中国の家電市場の明暗：好調な液晶TV、冷蔵庫、携帯

　携帯電話市場では、2006年1月〜5月の生産台数が17,063万台、前年同期比7,189万台増加し、72.8%の伸び率に達している。エアコン業界では、銅やアルミなど原材料の値上げにより、2006年1月〜4月のエアコン市場伸び率が−10.95%のマイナス成長となっている。

1. 薄型テレビ：液晶テレビは上昇、プラズマテレビは低下 　2006年1月〜5月の中国薄型テレビ生産台数は、1,083万台と前年同期比の3.1倍成長した。2006年上期には、中国市場の販売台数は212.1万台と前年通年販売台数を上回っている。2006年下期には、270万台の販売台数に達すると見込まれている。 　薄型テレビ市場は好調に推移しているが、プラズマテレビの販売は予想より下回っている。2006年1月〜5月の中国プラズマテレビ生産台数は35万台で前年同期比―14.2％、薄型テレビ全体の5.4%にすぎない。 　現在、中国薄型テレビ市場では、TCL、海信、康佳、創維、長虹、厦華、海爾など中国勢が液晶テレビマーケットの62.6%のシェアを占めている。プラズマテレビは、松下、日立、フィリップス、LG電子の海外勢4社が中国プラズマテレビマーケットの6割以上を占めている。
2. 白物家電：エアコンと洗濯機が不調で冷蔵庫が好調 　エアコン業界では、銅やアルミなど原材料の値上げを受けても増産の勢いは減速していない。2006年1月〜4月のエアコンの生産台数は、2,943万台と前年同期比6%で、エアコンの輸出は、前年の低迷状態から抜け出して、2006年1月〜4月の輸出台数が1,586.07万台と前年同期比18.38%を増加した。 　しかし、2006年1月〜4月の中国のエアコン市場（販売）は、原材料の値上げ、在庫処理、資金調達、天気などの影響で、―10.95%のマイナス成長となっている。上位10社のうち、格力と松下以外はマイナス成長となり、このうち奥克斯がマイナス30%以上に達している。 　洗濯機業界も低迷となり、2006年1月〜4月の洗濯機累計生産台数が992.96万台と前年同期比0.26%減少した。洗濯機の販売台数もマイナス成長となっている。ただ海外ブランド品やドラム式洗濯機は売れ行きが依然好調である。 　白物家電の中で、唯一好調なのが、冷蔵庫である。2006年1月〜4月の冷蔵庫生産台数は、累計で1,232万台と前年同期比29.6%増加した。また、2006年1月〜5月における冷蔵庫の小売販売台数と小売価格は前年同期比6.85%、17.36%とそれぞれ成長している。今後、3、4級都市への新規開拓やマルチドアなどドア式冷蔵庫の急増が期待できると見ている。
3. 携帯電話：中国ブランドのマーケットシェアが3割未満に 　現在、中国では約70社が携帯電話の生産許可を得ている。中国の携帯電話市場は、2005年に8,000万台の規模に達し、二桁成長を継続的に推移しており、世界の最大規模かつ最も急成長する携帯電話市場である。 　2006年1月〜5月の携帯電話の生産台数は、1.7063億台と前年同期比で7,189万台増加した。GSM/GPRS携帯電話メーカーの輸出伸び率も68.8%に達した。このように、中国携帯電話の生産と輸出が上昇する一方、中国ブランドの携帯電話の販売が不調であった。2006年5月末で、中国携帯電話市場の中国ブランドシェアは28.56%となった。 　ノキアは、2006年1月〜5月の中国携帯電話市場シェアが30.31%に達し、中国勢の市場シェアを上回っている。ちなみに、モトローラの中国携帯電話市場のシェアは21.44%である。中国勢の波導、夏新、康佳などは、2005年に業績赤字となっていたが、海外市場への販売努力が効果を上げて、2006年第１四半期の業績は黒字に転換した。

セミコンダクタポータルのコンテンツパートナー、アレグロ　インフォメーション・インク(以下アレグロ)による、中国のエレクトロニクス・半導体・液晶分野のマーケット情報です。アレグロは、同社独自の調査及び、中国国家統計局、CCID、中国電子報、経済参考報、国際金融報などから得たフレッシュな情報をベースに、特に中国のIT、エレクトロニクス、半導体・液晶関連の情報収集・提供、分析、調査を行っています。今回、提供したのは、同社の月刊レポート「中国レポート：Electronics and Semiconductor China」の2006年7月号からの一部抜粋です。