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東アジアの半導体業界の激動:中国のM&A、韓国vs.台湾

前回示した米SIA発表による4月の世界半導体販売高でも、ChinaおよびAsia Pacific/All Other地域が世界全体の約61%を占める結果となっている。半導体市場プレーヤーの国別顔ぶれでは米国勢が圧倒している状況が続いていると思われるが、優勢な市場地域を背景に、国家計画に目標として掲げて半導体業界の自立化に向けて強力なM&A(企業の買収&合併)を推進している中国、そしてメモリおよびファウンドリーをそれぞれ引っ張る韓国および台湾のトッププレーヤーの間の最先端プロセスを巡る応酬と、東アジアの半導体業界の激しい動きの今時点に注目している。

≪見逃せない経緯、展開≫

まず中国のM&Aについて、オランダのNXP Semiconductorが、ダイオード、トランジスタなど汎用コンポーネント事業部門を中国のコンソーシアムに売却する合意が発表されている。

◇UPDATE 1-NXP to divest its standard products business for $2.75 bln (6月13日付け Reuters)

◇NXP Sells Biz Unit to China, Downsizes 25% (6月14日付け EE Times)
→NXP Semiconductor NV(Eindhoven, The Netherlands)が、同社standard製品事業について中国のコンソーシアムへの売却に合意、これはNXPの売上げの約5分の1を担う同社workforce全体の約4分の1の移転になる旨。
Beijing Jianguang Asset Management Co. Ltd.(JAC Capital)およびWise Road Capital Ltd.の該コンソーシアムは、約$2.75 billionの支払いに同意している旨。

◇NXP Selling Products Unit for $2.75 Billion to Chinese Group-Chinese investors to buy NXP unit for $2.75B (6月14日付け Bloomberg)
→NXP Semiconductorsが、同社Standard Products事業部門のJianaguang Asset ManagementおよびWise Road Capital Managementへの約$2.75 billionでの売却に合意の旨。該部門は、ダイオード、トランジスタなど汎用コンポーネントを作っており、2015年の売上げが$1.2 billion、NXP従業員約11,000人が新しい半導体entity、Nexperia(Nijmegen, the Netherlands)に移る旨。

◇NXP Semiconductors to Sell Standard Products Unit for $2.75 Billion-Chip company to sell unit to Jianguang Asset Management and Wise Road Capital (6月14日付け The Wall Street Journal)

◇中国投資会社、半導体を買収 (6月16日付け 日経産業)
→中国国有投資会社、北京建広資産管理(JACキャピタル)が、オランダの半導体大手、NXPセミコンダクターズの標準品部門を買収することで同社と合意、買収額は最大$2.75 billion(約2900億円)となる見通し、2017年1〜3月期中の手続き完了を目指す旨。JACキャピタルは昨年、NXPから高周波増幅器を手がけるRF(高周波)パワー部門も買収している旨。

NXPはこの事業売却の前に、RF Power部門の売却を行っているが、それについて米国当局からの承認が以下の通り得られている。NXPは今後、高性能mixed signal ICsへの事業重点化を進める上でのこれら一連の動きと見られている。

◇NXP gets regulatory approval for RF Power sale-CFIUS will allow NXP to go ahead with sale of RF Power unit (6月15日付け Electronics Weekly (U.K.))
→NXPが、同社RF Power部門のJianguang Asset Manangement(JAC Capital)への売却についてCommittee on Foreign Investment in the United States(CFIUS)から承認を得た旨。RF Power事業の分離は、NXPのFreescale Semiconductorとの合併の条件であった旨。今週始め、NXPとJAC CapitalはNXPのStandard Products部門売却で合意、これらの動きは、NXPの高性能mixed signal ICsへの事業重点化の遂行にある旨。

中国のM&Aに関連する動きとしていくつか。まずは、電子デバイスの業界標準化を推進する米国JEDEC(Joint Electron Device Engineering Council)において最近、中国における初めてのQuality & Reliability Task Groupが以下の通り打ち上げられている。

◇JEDEC Quality & Reliability Task Group in China-JEDEC invites industry participation in new quality & reliability task group based in China (6月14日付け JEDEC SmartBrief)
→JEDECが最近、中国における最初のtask groupを打ち上げの旨。JEDECの影響力のあるQuality & Reliabilityに向けたJC-14 Committeeとつながるこの新しいtask groupは、JEDECメンバーでHuawei TechnologiesのDr. Huifang Jiao氏が最初に提案、該CommitteeおよびJEDEC Board of Directorsが承認した旨。該task groupの目的は、中国の会社がこの国際的標準開発機関に加わっていくのを支援するプラットフォーム構築にある旨。この3月18日にHuaweiが主催、深セン(Shenzhen)で開かれた第1回会合には、主要半導体およびICTメーカー約40社が出席、Haier, Gree, TCL, SMIC, China Electronic Product Reliability and Environmental Testing Research Institute, およびThe Computing Institute of the China Academy of Sciencesなどの旨。

半導体業界に向けた中国の投資ファンドの1つにおける資金調達状況が示されている。

◇Shanghai Integrated Circuit Investment Fund completes 1st-round of fund-raising, says report (6月14日付け DIGITIMES)
→中国メディア発。半導体業界に向けた中国の投資ファンド最大手の1つ、Shanghai Integrated Circuit Investment Fund(SICIF)が、総額CNY28.5 billion($4.327 billion)の資金調達第1ラウンドを完了の旨。国家China Integrated Circuit Industry Investment Fundからの寄与がSICIFの当初資金調達の10%であり、他の主要投資筋としては、Shanghai Science and Technology Venture Investment (Group)及びSAIC Motorなどの旨。SICIFの当初資金の大半が上海の12-インチ生産ライン構築に充てられ、Semiconductor Manufacturing International Corporation(SMIC)およびShanghai Huali Microelectronics社に有利に働く動きの旨。

SEMIがまとめた今年および来年の新規半導体fab建設開始件数において、地域別で中国が圧倒する状況に注目させられている。

◇Equipment spending up: 19 new fabs and lines to start construction (6月10日付け ELECTROIQ)
→SEMIのSEMI World Fab Forecastレポート更新版。2016年および2017年に建設が始まる見込みの19のfabsおよびlines、下記参照。
http://electroiq.com/wp-content/uploads/2016/06/new-fab-lines.png
 地域別内訳:米国     2
       中国     10
       欧州&中東   1
       日本     1
       韓国     1
       東南アジア  2
       台湾     2

◇Nineteen new fabs and lines to begin construction in 2016-17, says SEMI (6月14日付け DIGITIMES)
→19のうち中国が10、うち6が12-インチfabs。

◇China to Dominate Fab Building (6月16日付け EE Times)

中国での先端実装市場の今後の展開が予想されている。

◇What is driving the advanced packaging market in China? (6月16日付け ELECTROIQ)
→Yole Developpement発。力強い半導体市況および強力な政府支援が焚きつける先端packaging capabilityへの積極投資が引っ張って、中国での先端packaging売上げが、2015年の$2.2 billionから2020年には$4.6 billionとこの期間16%のCAGRの素晴らしい伸びを示すと見ている旨。

中国に対する新興市場として注目されるインドであるが、半導体工場建設については繰り返す難航の状況となっている。

◇India dials back chip ambitions as investors spurn plant funding-Investors decide not to fund $5B fabs in India (6月15日付け Reuters)
→インド政府当局発。IBM社およびTower Jazz(イスラエル)と連携していたJaypee Infratechが大規模半導体工場の1つへの計画を放棄して数週間後、STMicroelectronics NVが他の$5 billion工場建設計画を現地主要パートナーが十分な資金調達に失敗として止めにする運びの旨。

さて、韓国vs.台湾に目を移すと、最先端プロセスを巡るSamsungとTSMCの間の応酬が展開しており、まずは7-nmである。

◇Samsung, TSMC to compete in 7nm-Chang: The 7nm battle will be between Samsung and TSMC (6月13日付け DIGITIMES)
→TSMCのchairman、Morris Chang氏。Samsung Electronicsが、TSMCにとって技術リーダーシップを維持するために重要な領域である7-nmプロセス分野において主要な競争相手となる旨。Samsungに対する技術優位性をもって、TSMCは7-nmプロセス分野で優勢になれるはずの旨。Intelは7-nm領域でもう1つのTSMCの競争相手となるが、IntelとTSMCの間の関係は競い合いではなく補完的である旨。TSMCは、Intelと"非常に友好的な"関係を展開している旨。

アップル向けを視野にfan-out wafer-level packaging(FoWLP)について、SamsungがTSMCを追いかけている。

◇Samsung to take on TSMC in chip-packaging technology-Samsung challenges TSMC for iPhone chip orders with new packaging (6月14日付け The Korea Times (Seoul))
→Samsung Electro-MechanicsおよびSamsung Electronicsが、applicationプロセッサ向けfan-out wafer-level packaging(FoWLP)を開発、iPhoneに入る半導体製造に向けてSamsungのTSMCとの競い合いを可能にする旨。
「Samsungは来年前半にもFoWLP-embedded半導体の量産を始めると見込まれ、TSMCの今年第三四半期と比べてそう遅くないと思われる。」とHana Financial Investmentが投資家向けレポートにて。

この実装関係については、サムスン電機が参入と表わされている。

◇Samsung Electro-Mechanics to launch IC packaging business (6月15日付け ELECTROIQ)
→Samsung Groupの電子部品系列会社、Samsung Electro-Mechanics(サムスン電機)が、IC実装業界への参入に備えており、Samsung Electronicsと連携して、米国Appleなどスマートフォンメーカー向けの新規半導体供給契約を獲得する計画の様相の旨。

Samsungのメモリ投資を巡る報道の打消しも見られている。

◇Samsung denies plans for 3-D NAND investment-Samsung Electronics says it's not spending $21.2B on NAND flash expansion (6月15日付け The Korea Herald (Seoul))
→Samsung Electronicsが水曜15日、high-endメモリ半導体生産ラインについての投資計画の報道を否定の旨。韓国ニュースメディアが、Hwaseong, Gyeonggi Province(韓国・京畿道華城市[ファソンし])の3-D NANDフラッシュメモリの同社生産ライン増強に約25 trillion won($21.2 billion)を投資する計画と伝えていた旨。

半導体業界最大手、Intelについては、大きなレイオフ、いくつかの携帯電話用半導体製品の開発中止と、困難な状況のなか、Moore's Lawは断念しておらず、nodes間隔が18ヶ月から24か月以上に延びている模様である。10-nm生産については、4月に生産fab toolsが入って、2017年後半に移行する見込みとのこと(6月17日付け Semiconductor Engineering)。上記のSamsung、TSMCの動きと合わせて、引き続き注目するところである。


≪市場実態PickUp≫

【アップルの開発者向けイベント】

米アップルが、Worldwide Developers Conference(WWDC)(6月13-17日:サンフランシスコ)を開催、関連する内容、動きが以下の通りである。グーグルやフェイスブックへの対抗の色合いを前面に、人工知能(AI)の活用、音声アシスタント機能「Siri」を開放、などが強調されている。

◇Apple Expands in AI, Smart Home-Developers get API to access Siri (6月13日付け EE Times)
→Appleが最新ソフトウェア更新をもって、machine learningおよびsmart homeへの同社のアプローチを巡るecosystemsを拡大、宿敵、Googleと競い合っている旨。その方向でAppleは、Androidユーザを取り込むようiPhoneユーザインタフェースにさらに見て楽しいものを入れ、平均的なユーザを初心programmerに変える狙いのツールをリリースしていく旨。同社は、iPhone, Macintosh, Apple TVおよびApple Watchのoperating systems(OSs)に向けて今秋開発者更新版をリリースの旨。

◇アップル、AI活用とメッセンジャー強化の開発方針を発表 (6月14日付け 日経 電子版)
→米アップルが13日、米サンフランシスコ市で開発者向けイベント「WWDC(Worldwide Developers Conference)」(6月13-17日)を開き、人工知能(AI)の活用や、短いメッセージをやりとりする「メッセンジャー」サービスの強化を軸とする開発方針を発表した旨。先行する米グーグルや米フェイスブックへの対抗策を打ち出しており、入力、認証、決済などでスマートフォン、パソコンなど自社端末間の連動性を高めることでより使いやすくする工夫が目立った旨。

◇Apple stepping up procurement for new Apple Watch (6月15日付け DIGITIMES)
→supply chain筋発。Appleが、2016年後半お披露目予定の第2世代Apple Watchについての半導体&コンポーネント購買を踏み上げている旨。月当たり約2 million個の出荷が見込まれている旨。

◇アップルソフトを更新、音声アシスタント機能「Siri」を開放 (6月15日付け 日本語_新華網)
→米アップルが13日から開催された2016年度世界開発者会議で「アップルTV」、「アップルウォッチ」、「モバイル機器」、「パソコン」の4大基本ソフト(OS)の最新版を発表、音声アシスタント機能「Siri」について、開発者に開発キットを提供することを明らかにした旨。アップルの開発者向けに「Siri」開発キットを開放することで、ユーザはアップルのアプリケーションだけでなく、「Siri」を通じて、配車サービス、画像検索、ジム、決済などの第三者アプリケーションに接続し、使用できるようになる旨。

◇アップル、ライバルに対抗、AI活用、端末を横断、技術革新は手詰まり感 (6月16日付け 日経産業)
→米アップルが13日から米サンフランシスコ市で開いている開発者向けイベント「WWDC」にて、スマートフォン「iPhone」など主力機器向けに人工知能(AI)の活用や、短いメッセージをやりとりする対話アプリの強化など斬新な改良も多く出た旨。ただ競合がすでに実用化している技術も多く、ひと手間を省く細かな改良が中心で、技術革新の観点からはやや手詰まり感もあった旨。今回の目玉の一つが、同社のAIをもとにした音声認識・応答サービス「Siri」の強化、これまでスマホやタブレット端末に搭載していたが、自社のパソコン「Mac」や、配車やゲームなど他社がアップル向けに開発したアプリでも使えるようにする旨。

【半導体業界の行く道】

端的には長年慣れ親しんだ国際半導体技術ロードマップ(ITRS)が、IEEE International Roadmap for Devices and Systems(IRDS)に置き換わろうとしているが、変わらなければならない半導体業界の今後のあり方を問う今こその論調が増えてきている受け止めである。

◇Plotting The Next Semiconductor Road Map-Analysis: Where does the semiconductor industry go from here? (6月13日付け Semiconductor Engineering)
→変化する技術ecosystemに向けたenablers, implications, そしてperspectivesについて、Synopsys、Mentor Graphicsはじめ業界リーダーの見方。半導体業界は、ビジネスおよび技術の難題に直面している旨。
「機器のintelligenceが上がっていくことが期待しているもの。技術についての心配なしに人々が技術の恩恵を得るところに辿り着いていく。」(ARMのCEO、Simon Segars氏)

◇Changing markets drive smarter manufacturing by IC sector (6月13日付け ELECTROIQ)
→SEMIのPaula Doe氏記事。ICsにとって変化していく市場は、半導体supply chain拡大に向けていつも通りのビジネスの終わりを意味している旨。データanalyticsのより賢い使用が、新製品をさらに素早くマージンを改善して高歩留り生産にもっていく上で重要な戦略と思われる旨。以下の内容:
 Emerging IoT market drives change in manufacturing
 Rapid development of affordable data tools from other industries may help
 Demands for faster development of more complex devices require new approaches

【MicronのInotera買収】

Micron Technologyの同社台湾DRAM合弁、Inotera Memories買収が、Micronによる期日の後倒しで以下の通り懸念を呼ぶ推移となっている。Inoteraには、その遅延の開示が遅れたとして、Taiwan Stock Exchange Corpから罰金を科せられている。

◇Micron's Inotera Buy Delayed (6月8日付け EE Times)
→メモリ半導体メーカー、Micron Technology社(Boise, Idaho)が水曜8日、同社の台湾DRAM合弁、Inotera Memories社の買収期日が、当初の来月の目標日付けの先に後倒しになっている旨。

◇Micron pushes back closing of Inotera acquisition (6月13日付け DIGITIMES)

◇Inotera says deal with Micron proceeding (6月14日付け DIGITIMES)
→Inotera MemoriesのMicron Technologyとの取引は処理完了の遅れにも拘らず引き続き進んでいる、とうまくいっていないという憶測に反応してInoteraのchairman、Pei-Ing Lee氏。Micronは、当初は7月半ばに完了予定としていたInoteraの買収が遅れ、calendar 2016年の後半に向かって改めていくとしている旨。この発表が、該買収取引を巡る不安定懸念を生じている旨。

◇Micron proceeding with buyout: Inotera-Micron is going ahead with $4B purchase, Inotera says (6月14日付け The Taipei Times (Taiwan))
→Inotera Memories、月曜13日発。Micron Technologyは、Inoteraのequity sharesの67%を約$4 billionで買収する計画を進めており、該取引の完了が来月ではなく今年後半となっている旨。「この取引完了には楽観している。」とInoteraのChairman、Lee Pei-ing氏。

◇Inotera tech drives Micron bid: researcher-TrendForce: Micron seeks Inotera's 20nm technology (6月15日付け The Taipei Times (Taiwan))
→Micron TechnologyのInotera Memoriesへの関心はInoteraの20-nmプロセス技術への素早い移行で焚きつけられている、とTrendForceが断言の旨。
Inoteraにおける24% stakeをMicronに売却する該$4 billion取引は、MicronおよびNanya Technologyの両方に有益である旨。Inoteraは、Micronの該買収取引完了遅延の開示が遅れたとして、Taiwan Stock Exchange Corpから昨日NT$300,000の罰金を科せられた旨。

【CaviumのQLogic買収】

米国でのM&Aであるが、通信、セキュリティおよび汎用プロセッサのCavium社が、networking製品のQlogic社を買収、Broadcom, IntelおよびMellanoxに対抗する業界模様が強まっている。

◇Cavium Buys QLogic for $1B-Deal expands vendor of data center chips (6月15日付け EE Times)
→Cavium社(San Jose, CA)が、(Aliso Viejo, CA)をbillion-dollar買収、ストレージおよびネットワーキングでBroadcom, IntelおよびMellanoxに対抗する旨。QlogicのFibre ChannelおよびEthernetコントローラ&ボードが、Caviumの通信、セキュリティおよび汎用プロセッサのline up に加わって、Caviumが一層データセンターfull-lineサプライヤの位置づけとなる旨。

◇Cavium To Acquire QLogic, Create IP, Storage Networking Heavyweight-Cavium will buy QLogic for $1B+ (6月15日付け CRN.com (U.S.))
→Caviumが、cashおよび株式約$1 billionでのQLogic買収に合意、さらに第三四半期に完了予定に向けてQLogicに$355 millionが用意され、最大$1.36 billionとなる旨。QLogicは、adapters, switchesなどnetworking製品を供給、同社ネットワークインタフェースカードのARMベースThunderXプロセッサ統合でCaviumと協働してきている旨。

◇Cavium Spending $1.3B on QLogic (6月15日付け Light Reading)

◇Cavium to Buy Networking Products Company QLogic-Margin pressure has contributed to a wave of consolidation in the semiconductor industry (6月15日付け The Wall Street Journal)

【ASMLのHermes買収】

M&A関連が続くが、半導体露光装置世界最大手、ASML(オランダ)が、最先端E-beam Inspection(EBI)ツールのHermes Microvision(台湾)を約$3.1 billion in cashで買収している。extreme ultraviolet(EUV) lithography装置についての検出capabilities強化が期待されている。

◇ASML Buys Hermes for $3.1B-Deal for e-beam maker supports EUV (6月16日付け EE Times)

◇ASML to Acquire Taiwan's Hermes Microvision for $3.1 Billion-ASML will acquire Hermes Microvision for $3.1B in cash (6月16日付け Bloomberg)
→ASML Holdingが、Hermes Microvision(台湾)の約$3.1 billion in cash買収を発表、Hermes Microvisionのpattern検証システムは、ASMLのlithography装置を補完する旨。

◇ASML to acquire Hermes Microvision (6月16日付け DIGITIMES)
→ASMLがHermes Microvision(HMI)(台湾)の発行済み株式すべてを約NT$100 billion($3.1 billion)規模のcash取引で買収する合意に、両社が入った旨。最先端リソグラフィのASMLおよび最先端E-beam Inspection(EBI)ツールのHMIは、それぞれの分野でリーダーであり、ICメーカーが最先端microchipsの生産で歩留り改善に使える共同のアプローチをすでに展開してきている旨。

◇オランダASML、台湾半導体検査を買収、3200億円で (6月17日付け 日経)
→オランダの半導体露光装置世界最大手、ASMLが16日、台湾の半導体検査装置大手、漢民微測科技(エルメス・マイクロビジョン)を買収すると発表、買収総額は約1千億台湾ドル(約3200億円)の旨。エルメスは特殊な電子ビーム式検査装置のトップ企業、ASMLは技術力を補完し最先端分野への対応力を高める旨。当局の審査を経て2016年10〜12月期の手続き完了を目指す旨。

◇A win-win for ASML and HMI (6月17日付け DIGITIMES)
→ASMLはHermes Microvision(HMI)の買収を通してextreme ultraviolet(EUV) lithography装置についての検出capabilitiesをさらに強化する一方、HMIは該取引によりfab-tool市場からの"完全"撤退が行える旨。


≪グローバル雑学王−415≫

投資家から集めた資金で対象企業の経営に深く関与して企業価値を高めてからの売却を目指すプライベート・エクイティ・ファンド(Private Equity Fund)について、

『M&Aの「新」潮流』
 (山本 貴之 著:エネルギーフォーラム新書 036) …2016年1月15日 第一刷発行

より、その中身、意味合い、価値向上のやり方、そして出口の戦略がまとめられてある。半導体業界では数年前に、欧米企業のM&Aで該ファンドとしてコールバーグ・クラビス・ロバーツ(Kohlberg Kravis Roberts, KKR)が登場したという覚えがあるが、今や我が国内含めそれこそグローバルな多業種にわたる活動が業界記事にますます見えてきている。


第8章 プライベート・エクイティ・ファンドとM&A

【金融投資家であるプライベート・エクイティ・ファンド】

■プライベート・エクイティ・ファンド(以下「PEファンド」)とは
 …機関投資家、金融機関等の投資家から調達した資金を原資に、主として未上場株式等を対象に投資を行う金融投資家
・その運営は、運営責任者であるファンド・マネージャーに全面的に一任
 →運用成果に応じて一定の成功報酬を受領
・様々な投資戦略のPEファンドのタイプ
 →バイアウト・ファンド …投資先企業の株式の過半数を取得するバイアウト投資を対象
  グロース・キャピタル・ファンド …企業の成長資金ニーズを捉まえてエクイティ投資
  ベンチャー・キャピタル・ファンド
  メザニン・ファンド …企業のメザニン("中二階"の意。借り入れとエクイティの中間)資金ニーズを捉まえて投資企業再生ファンド
  セカンダリー・ファンド
・バラエティーに富むものの、いずれのファンドであっても、そのライフサイクルは極めて類似
 →ファンドの存続期間が概ね7〜10年、そのうち当初3〜5年が投資可能期間
・金融投資家であるファンド・マネージャー
 →投資家から調達した資金に、期待利回りに相当する価値向上をバリューアップ等を通じて行い、ファンドの存続期間内に投資家に対して分配することを目的

■PEファンドの投資活動とM&A
・PEファンドの投資活動はM&Aとは切っても切り離せない関係
1)PEファンドが買い手候補として参画する場合
 (A)売り手である事業会社から、買い手候補のPEファンドを見た視点
  →価格の妥当性やプロセスの透明性を確保するために、複数のPEファンドに対して売却打診が行なわれることが多い
 (B)買い手候補の事業会社から、同じ買い手候補のPEファンドを見た視点
  →PEファンドが競合として存在するか否かで判断を何ら変える必要はない
  →買収目的や買収後のシナジーは競合する買い手候補の存在の有無で変わるものではない
2)PEファンドが売り手である場合
 →PEファンドが投資先企業等の株主となっている間、投資先企業等にどのようなバリューアップを行なっているか

【PEファンドが投資先企業等に行うバリューアップ】

■PEファンドの基本
・投資資金の価値向上
 →主に次の4つの要素
  1.よい企業・事業を極力安く買収
  2.買収時に借入金(レバレッジ)を活用、エクイティの投資効率を高める
  3.買収後にガバナンス等を効かせ、投資先企業等の業績改善や収益性の向上を図る
  4.適切なタイミングで高い企業価値での換金化(M&Aを通じた売却や上場)
・昨今では、投資先企業へのバリューアップやガバナンス強化に注力するように

■PEファンドが行う投資先企業等へのハンズオンによるバリューアップ
・経営陣が運転する車の助手席に座る、経営に手を貸すといった形で関与することがその中心
・経営への関与や支援の具体的なもの
 1.経営戦略・方針の策定
 2.経営の管理体制の構築および高度化
 3.生産・物流・業務効率の改善
 4.海外展開支援
 5.顧客紹介
 6.M&A支援
 7.コスト削減
 8.資産売却
 9.資金調達の支援
 →PEファンドは、こうした取り組みを投資先企業等の経営管理の質と水準、投資先企業等が置かれた経営状況に応じて柔軟に行っている

【PEファンドのEXIT戦略とM&A】

■PEファンドのEXIT戦略
 EXITのタイミング
  →バリューアップ策が完了した時点が節目に
 EXIT方法
  →ファンド・マネージャーは投資時点において、EXITのベースシナリオの想定、それがM&Aによる売却であれば買い手候補の想定を行うのが一般的
  →実際のEXIT方法を決定する時には投資時のベースシナリオに加え、投資後の業績推移と足許の業績、検討時点の経営陣の意向や市場環境等を踏まえながら決定
 EXITプロセス
  →事業会社等への売却によるEXITとなった場合、昨今は入札プロセスを経るものが増えている
 で箋儔然福売却条件
  →ファンド・マネージャーにとって、売却価格は最重要視するファクター
 ズ能的な買い手候補の選定
  →3点が軸 …売却価格
        …株式譲渡契約の条件
        …投資先企業等にとって最適なスポンサーであるか

■事業会社にとってのファンドの投資先企業等を買収するメリット
・PEファンドが金融投資家であり、運用成果に応じて投資家より成功報酬を受領する仕組み
 →ファンドの投資先企業等の買収にあたっては、ファンドが考えるフェアバリュー以上の価格での買収となるのが一般的
・しかしその一方、ファンドの投資先企業等であるが故に、事業会社にとっては非常に魅力的なM&Aとなりうる側面があるのもまた事実

【PEファンドと事業会社のM&A、投資における考え方の相違点】

・すなわち、金融投資と事業投資の違い
 →一番の大きな違いは、投資期間の考え方
  …PEファンドの行う投資が一般的には3〜5年間の保有期間
  …事業会社の行う投資は、保有期間に特段制限のない中長期的な視点での投資
 →2つ目の違いが、投資から得られる収益の考え方
  …金融投資家にとっての投資は、内部収益率(IRR)の観点で評価
  …事業会社は、買収企業・事業が自社決算においてどのように収益貢献をするかを長期的な視点で評価することが多い
・PEファンドは、中堅企業や地域の企業にとっては依然として馴染みが薄く、取っつきにくい側面
 →事業会社にとって、PEファンドとM&Aの関係についての理解が進み、M&A市場の良質な拡大につながれば幸い

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