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ICパッケージの設備投資、空前の急拡大〜イビデン3000億円投入、3工場新設

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国内プリント配線板メーカー各社の投資額推移を見ていれば、半導体に連動しながらかなりの上昇を続けていることがよくわかる。イビデンからシライ電子までの大手13社の設備投資総額は、2018年度に1477億円、19年度に1526億円、20年度に1788億円となっており、21年度については一気上昇し、大台の2362億円に乗せる勢いなのである。

業界トップのイビデンの21年度予想は800億円、2番手の新光電気は661億円、3番手の京セラは300億円となっている。NOKの投資額は、ここに来て17年度の250億円に対し、半額の水準となっており、メイコーや住友電工もそれほど高い水準にはない。しかし、全体としてとにかく勢いが出てきたことだけは間違いがないのだ。日本CMKも20年度の37億円から21年度に83億円まで伸ばしている動きを見ても、これがよくわかる。

一方で、パッケージ基板向け主要部材/装置メーカーの設備投資計画も一気呵成の勢いとなっている。日東紡は、ガラス炉などの増強を中心に2023年度までの3年間で450億円という大型投資に踏み切る。昭和電工マテリアルズは、パッケージ基板向けのプリプレグやソルダーレジスト増産に90億円を投入する。パナソニックも80億円投入。奥野製薬も60億円投入の設備投資を決めている。アドテックエンジニアリングでは、新工場のための用地取得も行っている。

TSMCの熊本新工場がひたすらに話題となっているが、実はかなり重視しなければならないのが、TSMCのつくばの新研究所の立ち上げなのである。ここには300億円以上が投入される。ポイントは、パッケージ、さらには実装基板を含めて後工程の研究開発に総力を投入すると言われていることだ。なぜなら、フリップチップパッケージの世界シェアは、1位がイビデンで28%、2位が新光電気で17%を持ち、ひた走っている。そしてまた、日本勢はプリント配線板についても、最先端の開発や生産で相当に強い。もちろん、後工程の材料や装置についても世界ナンバー1の実力を持ち、設備投資を強化している。

TSMCの後工程強化の動きは、とりわけ日本の半導体パッケージメーカーを大きく刺激している。筆者はTSMCの動きを聞きつけてヒアリングしたところ、信じがたい動きをキャッチした。イビデンは、岐阜県に3つの新工場を建設し、大型増強を図るのであるが、この投資には3000億円以上を投入する。新光電気もまた、更北工場、若穂工場の生産能力増強を進め、長野県下に新工場も立ち上げる。この投資額が約1500億円と聞いている。筆者は40年近くも半導体記者を続けてきたが、半導体パッケージメーカーにこれだけの大型投資が出てくることは前代未聞のことなのである。これが世界的な半導体の爆裂的上昇を象徴する出来事なのであると思う。

株式会社産業タイムズ社 代表取締役会長 泉谷 渉

編集室解説
一般的なプリント回路基板の多くは中国で生産するようになり、配線幅が数10µmとなる微細な配線技術を日本が得意している。特に微細な配線のプリント基板は半導体パッケージに使われており、ここで日本のイビデンや新光電気工業などがIntelなどのプロセッサやSoCのパッケージを請け負うことで発展している。

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