代、Intelは独占禁止法規制当局に対する訴訟を有利に進めるため、AMDを第2位の実力者とする必要があった。
2)AMDはOpenAIと数十億ドル規模のGPU契約を締結することで、NVIDIAの強力なAIチップ競合企業としての地位を確立した。この契約はAMDの市場における存在感を高め、長らくNVIDIAのAI特化型GPUsが独占してきた分野における競争の激化を示唆している。
◇Do OpenAI’s multibillion-dollar deals point to an AI bubble? (10月9日付け Taipei Times)
→1)一部の市場関係者は、チップメーカーのNVIDIAおよびAMDとの取引の循環性を懸念している。
2)OpenAIのNVIDIAおよびAMDとの数十億ドル規模の取引は、ベンダーファイナンスのリスクを反映しており、市場関係者はAI投資バブルの発生を警告している。AIの導入とユーザー需要の増加にもかかわらず、評額の急騰、巨額の設備投資、そしてほとんどの企業にとってのROIの限界は、懸念材料となっている。
[開発者イベント]
◇OpenAI DevDay: Jony Ive says pace of change in AI is ‘extraordinary’―CNBC is covering the keynotes and latest announcements at OpenAI’s DevDay, as the artificial intelligence startup makes its case to developers. (10月7日付け CNBC)
→*OpenAIのCEO、Sam Altman(サム・アルトマン)氏はサンフランシスコでDevDayの開幕を飾り、前回の開発者イベントからほぼ2年が経過したと述べた。
*このAI企業は基調講演で、App SDK、AgentKit、ChatKit、Codexを発表した。
*投資家たちは、元Appleのデザイン責任者であるJony Ive氏が何を開発しているのか、熱心に情報を待ち望んでいる。アルトマン氏はイベントの締めくくりに、ジョニー・アイブ氏との対談を行う予定である。
*OpenAIは先日、AMDとのAIチップに関する契約を発表した。これは、NVIDIAやOracleとの契約を含む、最近の一連のインフラ関連契約の最新のものである。
◇OpenAI declares focus on enterprise growth with array of partnerships (10月8日付け Taipei Times)
→OpenAIは、Spotify、Zillow、およびMattelとの新たなパートナーシップを発表し、AIツールをエンタープライズアプリケーションに拡張することで、ChatGPTとの連携と開発者ツールを披露した。幹部は、ユーザーデータの好みを尊重しながら、ChatGPTを多用途なプラットフォームへと進化させることを目指している。
NvidiaそしてOpenAIの熱気を掻き立てる取り組みそれぞれの今後の推移に目が離せないところである。
次に、"第2のSilicon Valley"ともあらわされるアリゾナも、現時点の熱気を感じるところである。小生個人的にも、会社の最初の米国出張でアリゾナ州Phoenixを訪問しており、いまや半導体の中核に、との改めての感じ方がある。関連記事を以下に示していく。まずは、TSMCの工場近くに拠点を新設した実装&テストのAmkorについてである。
◇Amkor breaks ground on Arizona advanced packaging campus, plugging critical gap in US semiconductor supply chain - production expected in 2028, investment could extend to $7 billion with 3,000 jobs in tow (10月6日付け Tom's Hardware)
→1)CHIPS法に基づく資金援助を受け、フェニックス都市圏が半導体ハブへと変貌を遂げる中、アムコーはTSMCの隣に移転する。
2)アムコーはアリゾナ州ピオリアに$2 billion規模の半導体パッケージング・キャンパスを開設し、AppleとNVIDIAを主要顧客として確保していく。2027〜2028年に生産開始予定のこの施設は、米国の半導体サプライチェーンを強化し、AIに特化したパッケージングを支援することを目指している。
◇Amkor breaks ground on Arizona packaging facility near TSMC―Amkor's testing/packaging facility breaks ground in Ariz. near TSMC plant (10月6日付け DigiTimes)
→米国を拠点とする半導体パッケージングおよびテストサービスプロバイダーのAmkor Technologyは、2025年10月6日に起工式を開催し、アリゾナ州ピオリアに新しい先進的なパッケージングおよびテスト施設の建設を正式に開始すると発表した。
このほど開催の「セミコンウエスト」、Phoenixでの開催、新時代を迎えて、以下の通りあらわされている。
◇SEMICON West 2025: A New Era for the U.S. Semiconductor Industry―From San Francisco to Phoenix: A strategic move (10月7日付け SEMICONDUCTOR DIGEST)
→SEMICON Westがフェニックスで開幕することは、半導体業界における最も重要なイベントの一つが単に移転するというだけでなく、1兆ドル規模の未来に向けた業界の驚異的な勢いを体現することを意味する。展示会に先立ち行われたオンライン記者会見で、SEMI AmericasプレジデントのJoe Stockunas氏は、この変革の規模を説明し、記録的な成長、アリゾナへの画期的な移転、そして人材、イノベーション、そして認知への新たな重点を強調した。
◇アリゾナを「第2のシリコンバレー」に 米半導体、国産へ96兆円投資 (10月9日付け 日経 電子版 08:05)
→米半導体展示会「セミコンウエスト」が7〜9日、50年以上の歴史で初めて米西部アリゾナ州で開催した。同州はTSMCの巨大工場を中核に供給網が集積する米半導体製造復活の象徴として「第2のシリコンバレー」になりつつある。米国内の投資総額は計96兆円となり、官民で半導体国産に総力を挙げる。
◇米半導体、脱・台湾へ投資続々 20年以降96兆円、アリゾナ「第2のシリコンバレー」に 関税で企業に圧力 (10月10日付け 日経)
→米半導体展示会「セミコンウエスト」が7〜9日、50年以上の歴史で初めて米西部アリゾナ州で開催した。同州はTSMCの巨大工場を中核に供給網が集積する米半導体製造復活の象徴として「第2のシリコンバレー」になりつつある。米国内の投資総額は計96兆円となり、官民で半導体国産に総力を挙げる。
その他、アリゾナ州での半導体関連の内容が以下の通り見られている。
◇Weekly news roundup: Intel and TSMC pour billions into Arizona; Memory chip prices soar, Hanmi expands to Singapore to support Micron (10月7日付け DigiTimes)
→インテルとTSMCは、アリゾナ州を世界的な半導体ハブへと変貌させるため、数十億ドル規模の投資を進めている。その柱となるのが、TSMCの$165 billion規模の拡張計画だ。メモリ価格の高騰、中国におけるファーウェイの台頭、そしてAI関連企業による世界の半導体サプライチェーンの再編など、この動きは業界全体の変化を加速させるだろう。
◇TSMC米先端工場、生みの苦しみ 15兆円投じ次世代半導体3割生産へ―The Strategy TSMCの研究(中) (10月7日付け 日経 電子版 02:00)
→台湾に拠点を集中させてきたTSMCにとって米国での先端工場建設は大きな試練となる。トランプ米政権の対米投資政策を受けて、次世代の先端半導体のうちおよそ3割を米国でつくる計画だ。建設資材や人件費のコスト高は逆風となるものの、売上高の7割を占める米顧客企業との関係深化を選んだ。
◇Applied Materials and Arizona State University Celebrate Opening of ‘Materials-to-Fab’ Center (10月9日付け SEMICONDUCTOR DIGEST)
→アプライド マテリアルズ社とアリゾナ州立大学は本日、テンピにあるASUリサーチパーク内の同大学のMacroTechnology Works内に、$270 million規模の世界クラスの共同研究開発・試作施設「マテリアル・トゥ・ファブ・センター」を正式に開設した。世界中の半導体業界リーダーがSEMICON Westカンファレンスのためにフェニックス近郊に集まる中、センターではテープカットが行われた。
AI活況を一層掻き立てる戦略的な動き&取り組み、そしてアリゾナでの最先端半導体製造一大拠点構築、とともに密接に関連しながら煽り煽られの進捗に引き続きの注目である。
激動の世界の概況について、以下日々の政治経済の動きの記事からの抽出であり、発信日で示している。
□10月7日(火)
最高値更新が続いた週明けは、7営業日ぶりの株価反落、利益確定売り優勢で下げが続き、最後は大きな下げとなって締めた今週の米国株式市場である。
◇NYダウは63ドル安で反落 AMDは2割超上昇、ナスダックは最高値 (日経 電子版 06:25)
→6日の米株式市場でダウ工業株30種平均は7営業日ぶりに反落し、前週末比63ドル31セント(0.13%)安の4万6694ドル97セントで終えた。連日で最高値を更新していた後で、景気敏感株や消費関連株の一角に利益確定や持ち高調整の売りが出た。米長期金利が上昇したことも相場の重荷だった。
□10月8日(水)
◇NYダウ、続落し91ドル安 過熱感を警戒 (日経 電子版 06:07)
→7日の米株式市場でダウ工業株30種平均は続落し、前日比91ドル99セント(0.19%)安の4万6602ドル98セントで終えた。前週末に最高値をつけるなど短期的な過熱感が意識されるなか、利益確定の売りが出た。ハイテク株の一角に売りが出て、相場全体の重荷となった面もあった。ダウ平均は200ドルあまり下落する場面があった。
□10月9日(木)
◇NYダウ、小幅続落し1ドル安 米政府閉鎖の長期化を懸念 (日経 電子版 05:56)
→8日の米株式市場でダウ工業株30種平均は小幅に3日続落し、終値は前日比1ドル20セント安の4万6601ドル78セントとなった。エヌビディアなどAI向け投資の恩恵を受ける銘柄への物色が活発だった。米連邦政府機関の一部閉鎖が長引く可能性があるなか、消費関連株の一角の下げが指数の重荷となり、下落して終えた。
□10月10日(金)
◇NYダウ、4日続落し243ドル安 利益確定売り優勢 (日経 電子版 06:19)
→9日の米株式市場でダウ工業株30種平均は4日続落し、前日比243ドル36セント(0.52%)安の4万6358ドル42セントで終えた。株式相場の過熱感が意識されるなか、主力株には利益確定の売りが出た。ダウ平均の下げ幅は300ドルを超える場面があった。
□10月11日(土)
日本時間土曜の朝に目にしたトランプ大統領の対中国反撃である。以下にも示すAI半導体の規制も然り、米中摩擦の新たな波が押し寄せる見え方である。
◇「トランプ劇場」再び、NYダウ878ドル安 市場の楽観に冷水 (日経 電子版 05:24)
→トランプ米大統領による関税を用いた脅しが米金融市場を揺らしている。中国によるレアアース輸出規制に反発し「大幅な関税引き上げを検討」と10日、SNSに投稿した。ダウ工業株30種平均は前日比878ドル安、円高・ドル安も進行するなどリスクオフの動きが鮮明だ。貿易戦争のリスク再燃が楽観をしぼませる。
◇トランプ氏「対中関税100%追加」 11月1日からレアアース規制に対抗 (日経 電子版 06:59)
→トランプ米大統領は10日、中国からの輸入品にかける関税を11月1日から100%上乗せすると表明した。中国によるレアアースの輸出規制を「道義に反する恥辱」だと批判し、対抗措置をとると脅した。自身のSNSで明らかにした。すべての重要ソフトウェアに対する輸出規制も合わせて導入する。
≪市場実態PickUp≫
【インテル関連】
これもアリゾナ州の最先端半導体製造拠点、インテルの最新世代のプロセッサの製造の取り組みが、以下の通りである。
◇Intel’s Next-Gen Panther Lake Lineup Features 30% Higher Power Efficiency Compared to Lunar Lake, Driven By 18A Adoption ―Reports: Intel's Panther Lake to offer more power efficiency (10月7日付け Wccftech)
→報道によると、インテルが来年初めに発売予定のPanther Lakeシリーズは、Lunar Lakeと比較して電力効率が30%向上し、演算性能は50%向上すると予想されている。Panther Lakeチップは、Intel 18Aノードを採用した初のコンシューマー向け製品となり、モバイルおよびPC市場への復活を目指すインテルの取り組みの一環となる。
◇Intel to reveal tech details on forthcoming PC chip, sources say (10月8日付け Reuters)
→インテルは、Panther LakeノートPC用チップの技術詳細を発表する予定で、18A製造プロセスを初めて大量採用したことを強調する。この省電力チップはパフォーマンスを最大50%向上させ、AMDに奪われた市場シェアの奪還を目指す。
◇Intel’s Confidence Shows As It Readies New Processors on 18A―Intel 18A process sets benchmarks with RibbonFET, PowerVia (10月9日付け EE Times)
→1)*インテルは、最新世代のプロセッサ「Panther Lake」と「Clearwater Forest」をアリゾナ州チャンドラーのFab 52で18Aプロセス技術を用いて製造すると発表した。
*インテルは本日、最新世代のクライアントおよびサーバー向けプロセッサ「Panther Lake」と「Clearwater Forest」を発表した。これらのプロセッサは、アリゾナ州チャンドラーにある最先端製造施設「Fab 52」において、最新の18Aプロセス技術を用いて既に生産中で、来年初めに量産開始予定であると発表した。特筆すべきは、大規模な分割の話であり、製造準備が整った18Aプロセス技術をもって、インテルの先端実装技術を活用して、ゲート・オール・アラウンド(GAA)技術、そしてバックサイドからの電力供給技術を採用している点である。
2)インテルの最新プロセス技術が、アリゾナ州チャンドラーのFab 52で現在、量産段階に入っている。米国で開発・製造された初の2ナノメートルクラスのノードであるインテルの18Aは、インテル3と比較してワット当たり最大15%の性能向上とチップ密度30%の向上といった進歩をもたらす。このプロセスには、インテルの新しいトランジスタアーキテクチャであるRibbonFETと、電力フローと信号整合性を向上させる裏面電源供給システムであるPowerViaも搭載されている。
3)インテルは、アリゾナ州のFab 52で最先端の18Aプロセスを採用した次世代プロセッサ「Panther Lake」と「Clearwater Forest」を発表した。これらのチップは、RibbonFET、PowerVia、GAA、そして高度なパッケージング技術を採用した「System of Chips」設計を採用している。
◇Intel gives first look at next-gen chips, says Arizona fab is fully operational (10月9日付け CNBC)
→1)*インテルは木曜9日、来年ノートパソコンに搭載予定の新型Panther Lakeプロセッサを発表した。
*苦境に立たされているこのチップメーカーは、ドナルド・トランプ大統領が特に半導体に重点を置いた米国製造業の強化を公約する中、事業の立て直しに苦戦している。
*米国政府は8月にインテルの株式の10%を取得し、インテルはNVIDIAとソフトバンクからも投資を受けている。
2)インテルは、アリゾナ州でフル稼働しているFab 52で18Aテクノロジーを採用した新型Panther Lake PCチップを発表した。2026年の発売予定で、AIによるチップ需要の高まりを受け、競争力回復を目指すインテルにとって、これらのプロセッサは米国国内生産の拡大を狙うものだ。
【SEMICON West関連】
上記アリゾナ州の取り上げに示すSEMICON Westであるが、ここではSEMI発表の市場データ、そしてApplied Materials発表の取り組みについて以下の通りである。
◇SEMI Reports Global 300mm Fab Equipment Spending Expected to Total $374 Billion Over Next Three Years (10月8日付け SEMI)
→SEMIのレポートによると、世界の300mmファブ装置投資額は、AIチップの需要と地域的な自給自足の実現に牽引され、2026年から2028年にかけて$374Bに達する見込みである。中国、韓国、および台湾が投資を牽引し、先端ロジック、メモリ、およびパワー半導体分野が半導体製造の新時代を牽引している。
◇SEMI Reports Global 300mm Fab Equipment Spending Expected to Total $374 Billion Over Next Three Years (10月8日付け SEMICONDUCTOR DIGEST)
→SEMIは本日、最新の300mmファブ市場予測を発表し、世界の300mmファブ装置投資額は2026年から2028年にかけて$374 billionに達すると予測した。この堅調な投資は、ファブの地域化とデータセンターおよびエッジデバイス向けAIチップ需要の急増を反映していると同時に、地域に密着した産業エコシステムとサプライチェーンの再構築を通じて、主要地域における半導体の自給自足へのコミットメントの高まりを浮き彫りにしている。
◇SEMI forecasts $1tn semiconductor market by 2030―SEMI: Chip market set to surpass $1T by 2030 (10月9日付け Electronics Weekly (UK))
→1)SEMIの300mmファブ展望レポートによると、300mmファブ装置への支出は2025年に$107bnに達すると予想されている。
2)SEMIの300mmファブ展望レポートによると、半導体業界はAIへの投資に牽引され、2030年までに1兆ドル($1 trillion)規模に達すると見込まれている。SEMIは、300mmファブ装置への支出が今年は$107 billion、2028年には$138 billionに達すると予測しており、AI搭載半導体は2030年までに半導体総売上高の約$250 billionを占めると予想されている。
◇Applied Materials tackles AI chipmaking on three fronts―Applied Materials debuts AI chip systems (10月9日付け Electronics Weekly (UK))
→1)アプライド マテリアルズは、Semicon Westにおいて、AIコンピューティングの需要に応えるため、特定の性能領域に特化しているという3つの半導体製造システムを発表した。
2)アプライド マテリアルズは、AIコンピューティングのニーズに対応するため、3つの半導体製造システムを発表した。BE Semiconductor Industriesと共同開発したKinexシステムは、die-to-wafer hybrid bonderである。Centura Xtera Epiシステムは、2ナノメートル以降のGAAトランジスタにおいて、void-free構造と優れた均一性を実現する。一方、PROVision 10 eBeam計測システムは、冷陰極電界放出(cold field emission)技術を活用し、複雑なチップ設計の計測精度を向上させる。
◇Applied Materials advances AI chip performance with hybrid bonding and e-beam metrology (10月9日付け Digitimes)
→アプライド マテリアルズは、die-to-waferハイブリッド ボンディング、GAA トランジスタ ロジック、および高度なHBMパッケージングを通じてAIチップのパフォーマンスを強化し、次世代コンピューティングの速度、効率、およびコスト効率を向上させる3つの最先端半導体システムを発表した。
【米台関連】
米国政府の最先端半導体製造を米国国内にもっていきたい動きのなか、現時点圧倒的に最先端を主導している台湾ということで、米国と台湾のせめぎ合いの動きがこのところ続いている。この微妙な問題の現時点、以下の通りである。
◇Rethinking TSMC’s future path (10月4日付け Taipei Times)
→TSMCが「US-SMC」に変貌するのではないかという懸念を明らかにした新たな世論調査は、台湾の主権問題への懸念を浮き彫りにしている。しかし、TSMCのグローバル展開は、その技術的リーダーシップを強化している。中核的なイノベーションを国内に留めることで、TSMCは台湾の戦略的影響力を弱めるのではなく、むしろ増幅させている。
◇Responding to US semiconductor policy shift (10月4日付け Taipei Times)
→トランプ政権は半導体の国産品と輸入品の比率を1:1にすることを目標としており、外国製半導体への関税導入のリスクを負っている。経済学者たちは、この重商主義的な政策は効率性を損ない、コストを膨らませ、米台間の産業協力を阻害する可能性があり、戦略的な交渉が必要になると警告している。
◇The limits of Taiwan’s ‘silicon shield’―There are reasons to suspect the United States may not be serious about intervening if the PLA attacks (10月6日付け Asia Times)
→Howard Lutnick米商務長官は、台湾の半導体生産の半分を米国に移転することを提案したが、台湾は安全保障上のリスクを理由に拒否した。専門家らは、世界的な競争の激化と内部の緊張が高まる中で、台湾の「シリコン・シールド」が依然として中国を抑止しているのかどうかについて議論している。
◇US lawmakers call for broader ban on chip tools (10月9日付け Taipei Times)
→1)テクノロジー競争:大手装置サプライヤーによる中国企業への販売は違法ではないものの、人権に深刻な影響を及ぼす可能性があると報告書は指摘している。
2)米国議会は、中国企業が昨年、既存の輸出規制にもかかわらず、$38 billion相当の先端装置を購入し、半導体産業とAI能力を強化したという報告書を受け、中国への半導体製造装置のより広範な輸出禁止を推進している。
◇Minister reiterates no ‘50-50 split’ with US over chips (10月9日付け Taipei Times)
→1)収益性の高いファブ:海外で利益が得られ、国家安全保障上の懸念がなく、業界が恩恵を受けるのであれば、政府は支援するだろうと経済大臣は述べた。
2)台湾のKung Ming-hsin経済大臣は、半導体生産を50対50で分割するという米国の提案を却下した。TSMCが米国6カ所のファブに$165 billionを投資しているのに対し、台湾には10カ所のファブがあると指摘し、台湾が依然として先端半導体製造の拠点であることを強調した。
【TSMC関連】
引き続き台湾関連。AI活況に乗って非常に好調なTSMCの第三四半期業績はじめ同社関連の動き&内容である。「5欠問題」にも注目している。
◇Taiwan shares smash records with new TSMC high (10月4日付け Taipei Times)
→1)注目銘柄:台湾指数(TAIEX)は382.67ポイント上昇し、そのうち約280ポイントはTSMC株によるもので、TSMCは2.56%上昇し、1,400台湾ドルで取引を終えた。
2)台湾株は、TSMCが過去最高値を更新したことで急伸し、AI関連への期待感からTAIEXは382.67ポイント上昇し、26,761.06となった。MediaTek、Winbond、およびNanyaといった半導体メーカーにも上昇が広がったが、利益確定売りや関税懸念から、従来型産業や金融セクターは低迷した。
◇TSMC、驚異の利益率46% NVIDIA躍進支える「モリスの創業哲学」―The Strategy TSMCの研究(上) (10月6日付け 日経 電子版 02:00)
→半導体世界大手、TSMCの時価総額が1兆ドル(約148兆円)を突破した。世界初の半導体受託生産の専業メーカーとして誕生して38年。米エヌビディアや米アップルから先端半導体の製造を一手に引き受けて年率2割超の増収を続ける。世界の半導体供給源となったTSMCの強みと課題を探った。・・・・・
◇Synopsys and TSMC Partner to Enable 2D, 3D Design Solutions (10月7日付け EE Times India)
→TSMCは、Synopsys Inc.のAnsysシミュレーションおよび解析ソリューション ポートフォリオを認定した。これにより、TSMC N3C、N3P、N2P、およびA16など、TSMCの最先端の製造プロセスを対象としたチップ設計の正確な最終チェックが可能になる。
◇独走TSMC、台湾で水・人材など「5欠問題」に直面 成長の足かせに―The Strategy TSMCの研究(下) (10月8日付け 日経 電子版 02:00)
→TSMCは本拠地の台湾で計15棟の新工場を建設する。海外で工場投資を進めるものの、最先端半導体の開発と量産立ち上げは台湾が担う方針は変わらない。ただ台湾は電力、水、土地、現場作業者、高度人材の不足に直面する。「5欠(5つの不足)」と呼ばれる構造問題が、独走態勢を築くTSMCの足かせとなる。
◇TSMC posts forecast-beating Q3 revenue surge on AI boom―AI demand drives 30% revenue jump for TSMC in Q3 (10月9日付け Yahoo/Reuters)
→TSMCは、AIアプリケーションの需要に牽引され、第3四半期の売上高が前年同期比30%増加したと発表した。売上高は$32.47 billionに達し、アナリスト予想を上回り、会社予想の範囲内となった。
◇TSMC posts better-than-expected sales on AI demand (10月9日付け South China Morning Post)
→1)台湾のTSMCは、NVIDIAやAMDといった大手AIアクセラレータ設計企業にとって頼りになるチップメーカーである。
2)TSMCは、米国のテクノロジー大手によるAIへの積極的な投資を受け、第3四半期の売上高が30%増の9,899億台湾ドルに達したと発表した。NVIDIA、AMD、Broadcom、およびAppleといった先進的なチップへの旺盛な需要が、同社の成長と収益性を押し上げている。
◇TSMC、売上高最高 7〜9月30%増 AI半導体好調 (10月10日付け 日経)
→半導体世界大手のTSMCが9日発表した2025年9月の売上高(速報値)は同月として過去最高の3309億台湾ドル(約1兆6000億円)だった。前年同月比で31.4%増えた。7〜9月期の売上高は前年同期比約30%増の9899億台湾ドルとなり、四半期ベースの最高を更新した。
【中国関連】
自立化に向けた動きの一方、技術情報搾取あるいは密輸という両面立てとなってしまう中国関連の取り出しが、以下の通りである。米中摩擦のまた新たな波が押し寄せる気配で、それぞれに推移に注目するところである。
◇Huawei to boost AI chip output despite additional US curbs (10月3日付け Asia Times)
→1)国営メディアは、ファーウェイのAIクラスターが将来NVIDIAを追い抜くと予測しているが、中国のアナリストは依然として懐疑的だ。
2)ファーウェイは、2026年までにAscend 910C AIチップの生産量を60万台に倍増させる計画だ。米国の輸出規制が厳格化する中で、自給率の向上を目指しており、中国政府が半導体業界における優位性確保に一層力を入れていることを示している。
◇How China is challenging Nvidia's AI chip dominance (10月5日付け BBC)
→中国はAI、ロボット工学、およびハイエンドチップへの巨額投資を通じて、テクノロジー分野で急速に米国に迫りつつある。DeepSeekのようなスタートアップ企業や、Huawei、Alibaba、およびCambriconといった大企業は、米国技術への依存度を下げることを目指し、国内でのチップ生産を推進している。
◇TSMC, Samsung components still found in Huawei's Ascend 910C―Huawei chip teardown reveals components from TSMC, Samsung (10月7日付け DigiTimes)
→半導体情報会社、TechInsightsは、ファーウェイ・テクノロジーズのAscend 910Cチップを分解した結果、部品の一部は依然としてTSMC、サムスン電子、およびSKハイニックス製であると結論付けた。
◇Five Innovative Practices for Capacitors in the Era of Third-Generation Semiconductors (10月8日付け EE Times)
→1)最近のPCIM展示会で、上海・Yongming Electronics Co., Ltd.はこれらの課題に対処するための技術的アプローチを披露した。
事例1:Navitas GaNとの共同開発によるAIサーバー電源ソリューション
事例2:Infineon GaNとの共同開発による480W鉄道輸送電源ソリューション
事例3:GigaDeviceとの緊密な連携による3.5kW EV充電器ソリューション
事例4:onsemiとの共同開発による300kWモーターコントローラー用フィルムコンデンサ(DCリンク)
事例5:NVIDIA AIサーバー GB300 BBUバックアップ電源ソリューション
2)Shanghai Yongming Electronics(上海永明電子)は、EVs、AIサーバー、およびパワーモジュールに搭載される第3世代半導体の性能要求に応える高密度コンデンサを発表した。材料と設計の改良により、容量密度が70%向上し、体積が55%削減され、効率も向上した。
◇China accelerates DUV lithography breakthroughs with patents and testing―China advances DUV lithography tech amid US restrictions (10月8日付け DigiTimes)
→中国は、米国の輸出規制を受け、DUVリソグラフィー技術を強化している。Yuliangsheng社の28nm液浸DUV装置はSMICで試験中であり、SMEEはチップパターンの品質を向上させる方法の特許を取得している。
◇Beijing targets consultancy that does teardown reports on Huawei chips as tech war widens (10月9日付け South China Morning Post)
→1)この動きは、TechInsightsがHuaweiのAscend AIプロセッサにTSMC、SamsungおよびSK Hynixの先進部品を使用していると報じたことを受けて行われた。
2)中国は、カナダの半導体コンサルティング会社、TechInsightsをブラックリストに登録し、取引とデータ共有を禁止した。同社の分解レポートでHuaweiがTSMC、Samsung、およびSK Hynixの先進チップを使用していることが明らかになったためだ。これは、欧米諸国との技術戦争の激化を示唆するものだ。
◇[News] Huawei Reportedly Hires Over 300 Korean R&D Experts as China Steps Up Tech Talent Hunt (10月9日付け Trendorce)
→現在、300人を超える韓国人R&D専門家がファーウェイで働いており、これは中国が韓国の科学技術系人材への関心を高めていることを反映している。高い給与と専門知識への敬意に惹かれ、多くの現役の専門家が、定年退職者ではなく、拡大する中国のテクノロジー・エコシステムに加わっている。
◇US Senate passes measure that limits Nvidia and AMD’s AI chip exports to China―Senate moves to limit China AI chip exports (10月10日付け South China Morning Post (Hong Kong)/Bloomberg
→1)上院の今回の措置は、トランプ政権が今夏、NVIDIAおよびAMDと中国への輸出規制を緩和する合意を結んだことを受けたものである。
2)上院は、中国などの敵対国へのAIチップの輸出を制限することを目的とした超党派法案を可決した。Jim Banks上院議員(インディアナ州選出、共和党)とElizabeth Warren上院議員(マサチューセッツ州選出、民主党)が共同提案したこの法案は、先進技術における米国の競争力を強化し、米国企業がAIチップへの優先的なアクセスを確保することを目的としている。
しかし、テクノロジー業界のリーダーたちは、この措置がイノベーションを阻害する可能性があると懸念を表明している。
◇[News] China Launches Fully In-House 12-Inch SiC Pilot Line, Reportedly Marking 100% Equipment Localization (10月10日付け TrendForce)
→Zhejiang Jingsheng(浙江京盛)のSuperSiC部門は9月26日、中国初となる自社開発の12インチSiC基板パイロットラインを稼働させた。この画期的な技術により、ウェハコストを40%削減できる見込みで、中国のSiC市場シェアが60%に迫る中、EV、太陽光発電、および5G分野の成長が期待される。